今日も病院へ行ってきた。ただし、今日は自分の診察ではなく、付き添いとしての来院だった。都会の大きな病院は人が多く、受付を済ませてから診察が始まるまでの待ち時間が長い。今日は特に混んでいて、待ち時間はなんと2時間を超えた。その間、病院内の待合室で本を読んだり、スマホをいじったりして時間を潰していたものの、やはり長時間の待ち時間は体力的にも精神的にも疲れる。付き添いとはいえ、病院にいるだけでなんとなく気疲れするものだ。

 

ようやく順番が回ってきて診察が始まった。診察自体はそこまで長くかからなかったが、それでも終わるころにはお昼を過ぎていて、お腹が空いていることに気がついた。病院の帰り道、せっかく都会に出てきたのだからと、前から気になっていたパン屋さんに立ち寄ることにした。ここのパン屋さんは評判がよく、いつも美味しそうなパンが並んでいる。入った瞬間に広がる焼きたてパンの香ばしい香りに、思わず気分が上がった。

 

実は、子どもの頃の夢はパン屋さんになることだった。小さいころ、よく近所のパン屋さんに行っては、ショーケースの中に並ぶ色とりどりのパンを見てワクワクしていたものだ。パンを焼くのも楽しそうだし、あのふんわりとした香りに包まれて仕事ができるのは、なんて幸せなことだろうと思っていた。結局、パン屋さんにはならなかったけれど、今でもパン屋さんに入ると少しだけワクワクするし、美味しいパンを選ぶ時間は至福のひとときだ。

 

そんな私が特に好きなパンはバゲット。あのパリッとした食感と噛みしめるほどに感じる小麦の香ばしさがたまらない。それに、バゲットを紙袋に入れて持ち帰る姿に昔から憧れていた。映画やドラマで、フランスの街角を歩く人がバゲットを片手に持っているシーンを見て、「なんておしゃれなんだろう」と思っていた。パンはただの食べ物ではなく、ちょっとしたファッションアイテムのようにも感じるのだ。

 

とはいえ、今日買ったパンはバゲットではなく、お総菜パンとアンパンだった。お腹が空いていたせいか、しっかり味がついたお総菜パンが無性に食べたくなったし、甘いアンパンも魅力的に映った。帰宅してから、さっそく紅茶を淹れて、買ってきたパンをゆっくり味わった。お総菜パンは具がたっぷりで食べ応えがあり、アンパンはしっとりとした生地と甘さ控えめの餡が絶妙なバランスで、どちらもとても美味しかった。

 

病院での長い待ち時間は大変だったけれど、その帰り道に美味しいパンを買って帰ることができたのは、ちょっとしたご褒美のようだった。パンを食べながら、子どものころの夢や憧れについて思い出すのも悪くない。次は、やっぱりバゲットを買って、憧れの「バゲットを紙袋に入れて持ち帰る姿」を実現してみようかな、なんて思いながら、今日のパンを最後の一口までしっかり味わった。