僕たちは、何か新しいものや人に出会ったとき、その出会いの一瞬で無意識の中であらゆる判断を下している。
言葉ではうまく表現できない体感的なものだけれども、何か気になる・引き込まれる・感じが悪いなど、これまでの様々な経験や知識を瞬時に統合して目の前のものを感じているんだ。
第一印象と呼ばれるものだけれど、その感覚や判断を瞬時にまず引き受けた上で、そのあとに理性で頭の中で色々な後付けの判断を下している。
この第一印象は、理屈では理解できない感覚だけれども、頭の中で考えるよりもはるかに多くの情報が一瞬で処理されたものであるから、ほぼ間違うことがないし、なかなかその判断を覆すことは難しいんだ。
すごく顔立ちがキレイで美男・美女だけれども、何か魅力を感じない人がいる。逆にそれほど美形とは言えなくとも、言葉では表せない魅力を感じる人もいる。
日々の考えていることや行動・習慣が、目には見えないその人の魅力となって表れるんだ。これは、目に見えるものだけが全てだと考える人には理解できないことかもしれない。
いくら見栄えを着飾っても・もっともらしい言葉を発していても、出会いの一瞬で分かる人には全てを見透かされている。
何かの商品を見定めるときも、僕たちは出会いのその一瞬で、それがありなのか・なしなのかを判断している。はっと目につくタイトルの書籍や、引き込まれるデザインのパッケージなどだ。
ただ今は、人のその一瞬の判断で、良い反応をしてもらうための様々なマーケティングがかけられているから、中身が全くなくても良いと誤認してしまうことが多い。
本当に中身のある良いものよりも、良く見せられるものが売れてしまっているんだ。第一印象は強烈だから、一度良いなと感じてしまったものは、余程のことがない限りずっとその色眼鏡で見てしまうことになる。
ファーストインプレッションで、仕事でも人間関係でもその後の展開が全く違うものになる。自分が描いている方向へ物事を進めるためには、まずはこの出会いの一瞬に全精力を集中するんだ。
営業にしてもプレゼンにしても、商品・サービスにしても異性との出会いにしても、相手に触れるその一瞬だけに全精力を注ぐ。その一瞬さえ掴むことできれば、自分の思う方向へ物事を進めることがずっと簡単になるんだ。