そこで、本格的な海外投資の簡単な入口としてあげられるのが、海外銀行に口座を開く、というやり方です。
しかし、「海外のわけのわからない銀行にお金を預けるなんてとんでもない。日本の大銀行でなければとても信用できない」と考える日本人は少なくありません。では、そもそも海外銀行は、日本の銀行に比べてどの程度安心度があるのでしょうか。
企業の安心度を見る1つの指標として時価総額があります。時価総額は、その企業の価値・価格を表すもので、時価総額が高い企業であれば容易に買収することができませんから、経営の安定した企業ということができます。銀行の場合も、時価総額によってその安定度を測ることができます。
次の表は、世界の銀行の時価総額を一覧にしたものです。この表を見てわかるとおり、ベスト10には日本の銀行は入っておらず、第13位に三菱東京UFl銀行が顔を出すというレベルなのです。「日本の銀行は、他の国の銀行よりも大きいから安心できる」という考え方は正しいとはいえません。
また、英フィナンシャル・タイムズが発行していて、世界的に名高い月刊銀行業界誌「ザ・バンカー」が発表した2010年度版世界の銀行トップ1000の中の上位10行をあげてあるのが、その隣の表です。これを見ても、日本の
銀行は10位以内には入っておらず、かろうじて11位に三菱UFJフィナンシャルグループが入っているだけで、欧米と中国の銀行が名を連ねています。
日本人は、日本のものがいちばん安心と思いがちですが、こと銀行に限っていえば決してそんなことはありません。
かつて国の護送船団方式で勢力を伸ばしてきた日本の銀行ですが、金融ビッグバン以降は自立を求められ、世界の銀行と同じ土俵で戦いをしなくてはならなくなったとき、その後進性が際だって見えるようになってきています。日本の銀行が世界標準へと変わるには、まだ時間がかかるといわざるを得ないでしょう。
世界で名高い銀行の多くは、世界中にネットワークを持ち、各国に支店があります。日本の銀行もバブルの頃は世界に進出しようという意気込みがありましたが、バブル崩壊後は海外進出の方針はどんどん縮小され、今は海外支店があっても現地の日本人向けというところが多く、日本の銀行が世界に通用する銀行かといえば首を傾けざるを得ません。
もちろん、海外銀行に万が一のことがあったとしても、金額はいろいろですが、ペイオフの制度は国どとにあります。
世界にはたくさんの銀行があります。なかには経営の基盤が弱い銀行もありますので、それはそれで注意しなくてはなりませんが、世界の中で信用のある銀行を選ぶことができれば、日本の銀行や金融機関より、はるかに安心だといっても過言ではないのです。
