ごく単純に言えば、中国の経済成長率が市場関係者の予測よりも高ければ中国元(人民元)が買われてレートは上昇しますし、逆に予想を下回れば元が売られて下落します。
(実際には他の要因も絡むので、ここまでシンプルではありませんが)
ですから、金利スワップにせよ為替差益を狙うにせよ、取引する通貨を発行している国家の経済成長率の予測と結果には、常に注意したいものです。
さて、中国人民大学の最新レポートによれば、2013年の中国の経済成長率は8.1%となる見通しです。
レポートは、中国経済は前半は弱含むものの、後半は堅調な成長を続けると分析しています。
また以前から崩壊が懸念されている不動産バブルについては、報道されているほど深刻ではないと分析しています。
北京市・上海市・広州市といった大都市圏では教育や医療などの公共サービスが他地域にくらべて水準が高く、それが不動産価格を下支えしているために、急な下落は考えにくいとしています。
中国には、経済成長率について「保八」(8%を死守する)という有名な用語があります。その背景には経済成長率が8%を下回ると雇用が確保できず、膨張する社会保障費なども賄えない、という考えがあります。
ところが、少なくとも中国政府当局では、この「保八」は存在感を薄めているようです。
中国政府は今年の経済成長率目標を7.5%に置いていますし、2020年までにGDPを倍増させる目標を達成するためには、各年の成長率は6%台で十分という試算もあります。
(新浪網「高盛称中国经济增速已告别8% 今后7年将降至6%」)
ですから、上述の中国人民大学のレポート通りに8%台を達成できなくても、政府目標を満たす水準であれば、市場では悪材料とは見なさない可能性があります。
先月来の経済指標の悪化を受けて中国経済の成長の鈍化が共通認識となっていますが、各四半期の経済成長率にも注目していきたいですね。
(参考:中国と日本の経済成長率の推移)
*具体的な数値は「世界経済のネタ帳」でご覧ください。
