<概要>
コンクリートはセメントと水の水和反応により発熱し、それに伴う温度の上昇、降下がコンクリートの変形(膨張・収縮)を引き起こし、これが内的、あるいは外的に拘束おされると、コンクリートに引張応力が作用し、ひび割れが発生する現象。
内部拘束によるひび割れ
部材の内外の温度差が原因となり、生じるひび割れで、断面の大きいコンクリート構造物の場合に生じる。
部材内部の温度上昇に伴い、熱膨張し、部材表面部のコンクリートに引張応力が発生することによって、ひび割れる。
外部拘束によるひび割れ
フーチングの上に壁を打設するような場合、下面部は底版コンクリートによって拘束され、コンクリート内部に大きな引張力が発生し、コンクリートの引張強度を超えたときにひび割れが発生する。
<対策>
①水和発熱を抑える対策
・低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントを使用
フライアッシュセメントの使用。
(高炉セメントは水和速度と温度依存性が高く、マスコンの温度上昇が大きいことがわかっていきた)
・単位セメント量を低減
高性能減水剤を使用し、単位水量を低減し、水セメント比を一定とする。
②コンクリートの冷却
・プレクーリング
骨材、水等をあらかじめ冷却しておく
・パイプクーリング
コンクリート内部に冷却管などを用いて、冷水や冷風を流し、冷却する方法。
③発生応力を抑える
・ひび割れ誘発目地に応力を集中させ、補修を容易にする。
・既設構造物をあたためる。
④冬季の養生終了時
養生を急激にとりやめて、表面が冷える状態にすると、内部拘束温度が大きくなるため、表面の温度が徐々に低下するように留意する。