僕たちはついつい、今ある現状の原因を過去の中に探してしまう。あの時こうしたから、今こういう状態なんだと。
もちろん、これまでの出来事や経験は記憶として残ってしまうから、今に影響を与えてしまうのは確かだ。でも、それは原因にはならない。
今をつくっているのは、未来への選択なんだ。
食事をしていて、のどが乾いたとする。目の前のコップの水に手を伸ばせば、のどを潤すことができる。そして、コップを手にとって水を飲むことになる。
今水を飲んだのは、その前に何かを食べてのどが乾いたことが原因だと考えてしまう。もちろん、食事をしていたことが影響しているのは確かだけれども、原因ではない。
直接の原因は、目の前の水を飲もうという選択をしたことなんだ。その時は未だ起こっていない水を飲むという未来の選択をしたから、水を飲むことになったんだ。
食事をしてのどが乾いたとしても、水を飲まないという選択もできるし飲むという選択も、どちらもできる。のどが乾いたことが影響していたとしても、その後の選択は全くの自由なんだ。
人はどうしても、過去の状態にとらわれて、今やこれからの自分をその延長線上に存在するものと考えてしまう。
でも、過去はこれからの原因には絶対になり得ないし、全てを創っていくのは今ここでする未来への選択なんだ。
昨日さぼってしまったのなら、そんなものは忘れて今からまた頑張るという選択をすればいい。喧嘩してしまったのなら、そんなものは忘れて今から明るい声で電話をかけてみればいい。
過ぎ去った過去にとらわれるのはやめて、今ここでする未来への選択に集中するんだ。