【解説】サイクル理論

FX取引の勝率を上げる!ローソク足の数え方と活用方法

サイクル理論をご存知ですか?

 

サイクル理論は、FX取引においてポジション自体を長く保有するトレードスタイルに向いています。長くポジションをもつFXトレーダーや今までサイクル理論を利用したことのない方はこの機会にぜひ活用してください。

 

サイクル理論とは?

サイクル理論とは、その名の通り「周期=サイクル」を利用した理論です。

 

FXの相場は上昇と下降を繰り返しながら相場を形成してます。

 

安値→高値→安値を1つのサイクルと考えて、その周期を計測するのがサイクル理論の基本的な発想です。

 

一定の周期でおとずれる最高値と最安値は、過去にあった周期を参考に将来の値動きを把握したい時に有効です。

 

サイクル理論を理解していることで、FXチャートの周期を見極めることを可能にします。

 

基本的にFXチャートは最高値と最安値を順に繰り返します

 

しかし、多くの場合で不恰好な形になるため、ある程度の条件に当てはめることで周期を見極めることができます。

 

 

サイクル理論の時間軸

時間軸によってサイクル周期は見え方が変化します。周期が長ければ長いほど、値動きも大きくなっていきます。

 

FX取引では、トレードスタイルに合った時間軸のサイクルを選択し、それを分析しないと役に立たないので注意が必要です。

 

それでは、サイクル理論にはどんな種類があるのでしょうか?

 

サイクル理論の種類

【サイクル理論の種類一覧】

  • 1dayサイクル1日
  • 4Hサイクル5日~8日
  • トレーディングサイクル10日~18日

  • メジャーサイクル20日~35日

  • プライマリーサイクル18~30週

  • 中間サイクル12~20ヶ月

  • 長期サイクル40~100ヶ月

 

上記のサイクル理論の中でも、FXでよく活用されるのが、以下の3つです。

  • 4Hサイクル

    5日~8日の周期を持ったサイクルで、4時間足のチャートでサイクルを確認します。デイトレーダーが最も愛用するサイクルで、人気です。

     

  • メジャーサイクル

    別名ハーフプライマリーサイクルと呼ばれるサイクルで、20日から1か月程度の短い周期となります。分析を日数で出来ることから、変動が大変分かりやすく、プライマリーサイクルと組み合わせてトレードに活用することをおすすめします。

     

  • プライマリーサイクル

    2、3か月単位から半年~1年までを1つの周期とするサイクルです。

    通貨ペアにもよりますが、18~30週のケースが多く、スイングトレーダーにとって重宝するサイクルです。

 

 

一般的には、短期トレードの場合は短い周期長期トレードの場合は長い周期を使用するのがベストです。

 

 

 

サイクル理論の周期の数え方

サイクル理論は、基本的に周期をローソク足で数えます

 

周期をローソク足の本数を使って計算すると、予測率が大幅に向上します。

下記を参考に計算した場合、サイクル率の予測はおよそ80%で的中する傾向にあります。

 

種類毎の使用ローソク足の時間軸と本数

  • 4Hサイクル

    4時間足→60~80本前後/本数(1周期毎)

     

  • メジャーサイクル

    日足→35~45本前後/本数(1周期毎)

     

  • プライマリーサイクル

    週足→15~21本前後/本数(1周期毎)

 

FXの取引でサイクル理論を活用したい場合には、ローソク足の本数まで記憶しておく必要があります。

 

通貨ごとのサイクル傾向

1周期毎の値動きも、FX通貨によって異なる傾向にあります。

  • 円(JPY)

    通貨ペアによって変動

     

  • 米ドル(USD)

    通貨ペアによって変動

     

  • ユーロ(EUR)

    平均の周期が長い

     

  • ポンド(GBP)

    平均周期が長い/バラつきやすい傾向

     

  • 豪ドル(AUD)

    周期が短い/バラつきにくい傾向

     

規則性を持った周期を分析する場合には、プライマリーサイクルでの分析が向いています
 

また、豪ドルは周期のバラつき少ないので、スイングトレードに向いています

 

FX通貨毎で分析することは、サイクルによる適切なFX取引手法を選択することを可能にします。

 

 

!注意!

