小さなことではあるが、メディアの情報配信における記事の粗さが目立ちます。
 
思考というプロセスがなく、なぜ起こっているのかを突き詰めずに量とタイミングによる
エンゲージ獲得に奔走する結果、新聞という媒体の存在意義そのものが危うくなっている
ように思います。
 
 
今朝、このような記事を見かけました。
『百貨店離れ加速 存在意義問い直さねば』
 
記事の発端にしているのは「営業利益」の減少。
対する論調は、顧客離れの原因という「売上」の減少にすりかえられています。
営業利益の減少は、原価だったり販促・管理費など効率性の低下と捉えるべきでしょう。
 
メディア自身が独自性でなく、最近の日本停滞や閉塞感という「空気を読んだ」内容に
意識的にか無意識的に流されているのではないでしょうか。
投資などと同じで場の流れを読むほうがマスにはウケるので、彼らのビジネスには
良いのかもしれませんが。
単なる記事ではなく、『社説』でこうなってしまっているところが残念でなりません。
 
願わくば、存在意義を問い直すのは百貨店でなく、同メディアであらんことを。。。
 
 
2017年1月の移籍マーケットは大きな話題性なく終わりを迎えたようですが、
日本人にとって清武のJリーグ復帰は多少の驚きをもって迎えられたようです。
 
彼の決断の背景は「家庭の事情」とか「日本代表のレギュラー確保」という文脈で
語られることが多いようですが、これらは彼のこれまでのヨーロッパで置かれた
状況を考慮すると、やや表面的で分析に乏しい安易な考えにも思えます。
 
なぜ清武がJリーグを、そしてセレッソ大阪を選んだのか、他では語られていない
視点から分析していきたいと思います。
 
 
まず、彼がスペインに渡るまでの4シーズンをブンデスリーガで過ごしたのですが、
多くを降格圏争いをするチームにて中心選手として過ごしています。
リーガや昨年の例外を除いてプレミアリーグほどではないものの、ブンデスリーガも
比較的上位チームは固定化しがちなリーグであり、優勝争いをするチームは限定的です。
 
勝つサッカーでなく、いかに負けずに勝ち点を稼ぎ1部残留をするかが求められるような
チームに所属しつづけました。
 
そして、彼が移籍したセビージャで大きな変化が待っていました。
EL常連とはいえ、リーガといえば圧倒的に2強のリーグ。
そこにここ数年アトレチコが参戦して2強+1の状況が生まれましたが、ここに更なる
変化が起こることは多くが予想だにしなかったことです。
それは、セビージャ自身も。
 
2016-17シーズン、蓋をあけてみるとセビージャの予想外の大活躍が始まります。
近年のCLの結果を見れば、過去3年はいずれもスペイン勢。
しかもユベントスを除き、決勝戦すら他国のチームは至れていない状況です。
スペインで上位にいるということは世界のクラブチームの頂点に限りなく近いことであり、
今期のセビージャはその勢いを持っていました。
 
その成り上がり感というか、チームが日増しに自信と力をつけていく様を体感しつつ、
そこで試合に出れない清武の心境は非常に複雑であったと思います。
 
これまで、言葉は悪いですがお山の大将のごとく、弱いチームで10番を背負ったところから、
世界のトップへと成り上がっていく若いチームの流れに乗れないことのもどかしさ、焦燥感、
葛藤など、おそらく筆舌しがたいものがあったと思います。
 
そして、これは彼に価値観の選択を迫ったと思います。
達成できない可能性が高いけど夢でもある「世界最高峰」を目指すのか、現実的な
ところにもう一度軸足を置くのか。
 
 
そして、彼の選択は「セレッソ大阪」でした。
以前のようにブンデスリーガに戻るという道もありました。
もし戻った場合、おそらくレギュラーとして今後も十分できたでしょう。
にも関わらず、彼の選択は「Jリーグ」だったのです。
 
では、それはなぜか。
そこには彼のセビージャでの体験が大きく影響していると考えます。
 
当然、レギュラーでプレーできることを次のW杯と日本代表含めて見据えていたことは
間違いないでしょう。本田や香川のコンディションの悪さなども考慮に入れてるはずです。
ただ、それだけであれば、おそらくブンデスで良かったのです。
 
しかし、彼はこれまであまり経験できなかったこと、そしてスポーツ選手であれば
誰もが望むことを目の前で見てしまったのです。
自分のチームが頂点に向けて昇っていくという感覚、を。
 
彼の過去の経験の奇妙なところは、お山の大将と、胃の中の蛙を、短期間で両方
体験したことでしょう。そして、彼の一番の核となる体験はブラジルW杯のはずです。
あそこで試合に出れなかった経験。
いくらチームが強くても、試合に出れなければ悔しさ以外残らないという経験。
それが降格圏のチームであっても長年在籍した理由がある気がします。
 
