この頃、何かそれまでとは違う感じはあった。ものの、

それでも気にせず、翌5日には数十万円の利益が出ていたので、

気を良くして追加で朝方に100枚を購入。まあまあ順調に思えていた。

そして夜に向けてやや下がり始めたのを受けて、戻すと踏んで100枚購入。


いま思えば、何と無謀な、と思えることだが、それまでの約4ヵ月間、それで勝ち続けて

いたのだから、全く甘かったとしかいいようがない。

また、平日忙しいサラリーマンの私としては、ヒマな休日、つい、まとめて取引したく

なる傾向があり、、、まさに小人閑居して不善を為すとでも言うか。


しかしながら、念のために他の銀行口座からFX口座へと資金を移す準備もし、

万一には備えていた。このときは、インターネットの便利さに感謝をこそ、していた。


そして、迎えた6日木曜日、朝から不審なトレード画面を見て、慌ててその準備した資金を

FX口座に投入。さらに下げ状態がおさまらず、じりじりと必要証拠金の限界線への

近づきつつある。

パニックである。

昼休みに別の口座からも急遽資金を調達して突っ込んだ。合計100万円。

これでようやく一安心か、、、。


とはいかなかった。

トロッコは予想以上に猛スピードで駆け下って行くのだった。

時は2010年5月、ゴールデンウィーク後半。


きっかけは、前々日の深夜に思いつきで買った豪ドル100枚だった。

実はFXはこの年になって初めたばかりだった。

それ以前は為替そのものに興味があって、実物ではやっていたものの、

FXは危険なもの、という認識があったので近づかずにいた。


しかし、実物での為替差益が容易に増えていたため、思い切ってFXに

切り替えたのだった。


そして、この日、この時まで、実のところ、負けなしだった。

正確には差益が出るまで我慢して、結果、運よく勝ち続けていられていたのだ。

いま思えば浅はかなことだが、その当時はリーマンショックから1年程度過ぎた

ころで、豪ドルはベース、上げ基調、なので、買いで入って我慢していれば、

結局は利益が出ていた。

そして、それはまだしばらくは続くと信じていたのだった。



それは晴天の霹靂だった。


都内のサラリーマンである私は、中央区の、とある広告会社の事務所の机で

信じられない光景を目にしていた。


あれよあれよという間に、デスクトップのFXインジケーターは信じられない

マイナス額をたたき出していた。


-200万、-300万、-500万。。。


「つるべ落としとは、こういう時に言うものなのだろうか」、

ぐるぐると目が回り、冷や汗が大量に背中に這っているのを感じながら

そんな言葉がふと浮かんでいたのだった。