角目好き

角目好き

四角いライトいかがです?

懐かしのフェーザーを買った。旧来の仲間達との再会を祝して。そしてこの1年間頑張ってきた自分へのご褒美として。



だけどこの結果、とうとうオートバイを駐めるスペースが完全に無くなった。つまり完全なる最終機はフェーザーとなったのだった。

最後に駐められる7号機を買うことは相当前から漠然と考えていた。ピンクシートのRZやガンマウォルターウルフから始まり、GPZ750F、ビューエルネイキッド、アプリリアバーハン、ハーレーXR1200、こんなのが欲しかった。

そして6月になり、考えを行動に移す時が来た。初めに現れたのは刀カウルをまとった油冷ビッグだった。次に400のドカモンに目が止まったのだけれど、2台とも直キャブだったのであきらめることにした。

 

 

そして水冷600エンジンを積んだXJRを見に行ったり、サンダーキャットの出品者に質問をしたり、2ハリを見に行ったりした。

だけどどれも何故かピンとくるものが無かった。そして、眼の前に現れる魅力的な機種に振り回されるのではなく、原点に帰って欲しいものが出てくるまで待とうと決めた矢矢、フェーザーが出品されたのだった。

各部の写真や動画、そして評価も対応も問題なく、そして予算内で競り落とすことが出来たのだった。落札の約1ヶ月後、レッカー付きの任意保険にも入り、ナンバープレートを持って出品者のもとへと向かった。

電車の中では音楽を聞きながら風景を眺めていた。そして学生時代を思い出していた。免許を取ってから1番欲しかったのはFZ400Nで、2番がフェーザーだった。だけど大学1年の自分が買ったのは、一番安くて丈夫そうなVTZだった。つまりフェーザーは私の中でずーっと2番であり続け、何かと思い出すオートバイだったのだ。

 

秩父に向かう電車はいつもオートバイを停めて休憩している駐車場の上に停車した。あと数時間もすればここにフェーザーを停めるのだろう。

熊谷方面の秩父鉄道に乗り換えて目的地の駅にたどり着いた。陽はすでに高く、多分30度を超えていた。歩き始めるとすぐに汗が吹き出し、国道に沿って流れる川で遊ぶ誘惑に駆られた。

到着すると、晴れて我がマシンとなったFZ250フェーザーはこちらを向いてとまっていた。

出品者は朝っぱらからの訪問を広い庭の木陰で待っていてくれた。この方の出品は私のハートを射抜くものばかりで、昔から良く観ていた。同年代で私に似た雰囲気の方で、話しがはずんだ。気がつくとすっかり真夏の日差しになっていた。見送られてFZにまたがってエンジンを掛け、出発することにした。

実写を見ないで競り落としたマシンだったけれど、自分の直感に間違いはなかった。液類やバッテリーの基本整備はしっかりしてあった。エンジンは異音ゼロで、各部の動作にも全く問題が無く、素晴らしい38年前のオートバイだった。もうこれだけで十分だ。

 

しっかり芦ヶ久保で休憩をとった


エンジンは思いのほかトルクフルだった。札幌においてあるFZ400Nといい勝負だ。学生時代に良く借りて乗っていた87年型のFZR250Rよりもトルクフルで、ピックアップも良く、これは完全に当たりのエンジンだ。8000回転からの伸びのよさとパワー感は感動ものだった。

 

ただ一点、ステムベアリングが逝っているので、フォークの点サビも含めてフロントの全バラが必要だ。チェーンと前後スプロケも交換だ。ついでにリアサスもオクムラに送ることにしよう。あと有名な6000~8000の谷には我慢ならないので、マフラーは替えよう。ジェットサウンドが残るサイレンサーを選んで。そしてアクセルのレスポンスについては当時のライダーに言いたかった。これは2010年以降のよくできたインジェクション車のレスポンスだよと。そんな事を考えながらの帰宅となった。

 

 

100kmの真夏の走行は大変だった。水温計がレッドに入りそうになるので、長い信号待ちはエンジンを止めるしか無かった。でも最高に楽しかった。

 

早速シートとタンクセンターを変えてみた

 

ノーマルシートはきれいにピンクで貼り直す予定だ。センターカウルもピンクにして大好きだったRZピンクに近づけたい。フルエキは既にGETした。


中型はやっぱり手放せない。早朝の街中を抜けてお昼に帰ってくるみたいなのに丁度いい。気分転換だけが目的の走りにピッタリだ。札幌にFZ400N、東京にFZ250フェーザー。10代の頃思い焦がれていた憧れのツートップをとうとう手に入れた。私というオートバイ乗りにとって、これ以上の喜びはないのではないだろうか。