1. 2018年:日経平均の高値 → 信用買い残のピーク → その後の需給整理
2018年1月、日経平均が当時の高値をつけた後、遅れて信用買い残も高水準に達した。
しかし株価が下がり始めると、信用買い残は徐々に減少し、日経平均はしばらくもみ合い(横ばい)の展開となった。
この背景には以下の需給構造がある:
-
信用買い残は「株価が戻るはず」という前提で抱えられる
-
株価が戻る局面では、含み損の投資家が“戻り待ち売り”を出しやすい
-
その結果、戻り局面で売りが出て、株価が重くなりやすい
つまり、信用買い残が減っていく局面=需給が整理されている局面とも言える。
2. 信用買い残が減る局面で株価の上値が重くなる理由
信用買い残が高水準にあるときは、「戻ったら売りたい」という投資家が多いため、株価の戻り局面では売りが噴出しやすい。
-
買い残が多い
-
→ 含み損を抱えた投資家が増える
-
→ 戻り局面で売りが出る
-
→ 株価の上値が重くなる
信用残高の推移を見ることで、戻り待ち売りが出やすいかどうか=上値の重さを需給面から分析できる。
3. 2021年:株価が最高値をつけた後、信用買い残が増加
2021年2月に日経平均が最高値をつけた後、株価の天井付近で信用買い残が増えていった。
これは「高値圏で買いポジションが膨らんだ」ことを意味する。
このとき増加した信用買い残は、株価が反転した際に
-
含み損化しやすい買いポジション
-
→ 株価の戻り局面で“戻り待ち売り”となりやすい
つまり、
高値圏で信用買い残が増えた後の下落局面は、戻り反発が重くなる特徴がある。
4. 投資部門別売買動向(毎週木曜発表)との合わせ技が有効
需給分析では、信用残だけでなく 投資部門別売買動向(毎週木曜日発表) も重要な手がかりになる。
特に:
-
個人投資家(現物・信用の買い/売り)
-
海外投資家(現物・先物の動き)
などを組み合わせることで、
「誰が買っている相場なのか」「信用買い残が増える理由」をより深く分析できる。