それが満たされ、スペインという新たなチャレンジで突き当たった壁。
W杯のトラウマが呼び起されたはずです。
普通であればブンデスに戻るのですが、彼は個としての喜びだけでなく、
チームとして達成することの喜びを知ってしまった分、過去とは変わっていたのです。
 
 
折しも、Jリーグでは2016年に大きな出来事がありました。
DAZN社との長期契約です。
この狙いはJリーグ全体を盛り上げること、そしてJにアジア初の「ビッグクラブ」を
作ることです。
 
年末、Jリーグの鹿島アントラーズがレアルマドリードを相手にジャイアントキリングを
しかけたことで、上記構想がにわかに現実味を帯びてきました。
日本からアジアのビッグクラブとなることの意味、価値などが変わりつつあります。
そこのチームになることが出来たチームは、これまでのJリーグチームやアジアの
どのチームも成し得なかった軌跡を辿れる可能性を秘めています。
 
そして、そのための先行投資をJリーグのいくつかのチームは本気でやっています。
セレッソ大阪も、その1つになりうるチームでしょう。
柿谷や山口など世界を経験した若い選手の存在と、充実した育成システムにより
継続的に若く優秀な選手がトップに来る環境、そして香川、乾、南野など将来的に
セレッソに戻ってきそうな現役海外組の存在など。
 
そのJリーグの変革期と言える初年度に中心選手でいることの意味は、セビージャで
今起こっていることと比較にならないほど大きなものかもしれません。
少なくとも、私がスカウトであれば、こういった起こりうる夢を語りますし、これは決して
単なる夢物語でもないと思います。
これは私の予想ですが、比較的早い時期からセレッソ大阪は清武復帰に向けた
コンタクトを開始していたのではないでしょうか。
 
ブンデスに戻っても、おそらく埋められないセビージャでの喪失感。
これを埋められるのはおそらく彼の中ではJリーグであり、セレッソ大阪なのでしょう。
 
セビージャが今シーズンどういう帰結を迎えるかは分かりませんが、清武の中で
目指すべきチームモデルとなり続けることは間違いないでしょう。
 
 
 
 
 
 
 

オーストラリア戦の引き分けに苦言を呈する日本のメディアを見ていて感じるのは、

日本独特な「根性論」みたいなものが世界大会の場で悪い方向に作用しがちという

悲しい現実です。

 

■日本に蔓延する根性論

多くの日本のメディアはアジア最終予選を「全勝」で行くべきと思っているのではないでしょうか。

もちろん、「引き分けで良い試合がある」という方便もある気がしますが、グループ最強の

オーストラリアという相手に引き分けて袋叩きにあっている代表監督を見ていると、

この最終予選に引き分けで許される試合があるようにはとても思えません。

 

W杯出場が目標であれば、その手段として予選で全勝するのはもちろんその通り。

しかし、「全勝」なんてものがそう簡単にうまくいかないから、戦略とかマネジメントが

必要になってくるのです。

 

でも、そんなことを口にしようものなら、残念ながらこの国では大変です。

ん、なんだか戦時中の名残みたいでしょう?実際そうなのだと思います。

この国はかたや「謙遜」という文化がありながら、かたやネガティブな発言が許されない、

非常に繊細な価値観の上に成り立っている国なのです。

 

ちょっとだけゴルフの例。

全部のホールでバーディを取れたら最高です。でもそれができない。

むしろそれを狙うことでリスクが伴うことがあり、最終的なトータルスコアが

悪くなる可能性が高まる。

トータルで一番良くなる可能性を考慮して押し引きするのがコースマネジメント。

 

■海外のマネジメント

一方の海外は、この考え方が浸透して実行できる土壌があります。

サッカーでいえば勝たなくて良い試合は勝負をしに来ない。

 

こういう考えが徹底されていると「アウェーゴール」という考え方が生まれます。

アウェーでなかなか攻めにこず、試合が盛り上がらないということが頻発してくるため、

リスクを負うことに対する大きなリターンを用意したのです。

(よって、日本ではあまりアウェーゴールの概念は意味を持たないはず)

 

先日のオーストラリア戦で言えば、従来のサッカーをすれば勝つ可能性は上がったでしょう。

一方で、それ以上に負けた可能性のほうが大きかったと思われます。

今の日本代表がオーストラリアと白黒つけに正面衝突をした場合、日本が「白」となる

可能性がどのくらいあるのでしょうか。

 

一方で、引き分けであれば今の日本でも十分に狙える。腐っても日本。腐っても本田。

CBとボランチがほぼフルメンバーで組めているのですから。

 

