2024年5月25日(土) ドル円はまだ上がる、158円を超えるか?!

5月23日に発表された米購買担当者景気指数(PMI)が予想を大きく上回る結果となり、アメリカ景気の強さが改めて意識され、アメリカ長期金利も上昇しています。

先週のブログでお話している通り、アメリカ10年債利回りは回復し、ドルインデックスも上昇を続けています。

 

 

 

 

こちら⇩はアメリカ10年債利回りの日足チャートです。

現在、4.47%まで上昇しています。

 

更に付け加えますと、5月22日に発表されたのFOMC議事要旨(4/30-5/1開催分)は予想以上のタカ派と受け止められています。

・政策金利をより長期に高水準での維持が望ましい。

・インフレ率が持続的に2%に向かっている兆候が示されない場合は、政策金利をより長期に維持する。

・必要であれば追加の金融引き締めを検討する。

・金融環境が十分に景気抑制的でないと懸念。

・長期金利がこれまで想定されていたより高くなると認識。

上記のようにFOMC議事録では、追加の金融引締めをほのめかしていて、ドルを買い戻す動きが高まっています。

 

一方、日本では、11年ぶりに10年債利回りが1%まで上昇していますね。


日本の場合、大量の国債を発行している政府の金利負担増大に耐えられないし、住宅ローン金利などの上昇懸念により、来年にかけて金利が上昇したとしても、せいぜい1.5%程度であり、日米の金利差が3%以上開いている状況が長く続く可能性が高いです。

 

今後もアメリカのインフレが期待ほど落ちずに、年内のFRBの利下げが遠のいている状況です。

それは、アメリカの債券利回りの上昇が証明していて、現在は、年内2回の利下げ期待が大幅に後退しており、ドルを買い戻す動きが活発化しているわけです。

 

アメリカ金利の優位性を背景にドル円は底堅い展開を見せており、ドル円は、157円台を一時回復しています。

 

一方で、政府日銀のドル売り介入の期待が根強くあるようですが、私はイエレンさんの4回にもわたる為替介入けん制発言があるなかで、政府日銀は為替介入に踏み切れないと想定しています。

 

前回のブログでも指摘した通り、当面はドル円は158円程度まで上昇する可能性が高まっています。

アメリカの経済指標の結果によっては、中期的にアメリカ10年債利回りの上昇を受けて160円を目指す動きもありそうです。

 

5月26日の週のFX戦略は、現在のドル円LONGポジションを保持したまま、どこまで上昇するか様子見です。

 

 

 

 

 

2024年5月18日(土) 中長期はドル円上昇、しばらくは153.8-157.8円レンジか?!

最近は為替マーケットのボラティリティが高く、ある意味面白い状況ではあります。

 

ただ、こうしたマーケットが急激に動く状況だと、予想外の損失を被ることがあるので、ストップロスは必ず設定してください。

 

ストップロスの設定値は難しいのですが、ドル円の週足チャートを見る限り、153.8~157.8円のレンジ相場なので、少し離してストップロスを設定するほうが良さそうです。

 

というのも、損失を抑えたくてストップをポジションの近くに置き過ぎると、すぐにストップに掛かってしまい、損失をこうむります。

 

ストップ設定を少し遠目においても、レンジであれば、上下を繰り返しますので、少し待てば戻ってくる可能性が高いです。

 

ただ、ドル円に関しては、急激な下落に備えて下さい。

投機筋の円売りポジションは減ったと言っても歴史的な高値にあることに変わりません。

 

ドル売り為替介入のようなショックがあれば、投機筋のドルの投げ売りにより、ドル円の下落圧力は大きなものになるからです。

 

ところで、注目の5月14日にアメリカのPPI(卸売物価指数)、5月15日にCPI(消費者物価指数)が発表になりました。

 

この指標が注目されていたのは、2022年10月の財務省のドル売り介入時は、介入の後、ドル円は151円から127円まで24円も下げました。

 

24円も下げたのは、実際は為替介入の効果だけではなく、2022年11月に発表されたCPIショックが原因でドル円が急落しています。

↓は2022年から2023年のドル円の週足チャートです。

 

今回の財務省による為替介入は、アメリカのCPIショックにより、ドル円上昇の流れが変わるか注目していたのですが、結果は微減(ほぼ予想通)でドル円の流れを変えるような動きになっていません。

 

また、忘れていけないのは、イエレン財務長官が4月末から直近まで3回も為替介入についてけん制発言をしていることです。

 

日本を名指しにしていませんが、異例となる3回の介入牽制発言は、日本当局を動きづらくしていることは確かです。

 

