16日NY市場序盤、一時ドル買いが優勢。

 

フランスとイタリアの資金調達コストが上昇したことを受け、ユーロ圏債務危機の波及懸念が強まった。

また、イタリア最大の銀行であるウニクレディトがECBへ新たな資金調達の方法を模索していることが明らかになったことで、イタリアの銀行の資金調 達状況について懸念が高まった。さらに、イタリアのモンティ新内閣が、この日事実上発足したものの、政治家の閣僚が一人もいないという異例の組閣となった ことで、財政再建に向けた実行力に疑問視する声が聞かれた。

NYダウを始め米主要株価指数は取引開始から売りが強まり、一時NYダウは前日比135ドルを超え下落したことなどを受け、為替市場ではドル買いが優勢となり、主要通貨に対してドルが上昇したものの、上げ幅は限定的なものにとどまった。

欧州中央銀行(ECB)がほぼ単独でイタリア、スペイン国債を買い続けているとの指摘が聞かれる中、イタリアの10年物国債の利回りが危険水域とされる7%を下回る水準まで低下した。

また、この日米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)前月比はマイナス0.08%となった。主に新車とガソリン価格が低下したことで、4 カ月ぶりに低下。市場では、インフレ懸念が後退し、米経済がさらに減速した場合、連邦準備理事会(FRB)が必要に応じて緩和政策を強化できる余地が出て きたとの声が聞かれた。

一方で、米連邦準備理事会(FRB))が発表した10月鉱工業生産前月比はプラス0.7%となり、7月以来の大幅な伸びとなった。製造業・鉱業が堅 調で、成長が加速している兆候が示された。また、全米住宅建設業者協会(NAHB)が発表した11月NAHB住宅市場指数は20と、2010年5月以来の 高水準となった。概ね指標の結果が予想を上回る内容となったことで、米景気回復への期待が広まり、米主要株価指数の下げ幅が縮小し、一時前日比プラス圏へ 上昇した。

為替市場では、対ユーロを中心にドル売り・円売りが優勢となり、ユーロ/ドルは1.35ドル台半ばへ、ユーロ/円は104円台前半へとそれぞれ上 昇。この動きが他の主要通貨へと波及したが、値幅は限定的なものにとどまった。ドル/円は77円台前半へ上昇したものの、伸び悩んだ。

一方、この日、イングランド銀行(英中央銀行)は、四半期インフレ報告を公表した。英国経済は縮小の危機にひんしていると指摘、インフレは目標を大幅に下回るとの見通しを示し、成長支援に向けた追加量的緩和の実施に含みを持たせた。

また、キング総裁は報告発表後の記者会見で、経済成長は来年半ばまで「総じて横ばいとなる」とし、さらに「ユーロ圏の状況展開で最も極端な結果を定 量化する意味のある方法はない」との考えを明らかにした。市場では、英中銀が景気見通しを下方修正したことを受け、近い時期に追加緩和策を実施するのでは ないかとの見方が広まり、主要通貨に対してポンドは軟調地合いとなった。

ユーロ圏債務危機による米経済や銀行システムへの影響を懸念する声が高まる中、終盤に再び米主要株価指数の下げ幅が拡大したことが嫌気され、為替市 場ではリスク回避的な動きが強まり、ドル買い・円買いが進行。主要通貨は対ドル、対円で下落した。ユーロ/ドルは1.34ドル台後半へ、ポンド/ドルは 1.57ドル台半ばへとそれぞれ下落し、クロス円も連れ安となった。一方、ドル/円は77.00円近辺で一進一退。