死ぬ頃にようやく語られるものなのだろう。


実家を出て二年。
三十年近く暮らしたあの場所は遠くなってきた。

住めば都という言葉の通り、東京も好きになってきた。

ろくでもない生活をおくりながらも、毎日ちょっとしたことに幸せを感じる。


そんな世界も気に入っている。


私の人生とやらは余り幸せには見えなくても。

私はそれでいいのだ。