「眠れなくなるほど面白い 図解 数学の定理」読了 | 人生成功のアルゴリズム

人生成功のアルゴリズム

~鉄腕アトムを作りたかったその心は、正義と優しさと強さを作りたかった~

「眠れなくなるほど面白い 図解 数学の定理」読了

先日、リーマン予想に関する「素数に憑かれた人たち」を読み、その延長で読んでみた。図も多く、厚みもなく、さらりと読めてしまう内容だけに、前回読んだ「素数に憑かれた人たち」ほどの没入感は得られなかった。

それでも、知らないことは多い。正多面体は正二十面体までしかないことや、5次方程式以上の解を求める公式は存在しないことが証明されているなど。

私は数学が好きなのだが、やはり実用の面で劣る気がしてならなない。ただ、1つの定理を導くのに(形式的に)100もしくは1000もしくは10000以上の試行錯誤、時間と労力が支払われており、場合によっては、その1つの定理がなければ、今日の現代社会が成り立っていない可能性があるのは簡単に想像がつく。

数学が倦厭される理由は、それがそのまま実用につながらないことで、さらには数学でメシが食えるのはほんの一握りの人間だけという事実。私が、気に入らないのは、評価できる人に出会うこともままならないことだ。大学へ行っても、大学の先生ですら、評価できないことの方が多い。

まあ、逆に、学術的に凝り固まり過ぎて言葉の柔軟性が奪われてしまっている人たちもよく見かけるから、評価できそうな人がいる方向へ近寄るのもまた危なっかしい。

進化論的に言えば、そのときに適した少数派が生き残り、そのときの状態が続く中で少数派だったものが数を増やすのであるが、それは適切な世代交代がなされなければ実現しない。

ITは数学と切っても切れない縁があるが、このたびIT革命は産業革命に次ぎ、成功し今なお進行中である。幸いにも、経済発展のうえからも、ITへの評価が変わり、現在はAIである。これはすなわち、個体が世代交代したのではなく、個体の評価基準が変ったことに他ならない。そう言えば、ダーウィンの進化論において、個体の思考・志向・指向・嗜好の変化について論じられていただろうか。

何はともあれ、数学的思考の重要性はIT革命によってより明らかになった。単なる感情論で話をする連中が少数派になってくれることを強く願う。