G-1151 リプレイ企画第36回 Day.1-3 鏡のムコウ
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Day.1-3 鏡のムコウ
彼女が立ち去る姿から目が離せずに、ずっと見送って。
それから、我に返って、足早にその場を逃れる。
春の暖かい風が桜の香りで癒す。
それが肌に当たる感触さえ、耐え難い寒風に感じられて。
折れ曲がるほど、項垂れて歩く。
全ての力を使い果たしたかのように。
キモいな、俺。
我ながら、あれはキモい。
すれ違っただけのことだから、あまり気に留めないでいてくれると助かるが。
でも懲りない。
また会いたい、彼女を見つけ出したい。
地を這い回ってでも、ってのは、流石に法に触れるよな、今考えたら。
ストーカーじゃんね。
ああ、ストーカーって、こうして生まれるのかあ…。
まるで自分が犯罪者になってしまったかのような落胆を抱きつつ(まだ早えーっつの)、不調で重い体を引きずるように急がせる。
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