ひとり社長のフィルダースチョイス

2025年の野球がおわった。全日程が終了した直後の精神状態では冷静に書くこともままならなかったが、少し時間が経過した今なら大丈夫だ。あの時のことを振り返ってみたい。

2025年10月25日、日本シリーズ第1戦。阪神タイガースはパ・リーグ優勝チームの福岡ソフトバンクホークスに対して2-1の辛勝であった。今年の阪神はレギュラーシーズンでも、少ない得点を強固な投手陣で守り切る勝ち方を得意としていた。シーズン通りの勝ちゲームであったと言える。

今年からタイガースの指揮を取る藤川球児監督は「凡事徹底」をスローガンにペナントレースを勝ち上がった。凡事徹底。なんとなく理解した気にはなっているが本来はどういう意味なのか。ChatGPTに聞いてみた。



「凡事徹底(ぼんじてってい)」とは、ごく当たり前のことを、手を抜かずに徹底してやるという意味の言葉です。 

🔍 もう少し詳しく見ると

「凡事」は「ありふれた事」「普通のこと・当たり前のこと」を意味し、「徹底」は「中途半端にせず、貫き通すこと」。これらを組み合わせて、「当たり前のことを、徹底的に行う」姿勢を指します。 

特に、普通の人が“できて当たり前”と捉えがちなことを、他の人が真似できないくらいに続けることで、他と差をつけるという考え方も含まれています。

たとえば、あいさつ・身だしなみ・掃除・時間を守る等、地味だけれども毎日確実にこなすことが重視されます。



普通のことを普段どおりに普通にやる。まさに日本シリーズ第1戦の勝利がこの言葉に詰まっている。


そして問題の第2戦を迎える。

この試合、ゲーム前日時点で大方が予想していた阪神の先発投手は才木浩人であった。初戦に先発した村上頌樹と並び、今シーズンの阪神を支えた2枚看板のうちの一人である。いいピッチャーから順に投げさせるというのは、短期決戦でのセオリーでもある。


しかし、発表された2戦目の予告先発は才木ではなくデュプランティエ。彼は今年タイガースに加入した外国人投手である。

 

シーズン序盤、キレのあるストレートとパワーカーブを武器に打者を牛耳ったものの、梅雨から夏に向けて徐々に調子を落とす。そして8月はじめに再度登板したのを最後に、シーズン終了まで出番はなかった。

デュプランティエが春先からゴールデンウィークに見せた圧巻のピッチングを再現できるなら、期待はできる。しかし、不調と故障で登板できず2ヶ月以上の間隔を空けての大一番での登板は、私を含めた多くのタイガースファンが疑問を持ったのではないだろうか。



残念ながら懸念は現実となる。この日のデュプランティエはシーズン序盤で見せた速球のスピードも変化球のキレもなく制球も甘い。おもしろいようにホークス打線に打ち込まれる。

 

初回に3点、2回に4点を奪われ、後続の投手もホークス打線につかまる。2回を終了した時点で1-9と8点差。打線の調子も思わしくないタイガースはこの差を縮めることはおろか、1点もとることなく試合を終えることになる。

勢いづいたホークスは2戦目につづき3戦目以降の試合も全勝。4勝1敗で一気に頂点まで上り詰めた。


日本シリーズ全試合終了後、タイガースの藤川監督は2戦目のデュプランティエ起用の理由について記者に問われ、以下のように語っている。

「うまくいけば何も言われないところ。想像におまかせする。」

このコメントを踏まえ、野球解説者の高木豊氏は自身のYouTubeで「じゃあ想像させてもらうよ」と吐き、我々ファンの気持ちを代弁してくれた。

・敗因の最大のポイントは第2戦のデュプランティエ投手の先発起用
・藤川監督は、才木投手の登板をモイネロ投手が登板する試合から避けたかったのではないか。初戦を取っただけに「モイネロとのガチンコ勝負で負けたとしたらダメージが大きい」と判断し避けたものの、相手投手の登板日を読み違えた。

【阪神はなぜ日本一になれなかったのか】『どうしても腑に落ちない…』勝敗のポイントは"1戦目の打席"と"2戦目の投手起用"にある!!藤川監督の誤算とは?【プロ野球】

 

 



モイネロ投手は剛腕揃いのホークスの中でもひときわ抜きん出た投手である。今シリーズ、調子が上がらないタイガース打線としては得点することすら困難な難敵だ。

 

そしてタイガースは才木投手が登板する試合は落としたくない。2戦目にモイネロがくるなら才木は避けよう。この判断が2025年の日本シリーズのあっけない結末を決したと言ってもよいかもしれない。



時には奇策も必要な場面もあるかもしれない。しかし、まずは凡事徹底。普通のことを普通にやる。このことの重要性を改めて感じた一連の流れであった。我々の日常業務でも活かしたい教訓である。


というわけで、10月29日をもって2025年のプロ野球はすべて終了。平日夜間の業務も対応可能、お仕事のご依頼お待ちしている。

 

 

 

2025年の阪神タイガースは、昨年までのカットプレーの方針が見直されている。昨年までは外野へどんな打球が飛ぼうと、外野手からの送球はすべてもれなく内野手が中継し目的の塁に送ることと決められていた。

一方、今年はケースによって外野手が中継を介さず直接目的の塁へ送球する選択をするケースもあるとされている。外野手が処理したボールを内野に送球するとき、内野手が中継に入るかは状況によって判断することとなったのである。

