$ガールズバー・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン
新宿テアトルで公開されてる『キャタピラー』を観に行ってまいりました。
この作品で主演の寺島しのぶはベルリン映画祭コンペティション部門で主演女優賞を受賞とのこと。 
時は第二次大戦中、戦地に出兵した夫、久蔵が帰ってきた。しかしその姿は顔は焼けただれ、聴力も失い、そして四肢がない状態であった。最初はパニックに陥った妻シゲ子も生きた軍神と崇められてる夫の面倒をみることは国へのご奉公だと懸命に面倒をみる。

でかでかと反戦映画とうたわれた本作でありますが、劇中ではダイレクトに反戦を訴えている部分はほとんどなく全体的にみてもそんなに反戦としてのメッセージは少ないです。 それよりも四肢を失くしても性欲だけは衰えない久蔵の妻を欲しがる姿とそれに無表情で答える妻シゲ子のシーン(かなり頻発)はリアルな描写といい寒気がいたします。最初から最後まで寺島しのぶの独断場で他のキャストを忘れるほどです。(四肢を失くしたインパクト大の久蔵も含む) しかしたまに出てくる与太者のクマさんはいい味を出しておりました。
映画の作りは素人の私から観てもかなり粗い印象を受けました。
反戦と言う意味ではエンドロールで流れる当時の原爆の被害や 元ちとせ の唄に全てがこめられてます。
当時の被害者の数や米兵に囲まれた中での戦犯の絞首刑シーン を見ると確かに日本が戦争をし負けたのだと実感させられます。
戦争勝利国に裁かれ法を変えられた今の日本 本当に反戦を訴えるべき相手は日本というよりあっちのアノ国のような気がします。