ポテンシャルが高いものの不調の香川というカードをどう使うか。

勝つためにではなく、「負けないため」に切る。

そのためにイラク戦を好調の清武に賭け、コンディショニング等を行う。

これが戦略であり、大会を勝ち進むために求められるチームマネジメントです。

 

少なくとも、ハリルはそれを理解しているように思います。

彼の頭の中には勝ち点のシミュレーションがあるはず。

どの相手から勝ち点を得るか、どれが引き分けでいい試合か。

 

少なくとも、日本のメディアが安直に「勝ち負け」を論じるよりずっと、今の代表監督は

戦略というものを理解し、チームをマネジメントしていると思いますし、初戦のUAE戦を

除けばほぼほぼ計算通りの展開になっているのではないでしょうか。

 

彼にとって計算外なのは、それを理解しない/できないサッカー協会やマスコミ。

選手でなく、環境の未成熟さは監督就任前にどれだけ日本の試合を見ても

見えてこないのですから。

 

そういう監督を戦略的な視点で評価できない日本サッカーが置かれた環境こそ、

W杯出場水準に達していないという警鐘を鳴らしたいと思います。

 

 

10/11にアウェーの地で行われたサッカーW杯アジア最終予選のオーストラリア戦は1-1の

ドローに終わりました。

 

今回の結果に関して、日本は消極的だの、ハリル采配が悪いだの、圧倒的に批判的な

論調が多いように思います。

この試合を単体で見れば批判的なコメントが的を射ている部分もあると思います。

 

ただ、日本サッカーの今の状況を時間軸を伸ばして眺めてみるとどうでしょう。

ドローの妥当性だけを論じることに大した意味はないと思いますが、その結果の

捉え方にこそ、日本サッカーを取り巻くメディアを中心とする関係者の「成長余力」

みたいな部分が見え隠れしているように私は思いました。

 

そこで、今回このオーストラリア戦のドローについてちょっと見ていきたいと思います。

 

 

■オーストラリア代表チームの現在位置

まず、オーストラリアという相手ですが、FIFAランキングでは日本より10位上。

比較的世代交代にうまくいっており、先日のアジア大会でも優勝と、今のアジアにおいて

名実ともにトップチームです。

 

対する日本ですが、ザックジャパンの時から大きな世代交代は行われておらず、

同大会でもベスト8止まり。

牽引しているベテランメンバーが所属クラブでコンスタントに試合に出られておらず、

過去3試合の予選で確実に主力メンバーのコンディションに問題が見られてます。

加えて相次ぐコアメンバーの離脱。

 

それが試合をする時点での両チームの置かれた状況です。

 

 

■両代表チームの4年前

では、4年前のザックジャパンの時をちょっと振り返ってみましょう。

 

日本はアジア大会の決勝でオーストラリアを下しました。

世代交代がうまくいき、(時期的な理由もありますが)世界最速でW杯出場を決めました。

この時のザックジャパンはベスト16入りしたW杯の勢いを新監督がうまく引継ぎ、

過去最強の日本代表チームを築きつつありました。

 

その時のW杯予選。

その時でも、オーストラリアには勝てていないのです。

ホームのオーストラリア戦は本田のPKで追いついてようやくドローに持ち込んだのは

記憶に新しいと思います。

 

 

■何がドローを「悪」に変えたのか

実際、先日行われたイラク戦の直前であれば、アウェーのオーストラリアには

ドローが精いっぱいと考えても致し方ない雰囲気にあふれていました。

加えて、岡崎・長友の負傷と酒井の出場停止、最近の代表では稀に見る悪条件で

オーストラリア戦を迎えたのです。

 

この状況下でなぜドローが望まざる結果なのでしょうか。

状況を変えたのは2つの出来事でした。

 

1つは、前節イラク戦での山口の劇的な決勝点。

歓喜に沸いた日本は、都合良く日本代表が置かれた状況を忘れてしまいました。

少なくとも、大きな試合でのロスタイムでのゴールは代表戦としては久しぶりで、

私もしばらく記憶にないくらい興奮したのを覚えています。

 

2つ目は、オーストラリア戦での開始5分での先制点。

誤解を恐れずに言うと、わずか10分未満の間に日本代表は劇的な決勝点と、

宿敵からの先制点をもぎ取ってしまいました。

山口の決勝点を受けても油断はできないと思っていた人はまだまだいましたが、

この先制点を機にほとんどの日本人が、

 「やはり日本代表は強い」

と錯覚してしまったのです。

 

強いはずの日本代表がポゼッションサッカーでなく、引いて守るサッカーをしたのでは

満足できないのは当たり前ですね。

そして、同点に追いつかれてしまっては怒るのも致し方なく思います。

 

 