今後、余程の急激な円安が進まない限り、為替介入は無理筋です。

 

また、円の先行きは、日本のネガティブなファンダメンタルズが変化しない限り、ドルあるいはユーロなどに対して、中長期目線で下落と考えています。

 

アメリカ10年債利回り⇩は、一時4.3%付近まで下落しましたが、9月の利下げを100%織り込んだ動きであり、反動があると思っています。

 

10年債利回りが上昇するとドル円の上昇しやすいです。

 

 

⇩はドル円の日足チャートです。

 

ドル円の日足の上値抵抗は156.00,157.80にあります。
一方下値抵抗は、154.80,153.80にあります。

 

もし、153.8円か157.8円をブレイクしたら、新しいトレンドとして上下に大きく動く可能性が高いです。

 

ただ、しばらくアメリカの重要な経済指標の発表もないので、153.8~157.8円のレンジに収まると予想しています。

 

5月20日の週のFX戦略は、158円を目指したドル高を予想です。
引続き、ドル円の押し目買い推奨です。

 

 

 

https://blog.with2.net/link/?id=2074947

 

2024年5月11日(土) ドル円は156円を短期で超えるか、上昇トレンド変わらず?!

4月21日のブログで、アメリカの金利先高観によって為替介入があっても、円売りのトレンドは変わらない、とお伝えしています。

 

 

 

また、4月21日のブログでは、
”ドル円が大きく下がることがあるとすれば、日銀の突然の金融引き締め政策の発表、あるいは日本政府によるドル売り円買い介入です。

アメリカの金利先高観が修正されない限り、その時は絶好のドル買いチャンス到来となるでしょう。”

と指摘していました。

 

私は、日本政府によるドル売り円買い介入があったと思われる、4/29と5/2以降に少しづつドル買いを進めました。

 

ただ、多くの投資家は、今回の日銀による為替介入によって大きな損失を被っていると思います。

 

8兆円規模の為替介入によって、ドル円160円から151円後半まで一気に8円以上も下落し、ドルLONG筋の投資家を一掃したはずです。

 

多くの日本人個人投資家は、日銀の為替介入を見込んでドル売りを仕掛けていましたが、ドル円は160円まで吹き上がり、損切りに次ぐ損切りがもたらした結果だと言えます。

 

そこで、逆にドル買いに走った投資家は、日銀の為替介入で一気に叩きのめされています。

 

今回は日銀の勝利と言われていますが、果たしてこのままドル円は下落トレンドに展開するのでしょうか?

 

アメリカ経済は依然として世界一強の状況は変わっていませんし、アメリカのインフレが2%に向かって下落に向かわない限り、FRBの年内の利下げは非常に怪しくなっていると感じます。

 

債券市場は年内2回の利下げを織り込んでいるようですが、想定外の事件でも起きない限り、ドル円は緩やかに上昇していくでしょう。

 

話は変わりますが、シカゴ通貨先物(円)投機筋(Non-Commercial)のポジションをチェックすると、5月7日時点の円買いポジションは前週比で -5,445 枚、円売りポジションは前週比で -38,911 枚でした。


投機筋ポジションの売り越しは前週比で -33,466 枚となっており、依然として高水準の円売りドル高ポジションに偏っている状況です。

 

このマグマはドル円の下落圧力となるのですが、今回の為替介入という大きなドル売り爆弾があっても150円を割れなかったのは、一つの安心感を感じます。

 

やはり、多くの海外投資家は、日本売りに傾いており、ファンダメンタルズ的に大きな変化が無ければ、ドル買い円売りトレンドを逆転させるのは、至難の業だと思います。

 

5月13日の週の為替戦略は、ドル円が156円を超えられないと一旦手じまいです。

156.05円レベルが半値戻しラインであり、ここを短期で超えられないと一旦下落する可能性が高くなります。

 

ただし、ドル円の中長期的な上昇トレンドは変わりませんので、下がったら買い戦略継続です!

 

 

 

 

2024年5月4日(土) 為替介入警戒、ドル円下がったから買い?!