周期の規則性は残念ながら100%ではありません誤差があることにも注意しましょう。

 

 

FXサイクル理論の2つの形

1サイクルでの値動きの形は、大別すると2種類あります。

  • ライトトランスレーション
  • レフトトランスレーション

サイクル理論を利用するには、上記の2種類を分析して売りなのか、買いなのかを判断します。ライトトランスレーションとレフトトランスレーションは、最高値になるまでの変動が明らかに異なるため、スピーディーに今後の予測が可能になります。

 

◼️ ライトトランスレーション

 

ライトトランスレーションは、開始時の安値よりも高い位置の安値で終了するパターンです。

 

1サイクルあたりの上昇期間は長く下降期間が短いため、頂点が右側(right)にズレるのが特徴です。

 

ライトトランスレーションの場合、上昇期間が長いため、相場全体で上昇する傾向が多く見られます。そのため、ロングでのエントリーに優位性があります。

 

◼️ レフトトランスレーション

レフトトランスレーションは、終点の安値が視点の安値よりも低い位置で終了するパターンです。

 

1サイクルあたりの下降期間が長く頂点が左側(left)にズレるのが特徴です。

 

レフトトランスレーションの場合、下降期間が長いため、相場全体で下落する傾向が多く見られます。そのため、ショートでのエントリーに優位性があると言えます。

 

 

 

 

サイクル理論の使い方

サイクル理論はどのような時に使うのが有効なのでしょうか?

 

◼️ エントリー

サイクル理論を活用すると、エントリーポイントを見つけることが簡単になります。

  1.  5分足を使って「1dayサイクル」を見つける
  2.  ライトトランスレーション/レフトトランスレーションのどちらかを判断する
  3.  次の安値でエントリーする
  4.  1dayサイクルを活用して決済するポイントを判断する

POINT!

上昇中のFXチャートが山型になった時点で、どちら側に崩れていくかを判断して決済します。

 

 

◼️ 利確・損切りの判断

利確か損切りかも、トランスレーションを使用して判断します。

 

前述した通り、サイクル理論ではサイクル毎のローソク足の本数が決まっています。

そのため、その半分の本数になった時点で崩れていくチャートの形を見て、ライトかレフトかを判断します。

 

POINT!

レフトトランスレーションの場合は、開始時の安値よりも終点の安値が低くなる傾向にあるので、損切りするのがおすすめです。

 

 

◼️ スキャルピング

スキャルピングでサイクル理論を利用するときは、1dayサイクルで「1分足」か「5分足」を使うことをおすすめします。

  1. 安値の場所からローソク足の本数を数えます

     

  2. 20本以内に高値が付いていることを確認し、高値を更新しないのであれば、レフトトランスレーションになると判断します。

     

  3. ショートでエントリーすれば利益を得ることができます。

最も小さいサイクルを利用するため、30分以内で決済するよう心がけましょう。

 

 

 

◼️ 他の手法と併用

サイクル理論は正確に見極めれば、約80%の確率で予想通りにFXチャートが変動します。

 

しかし、サイクル理論の根幹的な部分である、安値と安値の位置を正確に予測することは難しく、他のFXテクニカル手法と組み合わせることで精度を上げる必要があります。

 

フィボナッチリトレースメントサイクル理論と相性が良いので是非活用してみましょう。

 

 

  1. サイクル理論で高値を見つけたらショートでエントリーします。

     

  2. 高値はローソク足の数から予測して、高値でエントリーができなかった場合でも、下降し始めた時点でエントリーします。

     

  3. フィボナッチリトレースメントを確認しながら、反発する箇所を探します

     

  4. 反発する箇所が見つかったら利益確定するタイミングであると判断します。

サイクル理論の注意点

サイクルの中には短い周期のサイクルが2つ以上存在する場合も多く存在します。

 

1つの周期の中に2つの短いサイクルを見つけられない場合は、起点が間違っている可能性が高いため注意しましょう。

 

最も短い周期のサイクルでFX取引する際は、大きなサイクルの中に含まれてるかを確認してから判断するように心がけましょう。

 

サイクル理論のまとめ

FX初心者にとっては、FXチャートの周期が分からないまま、上昇するのか?下降するのか?という不安を抱えながらFXトレードを行うケースは多いと思います。

 

実際には初心者のみならず、ベテランのトレーダーでも確実に予測することは難しいと言えます。

 

しかし、サイクル理論を活用することで、FXチャートにはある程度の規則性があることが自ずと見えてきます

 

それゆえ、ただ闇雲にFX取引を行うことが確実に減り、不安から解放されるので負担が減るというメリットもあります。

 

サイクル理論を学ぶことで、FX相場の状況をより把握できるようになります。

 

また、FX相場を俯瞰的に分析できる習慣を身につけることができるので、是非活用してください。