週末、車いすで展覧会に行ってきました。
東京藝術大学美術館で行われていた「円山応挙から近代京都画壇へ」という企画展。
円山応挙が現れたことで京都画壇の様相は一変し、爆発的人気を博しました。
明治維新以降、応挙のもとに多くの門弟が集まり、その流派の流れから上村松園なども輩出。応挙に影響を受けた画家たちの作品が集められた展示でした。
数多の作品の中でも円山応挙は圧巻です。
ほかの方の作品も素晴らしいのですが、
応挙の作品に満ちるエネルギーが凄まじい。
応挙と言えば襖絵。
代表作の「松に孔雀図」(全16面のうち4面)
もちろん重要文化財
写実主義かとも思えるくらい、微細に観察し精緻に描かれた孔雀。
遠目で見るとゴージャスなんですが、
近くで見ると、生きているかのよう。
羽の一つ一つの文様は目玉のようで、
生々しいまでに「生き物」を感ずるのです。
さらにこちらも重要文化財の
「保津川図」(左隻)は、応挙亡くなる1か月前に描かれたという遺作。
流れ落ちる水の圧倒的な勢い、飲み込まれてしまいそうな自然の力への畏怖までが描きこまれている作品。
この右側に小さく、遡上する鮎を描いているところがミソ。
怒涛の流れに逆らう小さな生命を描き込んだことに、彼の心境に想いを馳せる。
彼自身、自分の余命幾ばくもないことに気付いていて描いたのだろうか。
死にゆく者の、でもまだ生きとし生けるものの命の愛おしさでも描こうとしたのだろうか。
応挙、圧巻です。
東京藝大美術館での展示は終わりましたが、
11月2日から国立近代美術館で再開されます。
身体障害者手帳を持っている私は、
ダーター(無料)で見る事ができました。
やっぱりダーターは嬉しい💕
その分、ポストカードを買いました。
大好きな上村松園のポストカードも。
「楚蓮香之図」