忘れられない、はじめて唇を奪われたのは
高校生の時。

クラスメイトの女の子でした。



曖昧さがあった時代でした。
愛犬にでもするような、気軽さで。
かろやかに。


スカートの丈は少し短く、
タイツからのびる足は、ヒールでも似合いそうで。
同じ年とは思えない、大人びた彼女に
私は憧れと
絶対に追いつけない、焦りとか
ちょっとした嫉妬心をもっていたので。
そのあと、私は気持ちが混乱したまま
卒業しました。


思い出すのは、ひらりと揺れるスカートと
ふんわりした、柔らかさと

悪戯っこのように笑う、彼女の笑顔。