上のチャート画像の赤色矢印ですが、AとBのどちらが売りやすいですか?
どちらを選んだにしても売りやすいと考える根拠をご説明ください。
ちなみにオレンジ色線は何度も止められている重要ラインです。
というのが問題でした。
正直なことを申しますと、私はAでもBでも売りたくはなく、オレンジ色線を明確に下抜けてから黒色矢印辺りで売りたいですが、これでは問題にならないので私なりの解答例を発表したいと思います。
まずAとBの違いなのですが、多くの方はAがV字回復しているということに気付けたかと思います。
このV字回復が何を意味するかですが、勢い良く下げたものの重要なラインであるオレンジ色線にタッチした途端に猛反発したという状態です。
何故このようなことが起こるかと言えば、オレンジ色線というのは売っている人の利確目標であり、買いたい人からするとここから買えば下から買えることになるのでオレンジ色線近辺に指値注文を入れたり、カウンター気味に買う人もいるでしょう。
つまり、オレンジ色線にタッチした途端に売り勢の利確(下の方で売ってしまった人は損切り)=買い+新規の買い注文が入り瞬間的に買いが圧倒的に優勢となってV字回復すると考えられます。
これだけオレンジ色線が意識されているのにAの赤色矢印で売りたいですか?
Aで売ってオレンジ色線を下抜けることもあるでしょうが、そのためには赤色矢印以降に指標であったり、要人発言等がない限りあまり見掛けません。
オレンジ色線を下抜けるよりも緑色線やピンク色線で示したような動きになることが多く、赤色矢印で売っても美味しいことはそれほどありません。(それほどであって絶対ではありません)
例えば、赤色矢印からオレンジ色線までに50pipsくらいあり、緑色線やピンク色線で示したような動きを想定しつつ、オレンジ色線を下抜けてくれたらラッキーくらいの気持ちで売るのであれば良いのですが、こういうことを想定せずに最初からオレンジ色線を下抜ける前提で入るというのはオススメできません。
また、V字回復というのは上位足で見れば下ヒゲです。
長い下ヒゲが出ているのに売りたいですか?
「それでも売る!」というのは自由ですが、上で書いたような想定ができていないのであれば微益とか微損で逃げられるチャンスがあっても逃げられないでしょう。
次にBですが、BはAと違いゆっくり下げてゆっくり上昇しています。
これが何を意味するかですが、BはAよりもオレンジ色線が強く意識されていないと考えられます。
Bにおいてオレンジ色線が強く意識されているのであれば、Aと同じようにオレンジ色線で利確したり、ここから買う人が多くなる筈なのですが、ゆっくり上昇しているということは買いだけでなく売り注文もゆっくり上昇している時に入っていると考えられます。
何故売り注文が入るかと言えば、上で書いた通りオレンジ色線がそれほど意識されておらず、ここを下抜けてくると考えているからでしょう。
Bの赤色矢印で売っても紫色線や水色線で示したような動きになることも当然ありますが、Aよりもその可能性は低いでしょう。
ということで、私としてはAよりもBの赤色矢印で売りたいです。
ですが、Bで売っても上に行ってしまうこともありますので、やはりオレンジ色線を下抜けてから売りを考える方がより勝てる可能性は高くなるでしょう。
上記のように売りたい(買いたい)人の気持ち=トレーダーの心理というものを考えればチャートの動きを説明できるようになるかと思いますし、説明できないような動きをしているところではトレードしないという風にすれば負けトレードを減らすこともできるでしょう。
今回のような極めてシンプルな問題でも色々と考えることができますので、環境認識能力を鍛える訓練と合わせてトレーダーの心理を考える訓練も是非してみてください。
考えれば考えるほどチャートの見方が変わってくると思いますので。
以上です!