(前回からの続き)

主治医にも言われている。

「もう、以前のようには働けないよ」と。


社会復帰を目指している私だが、昔の編集部に戻ることは、もう諦めている。

校了日の帰宅はいつも深夜。それが毎週続く。

今の私の体力で、それができるとはとても思えない。


まして車椅子で通勤することさえ、これからどうやっていこうと思案中だ。

多発骨転移による骨折リスクを侮ってはいけない。折れる時は簡単に、あっという間に折れてしまうのだから

自宅勤務やテレワークの導入など、(休職中の)会社と交渉していかなければ。


それが、これから私が生きていくということなのだ。今後、何とかして働いて、生活費を得て、暮していかないと。


これが現実ということは百も承知。

だけど、時々戻りたくなる現場がある。

それは編集部ではない。

でも、編集者として、私がスポーツを担当していた時のことだ。

記事はライターにお願いすることが多かったが、企画を考える段階で、誰が旬なのか、何が面白いのかを知った上で企画を練り、会議に通す。

“現場の感覚も知らずに、どんな特集が組めるというのだろう”

そんな思いもあり、できる限り現場に足を運んでいた。


そう。私が時々戻りたくなるのは、スポーツの現場だ。

サッカーも⚽️、体操🤸‍♂️も、フィギュアスケートも、卓球🏓も、水泳も🏊‍♂️、バドミントンも、いろんなスポーツを取材してきた。


東京オリンピックを前に、国立競技場は生まれ変わる。行ってみたいな。新国立競技場。。。


取材していた頃、昔の国立競技場で、

グラウンドを見ながら夢のような事を思ったものだ。

「私が死んだら、(お骨の)灰をここに撒いてほしい」


アスリートを差し置いて何を考えているんでしょう🤪アホですね。


でも、そう思ったほど、私にとっても”聖地“だった。


全身への癌転移で脆弱になってしまった骨

スポーツの現場には、もう戻れない。

きちんとあきらめはついている。


それでも、介護タクシーの中では、いつも運転手さんとサッカー話で盛り上がる。


👨‍🦱「中村俊輔が横浜FCに移籍ですね〜」

🧒「あぁ〜、ジュビロ磐田で出番なかったと思ったら、そーでしたかぁ」

👨‍🦱「松井大輔も横浜FCっすよ」

🧒「えー!横浜FCすごいですね。カズ(三浦知良)もいるわけだし、レジェンドたちの競演じゃないですか😍

👨‍🦱「俊輔のコーナーキックから、三浦知良がヘッドで決めるところ、見たくないっすか」

🧒「うわぁー❤️ヤバ過ぎるっ💛見に行きたいなぁ」


取材じゃなくていいの。

普通に見に行きたいわ。