フィクションですよードキドキ
注意注意注意注意注意注意注意



あの日から、気がつくとぼーっとしている。

いけない、水晶の美貌がっ。

キリッとほっぺを自ら持ち上げてペチペチ叩いたりするものの、気を抜くとまた別の世界に誘われてしまう。


ほんとに、キス、してなかったのかな?



「ねぇ、好きな人できたでしょ?」


唐突に話しかけられて、ドギマギして見上げるとにやにやした表情のお姉ちゃん。


「えっ、………う、う~ん」


「なになに? 言えないような相手なの?」


「そうじゃないけど、まだ好きかよくわからない。

っていうか、好きになっても良い人なのか、わからない」



いつになく深刻なクリスタルの様子を感じ取ったのか、その頭を優しく撫でられる。


「もし、周りの目を気にしてるなら、そんなの無視していいよ。
あたしも自分に正直に生きてきたし。

ね、どんな人でもお姉ちゃんは応援するよ!」


そう言ってハグされた。


「どんな人でも?」


「うん、どんなハゲてても不細工でも、本気なら応援する」


「もう、そんな人じゃないよっ」


ぷぅと頬を膨らませる妹をさらに強く抱きしめる。


「ふふ。でも、好きになったら、年齢も関係ないよ?

それから………

国籍や性別も関係ないと思うよ」


意味ありげに微笑むお姉ちゃん。
ああ、やっぱりこの人は最強で最高!

今度はクリスタルの方から力強くハグした。




* * * *



訂正する。

エムボはあの人にそっくりだとずっと思っていたけれど、世の中にはもっとずっとそっくりな人が存在した。



「あたしはあんまりお姉ちゃんに似てるって言われないけど、エムボオンニはそっくりだね」


クリスタルは目をパチパチさせて2人を見比べる。

女装したらこんな感じかな?、ってその表現はおかしいか。
でも、いつかエムボもこんな風に素敵な女性に成長するのかな。


………なぜだろう?
それはとても楽しみなような、ほんの少し寂しいような。



「きゃー~!実物は100万倍可愛いねー!」


ぼーっとするクリスタルをよそにエムボのお姉さんがハツラツとした声で話しかけてくる。

「あ、ありがとうございます……」


「ゆっくりしていってねー!この子気が利かないと思うけど、何かあったら言ってね!」


そしてお姉さんは扉に手をかけて振り向きざまエムボにウィンクをした。


「いかにもあなたの好みよねー、ブレないね!」


「ちょっ!お姉ちゃん!!!」


バタン


部屋には茹でダコようになった2人が残されたのでした。