そんな中、試合前に松木安太郎氏が述べていた内容は非常に興味深いものでした。

「オーストラリアに勝つには2点必要」

 

過去の戦績を見て述べたもので、シンプルですが深くもあると思います。

誰もこの発言を振り返る方はいませんが(笑)

 

 

少なくとも、このドローは狙い通りのものであり、かつ今の日本代表では

十分な戦果だったのではないでしょうか。

 

インドのECは日本人が思っているよりもずっと賑わっています。

 

単純な売上やGMVという観点だけでなく、そこに乗り出す事業者の数や事業者に対する投資家の目線など、程度の差こそあれ、そこには大きな期待感やエネルギーが生まれています。

 

そこに機会を見い出し、参入を検討したい日本企業や事業主も少なからずいると思います。

 

■とあるマーケットプレイスに出店

私は今、日印合資のとあるファッションビジネスを支援していますが、先日自社商品のマーケットプレイスへの商品出展を無事果たしました。

 

マーケットプレイスとしては、数年前に元有名デザイナーが立ち上げた比較的ハイエンド向けなECです。(取扱単価の平均はおそらく1万円前後)

 

インドのECで言えば、2010年代の前半にオープンしているため、老舗まではいかなくとも、比較的古参と言えます。

 

要は、それなりの知名度や信頼がある企業であると言えます。

 

 

■出店の契約関連

その実態ですが、オペレーション的な課題が山積みですし、日本人の感覚で言えば、とても怖くて眠れない日々が続くと思います(笑)

 

まず、出店において基本的な契約がありません。

Markupという売上の~%を手数料として店舗側が受け取る以外には何も定まっていません。

 

商品を送るとサイト用の写真を先方が撮影してくれます。

(クオリティは中の下、ただしスタートアップにはありがたい「ささげ」系のサービス)

すると、ある時から連絡もなく商品がサイトに掲載されています(笑)

 

 

■受注時のハンドリングは、、、

ここで、商品に注文を入れてみました。偽名というか、出店関係者とバレないように。

すると、、、こちらに「注文が入りました」という連絡がなかなか来ない。

商品はサンプルのみを提供しており、在庫はこちら(出店側)が持っています。

発送は全て注文後にこちらからマーケットプレイスに送り、彼らが配送する取り決め。

 

結局連絡が来たのは6日後でした。

 

また、出品商品は在庫ロットを3つ単位でしているのですが、ある2つの商品が先日"Sold Out"になっていました。

つまり、理論的には6個売れました、ということですね♪

 

このオーダーに関しては、、、まだ連絡が来ません(笑)

 

楽天のように、このマーケットプレイスも出店店舗ごとに担当者がおり、いわゆる受発注連絡などのオペレーションをこの担当者が担っているのですが、ここに問題があるのではないかと。

 

損を被っているわけではありませんが、機会ロスやブランド毀損リスクにつながっているわけで、続くようだと何らかの対応が必要になりますね。

 

 

■インド マーケットプレイスの契約の特徴

また、インドのマーケットプレイスは"MarketPlace Exclusive"という契約を設けることが多く、他のマーケットプレイスに同じ商品を出すことを禁じることがしばしばあります。

 

今回のマーケットプレイスもそうですし、交渉中の2つも同様です。

(Flipkart, Amazon, Snapdealなどの大手は今のところ大丈夫です)

 

ちなみに、自社ECに限っては出店は問題ありません。

 

いわゆる「日本の感覚の日本企業」であるなら、マーケットプレイスはハードルが高いかもしれません。(これも大手の数社に限れば大丈夫なのかもしれません)

 

 

■日本の企業はどうインドのマーケットプレイスを活用するのか

ただ、別の視点から見ると、Markupさえ支払えばサイト構築、デリバリー業務(やささげ)など手間がかかるオペレーションを全てオールインクルーシブでやってくれるため、初期の窓口を広げるフェーズやスピード感を求める段階では非常に活用の余地があります。

 

何よりも、インドのマーケット自体がこういったスピード感で動いており、企画や構築に半年~1年平気でかけるような日本的サービス・システム開発には向いていません。

自社でECを作るのはもちろん可能ですが、上記に加えておそらくマーケティング面でその後苦労することになるでしょう。

 

インドのWebのUIは独特で、機能面とデザイン面ともに日本含めた先進国とやや異なる独自性が強いと思われる一方、クオリティが高いフロント系のデザインができる制作会社を見つけるのが結構大変でもあります。

 

そういったプロセスを鑑み、一方でマーケットプレイスのクセというか起こりうるリスクを理解した上で利用判断することをお勧めいたします。

 

 

コンサルティング相談でも、情報交換でも、上記ご興味があれば気軽にご相談ください。

(インド滞在中であればデリーかGurgaonあたりなら対応できますので)