今、宗教団体の洗脳が話題になっている。マインドコントロールといってもいいかも。


人間誰でも、何かに絶対の確信を持って生きているわけではない。ましてや若い人や、生まれたての赤ちゃんならなおさら。


宗教の洗脳はそういう人間の漠然とした不安感の隙間に、素直な人間の精神に入り込んで蝕んでいく。


⚫︎宗教のご利益はあるのか?


今の宗教は、唱えればご利益があると説いて、難しい教義の理解や厳しい修行をすることなく悟りの境地に到達できると彼らは言う。


しかしそもそも、悟りの境地とはどんな境地なのか?絶対的な幸福境涯とはどんな境地なのか?定義が明確にされていない。


誰もが否定ができない漠然とした曖昧な言葉で、何か今より生活が良くなるのかの幻想を抱かせる。


確かに人間とは、何かにまっしぐらに取り組めば、それなりの成果が達成されることは多々ある。


しかしそれは果たして宗教のオリジナルのものなのだろうか?


宗教の方は、宗教のご利益だと主張するかもしれないが、キチンとしたデータはあるのか?


⚫︎洗脳の第段階〜布教


若い人が宗教に入信した時に、当初は、唱えるだけで幸せになれると聞いていたのに、しばらくしたら、友人・知人にこの宗教を勧めるように促される。


若い人は、「話しが違うじゃないか。」と疑問を覚えるのだが、宗教の人は、「疑わないのが宗教だ。言われた通りにしなさい。」と言う。


素直な若者は「あ、はい。」と言い、言われた通り、友人知人にこの宗教の話をしに尋ねて行く。


しかし行くところ行くところ、なかなか入会してくれる友人・知人などいなくて困っていると、宗教の人は、「この宗教の素晴らしさを理解できないような人は人間ではない。」と。


若者はその言葉にショックを受けるが、周りの宗教仲間に囲まれて、なかなか弱音を吐くことができない。


しかしその後、他に誰か話せる人はいないかと、100人、200人、300人単位でリストアップするように促される。同窓会名簿・会社の名簿、近所のスーパーたち。さらには、住居とは離れた街のアパート・コーポをローラーをかけて、11軒玄関をたたくようになる。


そんな中で、ごく稀に「それなら自分もやってみようか?」と、入会してみようという人が現れる。


そうなると若者は、もうこの宗教から抜けられなくなる。自分が入会させたその人に対して責任が生じるからだ。


自分は、確固たる確信があるわけではない。ただ先輩に言われた通りに、宗教修行だと思って布教活動に参加しただけだ。


しかし自分が紹介者となり、新しく入会者が出ると、ますます疑問とか質問とか、組織の中では言えなくなる。


悩んで先輩に相談しても、「そんなこと言うもんではありませんよ。疑わないのが宗教ですから。」とたしなめられる。


教団によっては、ここに選挙活動も加わる。


⚫︎洗脳の第段階〜お金


次は、お金を寄付するように言われる。


当然ながら、組織を運営するためには、会費の類のお金はある程度は必要だと思う。


しかし宗教団体が求めるお金は、最初は年間1万円程度の金額だが、入会年数が重なってくると、増額を促される。中には年間100万円・200万、それ以上寄付する人も出てくる。


表向きは「寄付金額の多寡でご利益が変わることはない」と宗教幹部は言うが、現実には、寄付金額のおよそは、なぜか会員の中でウワサが広がり出して、そのウワサに後押しされる形で、ムリをして寄付する人も出てくる。


⚫︎洗脳の第三段階〜自分も加害者の側に立つ


つまり、その宗教組織の中で、円滑な人間関係を維持しようと思うと、上の幹部の言うことに逆らうことはできない。


しかしたまに、マスコミでも取り上げられることもあるが、退会した人が、宗教組織の疑問などを述べようものならば、宗教の人たちは、口汚くその人を集中攻撃する。そして組織内で見せしめのように罵倒される。


そういう宗教者の言動を見せられると、普通の人間なら、「くわばら、、、」と口をつぐむ。


まるでどこかの恐怖政治のように。


中には組織に同調して、罵詈雑言を退会者に投げつける人も。もうそうなると晴れて、一人前の宗教人だ。


そうやって宗教組織の内側の人間は、団結力を強めていく。


そういう宗教組織が、今後、どのような進展を見せていくのか、注視していきたいと思う。