2月2日、世界経済の回復期待を背景にしたドル全面安の裏で、
ユーロや豪ドルなど「金利先高観」の強い通貨がどこまで買われるのかが焦点になっている。
写真は1月撮影(2011年 ロイター/Kacper Pempel) [東京 2日 ロイター]
世界経済の回復期待を背景にしたドル全面安の裏で、
ユーロや豪ドルなど「金利先高観」の強い通貨がどこまで買われるのかが焦点になっている。
景況感の改善やインフレ圧力を受け、
欧州中央銀行(ECB)の利上げが米連邦準備理事会(FRB)より早まれば、
ユーロ高/ドル安を経由して円高に拍車がかかりかねない。
今月3日に予定されるECB理事会後のトリシェ総裁会見をめぐって、
市場では「利上げ観測をあおるような発言はせず、
ユーロは反落するのではないか」との声が大勢だが、
投機色の強い展開はなお続きそうだ。
2日午前の外国為替市場でユーロが1.3843ドルを上回り、
昨年11月9日以来3カ月ぶりの高値を付けた。ユーロ圏の景況感改善に加え、
インフレ圧力の高まりが背景にある。
マークイットが1日発表した1月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は
57.3と速報値の56.9から上方修正され、
昨年4月以来の高水準となった。
ユーロ圏の物価動向をめぐっては、1月31日公表の1月の消費者物価指数(CPI)速報値が
前年同月比で2.4%上昇と、
物価安定の目安である2%を突破。
「早期の利上げ警戒感がユーロを押し上げている」
(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)状況が鮮明になってきた。
ユーロは、仲値後にストップを巻き込み1.3853ドルまで上昇。
3日のECB総裁会見をにらんで「資金供給を継続するのか、
減額するのかをめぐって、強気なコメントを期待する向きの買いも入っていた」
(エフエックス・オンライン・ジャパンの森宗一郎マーケットリサーチ部長)という。
みずほ証券の上野氏は「エジプト問題は為替市場での影響度合いが薄れてきた」と指摘する。
エジプトのムバラク大統領は1日、テレビを通じて演説し、9月の選挙に出馬せず、
退陣する意向を示した。
しかし、カイロ中心部のタハリール広場に集まった市民からは「即時辞任」を要求する声があがった。
専門家からは「民衆が、ムバラク大統領が抱く優美な政権移譲への願望に共感するとは思えず、
デモはさらに拡大するだろう」
(エドワード・ウォーカー元駐エジプト・イスラエル米国大使)との声も漏れる。
「米国の関与により、軍事政権誕生といったハードランディングシナリオには至らず、
ソフトな着地が見えてきた」(前出の上野氏)というのが、その理由だ。
「ECBのトリシェ総裁が3日の会見でホーキッシュな発言をするのでは、
との観測が値動きに反映されているが、
結局は早期利上げは示唆せず、年内の利上げの方向性を確認する内容にとどまり、
会見後は強気なポジションの巻き戻しが優勢になるだろう」と
RBS証券の福永顕人ストラテジストは指摘する。
トリシェ総裁のスタンスに関連して、
みずほ証券の上野氏は「あくまで中長期的な対応であり、
すぐに利上げというわけではないと(早期利上げの観測を)
けん制するのではないか。市場の警戒感をあおることは考えられず、
会見後、ユーロは対ドルでいったん反落しそう」と話す。
<日本株、一時200円高> 株式市場では、日経平均が大幅に続伸。
一時前日比200円高を演じた。
堅調な経済指標を受けて欧米株が上昇したことや、
エジプトのムバラク大統領が
次期大統領選に出馬しない方針を表明したことで中東の政情不安が後退。
幅広い銘柄に買いが入った。
買いの主体は海外勢とみられる。
2年7カ月ぶりに1万2000ドル台を超えた
米ダウ平均に対して日本株の出遅れ感が鮮明になっており、
参加者からは「グローバルマクロ系ヘッジファンドの買いが入った可能性がある。
きょうから春節入りで中国市場が休場となるため、
短期筋も日本市場に資金をシフトさせているのではないか」
(大手証券トレーダー)との声も聞かれた。
東洋証券情報部長の大塚竜太氏は「決算発表で日米の企業業績の好調が示されているほか、
マクロ経済指標も1月米ISM製造業景気指数が約7年ぶりの高水準となるなど堅調だ。
今週後半に米雇用統計など重要イベントが控え、
円高警戒もある中で様子見ムードも出ているが、
先物主導で上げ幅を拡大させた。このまま上値を追えるかは外部環境次第だろう」と話している。
(ロイターニュース 山口貴也)
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