前回のブログ「人生のアディショナルタイム」

https://ameblo.jp/fwnx5280/entry-12503547814.html

でこんなことを書いた。

「会いたい人に会う。見たいものを見る。

食べたいものを食べる。」


これを叶えようと思った。

乳がんの脳転移でガンマナイフ治療を受けた友人に、ずっと会いたかったからだ。

https://ameblo.jp/fwnx5280/entry-12474256560.html


彼女のガンマナイフ治療は、私が骨転移で車椅子生活になった4か月後の今年3月。

治療後、彼女はしばらく利き手が痙攣することもあり外出が億劫になっていた。

連絡はずっと取っていたが、私が車椅子移動なこともあり、なかなか会えずにいた。


治療から5か月。彼女のリハビリもだいぶ進んできたようで、箸🥢は無理でも、スプーンやフォークは使えるようになってきたという。

そんな彼女が言った。

👩「素敵なところに美味しいものでも食べに行きたいわぁ。主婦で、外出も億劫になっちゃって、出かける機会なんてないもの」と。


彼女こそ、私よりもずっと余命を気にかけていた人だ。

だって、彼女の脳に転移した腫瘍は大きく、ガンマナイフの前には「あと3、4か月」と余命を告げられてしまっていたのだから。


私は彼女と連絡を取りながら、彼女にとても助けられていた。だから彼女に会いたかったし、もうスプーンやフォークが使えるなら、彼女の夢を叶えたいと思い、提案した。


🧒「ならさ、一緒にマダムトキ赤薔薇に行こうよ」

👩「えっ!びっくりマダムトキ赤薔薇って有名なところじゃない?私、大丈夫かしら」

🧒「一生に一度は行っておきたいレストランだよ。味は御墨付きだし、お店のホスピタリティが素晴らしいから心配しないで大丈夫!ちょっとオシャレして出かけようよハイヒール


と誘い出した。私にとっても行動範囲を広げるいい機会になる。


猛暑の中、恵比寿駅のタクシー乗り場で待ち合わせ。私は車椅子で行くから現地集合でいいと言ったのに、彼女は

👩「車椅子もタクシーに乗せて行こうよ。ボックス型タクシーならきっと後ろに積めるから」と、面倒なことに一緒にトライしてくれるという。

私が使用してる電動車椅子は大きいから、通常のタクシーに載せるのはたぶん無理ショボーンと思ってトライしてこなかったことなのに。


タクシー乗り場で彼女がボックス型タクシーをつかまえる。折りたたんでおいた車椅子を運転手さんがトランクに入れてみると、、、


入った!


うわぁー!!これは私の行動範囲を広げられる素晴らしき事例だキラキラ

普通のタクシーを利用できると、車椅子によって制限される行動範囲の狭さを、少し広げることができる。


車椅子をタクシーに載せること。この試みは「タクシーの人に断られたらやだなぁ」とか思って、ひとりじゃできなかった事だった。

彼女の夢を叶えるつもりが、その過程で、

彼女が私の壁の1つを取り壊してくれたのだ。

この歓び。この感謝。絶対忘れない。

ありがたくて涙が出そう。


レストランの前でタクシーを降りて、

彼女がお店の人を呼んで、車椅子を預かってもらう。


店内には松葉杖で入り、ようやく着席。

なんたって老舗フレンチの「マダムトキ赤薔薇」ですからね。

装いは勝負服の紺色のワンピース。腕には夏らしいキラキラのブレスレット乙女のトキメキ。お化粧アイシャドウブラシもバッチリして、マスクはタクシーの中で外しておいた。


さてお料理赤ワイン

ムムッ、美味!!

手が混んでいるのに軽やかで優雅。素材の良さを引き出しながら、異素材とのマリアージュがお見事。もはや筆舌に尽くしがたい極上の美味しさ。

なので1つ1つは写真のみでご紹介ね音符

まずアミューズブッシュ



雲丹のバヴァロアと北海道産毛ガニ

コンソメジュレと季節のムースリーヌ。



白桃のスープ・バスク産生ハムとポルト酒のジュレを浮かべて



本日のお肉料理(ラムでした🍖



マダムトキ  ワゴンデセールスイーツ(10品位から選べるの。右上からイチゴのケーキショートケーキ、オレンジのシロップ漬け、グラッパをきかせたフワフワのなんたら💦、ガトーショコラ、ティラミス)



そしてコーヒーコーヒーにプティフールマカロンがつきました(このプティフールピンクマカロンも絶品なのぉラブラブ


帰りのタクシーもお店で手配してくれて、車椅子を載せることまでお店の方がしてくださり、至れり尽くせり。お客(ゲスト)を大切にする心と一流レストランの誇りが伝わってきて、本当に素晴らしい


彼女と別れてから、改めてラインで御礼を告げると、「とても幸せなひとときでした」と返ってきた。よかった。


私たちは、1人は利き手がいつ痙攣を起こすかわからない状態で、もう1人は車椅子。

とても頼りない2人だけど、2人で小さな一歩を踏み出せた。

この出会いに感謝しかない。

どうか、彼女も長く生きれますように。

どうか、私たちのアディショナルタイムが、予想を超えて長くなりますように。