本のカバーの左側の顔、見たことありません?
モリカケ問題で一石を投じた元文科省事務次官の前川喜平氏。真ん中は東京新聞記者の望月衣塑子(いそこ)氏。右はアメリカ人ジャーナリストのマーティン・ファクラー氏。
3人が、自由に発言しにくい社会を憂い、それぞれの立場から現在の日本を見つめる本。
って書くともう難しそうなのでできる限り簡単に。
今、ネット発達の影響で新聞🗞が読まれなくなって発売部数が減っています。
ところがニューヨーク・タイムズは最も購買数が増え、デジタル版と紙と合わせて400万人を突破と過去最高の数字を弾き出し、ワシントン・ポストも同様に右肩上がり。これまでにない黄金時代を迎えています。
このメディアの活況は、実はトランプ政権が誕生してから。トランプ政権を厳しく追及することで読者が増えているのです。
政権に批判的なメディアをトランプ政権が断ち切ってしまった結果、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストは、「政権のポケットに入る(仲良くして情報もらう)」情報の取り方ではなく、自分たちで事実を積み上げ調べ上げていく“調査報道”の道を選んだのです。
権力を監視するメディア本来の役割で勝負をかけた結果、必然的にオンリーワンの報道が多くなり、読者の支持が広がったのです。
日本のメディアは、「政権のポケットに入る」、つまり権力者から情報を得たいがために批判的な報道ができなくなっている現実がある。そして、取材対象者と円滑なコミュニケーションをキープするのが当然だと、問題意識さえ抱いてないように見える、と。
実際、著名なニュースキャスターが相次いで降板した事などを見ると、「政権批判はあまりできないのか」と萎縮してしまう状況が、特にテレビを中心に生まれているのもまた事実(望月氏)
だが、そんなことをしていくと、大手メディアが政治権力のプロパガンダに使われるようになる。戦時中、大本営の発表のままに新聞が伝え、国民には本当のことが知らされなかったあの時代のような、極めて危険な状況に陥っていくのではないかと苦言を呈しています。
そして前川氏は言います。
「無批判で権力や同調圧力に従ってしまう人間が作られてしまったのは、社会は自分たちが作るというより与えられる意識のほうが強い背景がある。与えられた社会がある程度満足できているから、考えることをやめてしまう事態が実際に起こっているのだ」と。
考えることは身近なところからでいい。
私は乳がんになり、抗がん剤治療を続けているうちに、日本の皆保険制度のありがたさを感じるようになった。この制度がなくなるような未来にはしたくない。いち市民として。
だから、マスコミの人たちには頑張ってもらいたい。様々な事情があるけれど、“何が起こっているのか”、私たち市民は知らされていない。
知らされないうちにどんどん国のかたちが変わっていってる。
歯止めをかけられるのは私たち市民であるはずだ。だから、勇気を持って、頑張って伝えてほしいと思う。