今週は為替が大きく動きましたね。

 

日本のGWでマーケット参加者者が少ないオセアニア時間を狙って日銀がドル売りの為替介入に踏み切りました。

 

日銀は2回(4/29、5/2)大きな金額を投じて為替介入に踏み切ったようです。

 

さらに、5月2日に発表されたFOMC後のFRBパウエル議長のハト派的な発言があり、ドル金利が下落して、ドル全面安になっています。

 

こちらはドル円の2時間足チャートです。

 

一時160円を超えたドル円は、152円割れまでドルが売られ、直近では153円付近まで戻しています。

 

テクニカル的に、152円を一旦割れたというのは要注意です。
 

一時は神田シーリングと言われて152円のラインをなかなか超えられなかったのが、152円をブレイクすると一気に160円まで上がり、そこから為替介入によって152円まで押し戻されたことになります。

 

FRBのパウエル議長が、物価が反転上昇した場合の利上げを否定してしまったことから、アメリカの10年債利回りが低下したことが、ドル円の下落につながっています。

 

⇩こちらはアメリカ10年債利回りの2時間足チャートです。

 

4.5%まで下落していますが、これからの指標次第で大きく上昇する可能性もあります。

 

ところで、昨夜5月3日に発表された注目のアメリカ4月の雇用統計の結果は、市場予想を少し下回る結果となりました。

 

失業率、3.9%(予想3.8%、前回3.8%)

NFP(非農業部門雇用者数)、+17.5万人、(予想+24.3万人、前回+30.3万人)

平均時給の前年比伸び率、+3.9%(予想+4.0%、前回+4.1%)

 

結果は予想より悪化したため、アメリカFRBの利下げ予想が11月から9月に前押しされています。

 

今後の為替見通しですが、正直難しい相場になっています。

 

日銀(財務相)による為替介入の実弾もあと数兆円と言われています。

 

為替介入の警戒感からドルのLONGポジションは持ちづらくなっています。

 

今回の為替介入は神田財務官の勝利と言われていますが、神田財務官のやり方は、マーケットと全く対話しない方法で、マーケットを敵に回しています。

 

為替介入の実弾が枯渇したとマーケットが見れば、ドル円は上昇していくと思っています。

 

理由は日米金利差が依然として5%以上あり、この先も日銀の大幅な利上げも期待できる状況ではないからです。

 

5月5日の週は日本のGWが終了し、日本のマーケット参加者が増えてくるに従い、実需のドル買いも増えてきます。

 

ただ、いったんドルのトレンドは下落方向に変化していますので、日銀の為替介入警戒感もあり、上値は重くなりそうです。

 

ドル円の下値を確認して、少しづつ押し目買いをするのがよさそうです。

 

 

 

 

2024年4月26日(金) 今日の日銀金融政策決定会合に注目、為替介入はあるか?!

ドル円は節目と見られていた155円を超えて上昇してきました。

アメリカの経済が好調でインフレが継続しており、利下げどころか利上げの可能性まで出てきています。

アメリカ長期金利上昇を受けて、ドル円はこの2週間で3円程度上昇しています。

 

では、このドル円の上昇を止めるために、日本当局による為替介入はあるのでしょうか?

可能性が高いのは、本日4月26日の日銀金融政策決定会合後とする見方です

その理由は、マーケットは為替介入でドル円が下落するタイミングを待っている状況であり、単独で介入しても待っていましたとばかりに、押し目買いが入りドル円は短期間で元の水準に戻してしますことが想定されるからです。

日本の為替介入が入るタイミングは、日銀の金融引き締めとセットにしたほうがはるかに効果が高いです。

日銀が追加利上げは難しいかもしれませんが、月額6兆円をめどに買い入れている日本国債の買い入れの停止はインパクトが高いです。

これくらいのサプライズ的な金融引き締めの発表があれば、ドル円は円高に振れます。

さらにこのタイミングで為替介入が入れば、一気に10円以上ドル円は下げる可能性があります。

ただし、仮に本日、日銀が今まで通り金融緩和継続というハト派に終止する結果に終わった場合、ドル円は156円を超えてさらに上昇するでしょう。

 

ところで、ドル/円は20年、5年移動平均線を2割以上上回っている状況です。

 

こちらはユーロドルの週足チャートです。

ドル高・円安は「行き過ぎ」の懸念があるものの、ユーロ/ドルなどでは「行き過ぎ」懸念はほとんどない状況です。

この意味は先進国の中では、円だけがドルに対して大きく下落しており、ドルに対してユーロなど他の通貨は円ほど大きく下落していないということです。

こうした状況の中で、他国と強調して為替介入を出来る状況ではなく、仮に日本当局による為替介入があっても円高は一時的になると思います。

しかも日本の国力低下と日米の金利差が変化しない状況にフォーカスすると、ドル円は中長期的にドル高・円安基調は変わらないでしょう。

 

ドル円は引続き、押し目買い戦略です。

特に今日の為替の動きに注目です。今日は為替が大きく動く可能性が高いです。

決め打ちはしないで、リスク管理はしっかりしたいところです。

https://blog.with2.net/link/?id=2074947