⑤コンクリートのひび割れについて(水和熱に伴う温度ひび割れ) | 橋のお勉強ブログ

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建設コンサルタントに勤め、橋の設計をしてます。
前職をリストラされ、今の会社でのんびり契約社員で働いてたところ、女性活躍のビッグウェーブにのみこまれ、ついに正社員へ。色々不安を抱えながらも、マイペースで頑張っていこうと考えてます。

<概要>

コンクリートはセメントと水の水和反応により発熱し、それに伴う温度の上昇、降下がコンクリートの変形(膨張・収縮)を引き起こし、これが内的、あるいは外的に拘束おされると、コンクリートに引張応力が作用し、ひび割れが発生する現象。


内部拘束によるひび割れ

 部材の内外の温度差が原因となり、生じるひび割れで、断面の大きいコンクリート構造物の場合に生じる。

 部材内部の温度上昇に伴い、熱膨張し、部材表面部のコンクリートに引張応力が発生することによって、ひび割れる。


外部拘束によるひび割れ

 フーチングの上に壁を打設するような場合、下面部は底版コンクリートによって拘束され、コンクリート内部に大きな引張力が発生し、コンクリートの引張強度を超えたときにひび割れが発生する。


<対策>

①水和発熱を抑える対策

 ・低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントを使用

  フライアッシュセメントの使用。

 (高炉セメントは水和速度と温度依存性が高く、マスコンの温度上昇が大きいことがわかっていきた)

 ・単位セメント量を低減 

  高性能減水剤を使用し、単位水量を低減し、水セメント比を一定とする。

②コンクリートの冷却

 ・プレクーリング

  骨材、水等をあらかじめ冷却しておく

 ・パイプクーリング

  コンクリート内部に冷却管などを用いて、冷水や冷風を流し、冷却する方法。

③発生応力を抑える

 ・ひび割れ誘発目地に応力を集中させ、補修を容易にする。

 ・既設構造物をあたためる。


④冬季の養生終了時

 養生を急激にとりやめて、表面が冷える状態にすると、内部拘束温度が大きくなるため、表面の温度が徐々に低下するように留意する。