※このようなプレーをカットプレーという。外野からの送球を内野手が中継(カット)して本塁へ送球する様子がおわかりいただけるだろう。

 

 


この方針変更は、オープン戦やここまでの試合を見る限りまだ効果が出ているとは言えないが、試合数を重ねるにつれて昨年よりも効果的に連携できるようになっていることを祈りたい。



さて、タイトルの「右中間抜けてボールよっつの時はセカンショー2枚入ってファーストはセカンカバーな。」である。この文章、野球未経験の方が意味を理解するのは少し難しいのではないだろうか。わかりやすく書くと以下のようになる。

・ライトとセンターの間に打球が飛んで外野フェンス付近までボールが到達した場合に
・その打球によって本塁を狙うランナーを刺すために、外野手が本塁へ送球する必要がある状況で
・外野手はまず本塁との直線上に入る二塁手(セカンド)に送球し
・外野手からの送球を捕った二塁手はさらに本塁との直線上にいる遊撃手(ショート)に送球し
・遊撃手が本塁にいる捕手(キャッチャー)へ送球してランナーをアウトにする
・二塁手と遊撃手が中継プレーに加わっているため、がら空きになった2塁に一塁手(ファースト)が2塁に走り、2塁を狙う打者走者(打った人)をアウトにすることを狙う

図にするとこうなる。フェンス際で打球を処理した外野手からのボールはこのように転送されて本塁へと届く。セカンドとショートが中継プレーをすることによって空いた2塁ベースに一塁手が入る



「右中間(ライトとセンターの間を)抜けてボールよっつ(グランド上では一塁のことをひとつ・二塁のことをふたつと呼ぶ、よっつは本塁のこと)の時はセカンショー(セカンドとショートが)2枚入って(二人で中継して)ファーストはセカンカバーな(2塁ベースに入る)。」
である。

※プロ野球ではめったに2人の野手が中継するカットプレーは無いが、遠投能力が低い学生野球などではよく見られるプレーである。

実際にプレーをした経験がある人間なら理解は容易だが、そうでなければ意味不明な一文だ。


さて、ビジネスの話。あなたは自身の知識が豊富であることを暗に伝えたいために、あえて専門的な用語を使ったプレゼンや商談を行い、その結果、専門外の方や初心者を会話から置き去りにしてはいないだろうか?


この生成AIは推論やマルチモーダルへの対応、ロングコンテキストに基づき他のシステムやエージェントと連携しアクションを実行します。

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の方が100倍理解しやすい。

伝えたい話題に対し、相手はどの程度精通しているのか。無駄なカタカナ用語や業界語を使って相手を混乱させていないか。常に考えながら話すようにしたい。

では私はこのあたりで、ミズスクで知人と待ち合わせて昨年のウル虎ユニを手渡してから年席でデュプランティエなので失礼する。

 

 

2025年のシーズンより、阪神タイガースは藤川球児監督が指揮することとなった。藤川新監督と言えばは野球ファンなら誰もが知る現役時代の「火の玉ストレート」。今や球界のレジェンドでもある。彼のタクトはどう振られるのか、タイガースファンならずとも期待している方が多いのではないだろうか。

1998年のドラフトで高知商業から阪神タイガースに入団した藤川球児は、当初出場機会にも恵まれず1軍でも目立った成果を残すことはできなかった。一説によると他球団に放出される動きもあったと聞く。

戦力外の烙印を押される寸前の危機的な状況の中、あるコーチが藤川にひとことアドバイスをした。

「球児、右足ちゃうか?」

それまでは右足をやや曲げる形で投球していたフォームを、まっすぐに伸ばしたまま投げることで上から下へ角度のあるストレートとなる。それによって打者が感じる球威が増すのではないか?という意味である。

その後、アドバイスどおりのフォームを身に着けた藤川の活躍はご存知のとおり。引退後数年間は有力OBとして解説などの活動をしていたが、今や名門阪神タイガースの監督である。コーチのひとことが彼の運命を変えたと言っても過言ではない。



このひとことアドバイス、ビジネスシーンでも効果的なケースがある。

私も年齢を重ね、若い営業スタッフやコンサルタントに指導する機会も増えている。私が接する近頃の若いビジネスパーソンは、私が20代の頃と比べると当時の自分が情けなくて泣きたくなるほど圧倒的に優秀である。

しかし、こと外部のクライアントや取引先と話す場面になると、人が変わったようにその能力が発揮できなくなるケースも珍しくない。
・先方は質問をしているだけなのに、叱られている気分になって言葉が出なくなる。
・自分が伝えるべきことでいっぱいいっぱいになり、先方が話す隙さえ与えない。
・できもしないことを「できる」と安請け合いして苦しむ。

面識が無い相手とビジネスの話をする場面に慣れるまでは、誰でも通る道ではないだろうか。もちろん若き日の私自身もそうであったからよく理解できる。しかしこのままでは戦力にならない。そこで、事前に予行演習(ロープレ)をして本番に臨ませることにしている。

ロープレでは事前に必ずこう伝える。

「オカンに喋るようにやってみ」

「オカン」の部分は「親戚のおっちゃん」や「仲の良い友だち」に変えることもある。つまり、話すことにまったくストレスが無い相手に、自分が扱っている商品やサービスについて自分の言葉で「タメ口で」伝えてみる練習をするのである。

相手が「オカン」だと、もともと優秀な彼ら彼女らは極めて理解しやすく流暢な説明をする。説明をしている際にも相手の反応を見て、相手の理解度に応じて話すこともできる。ポイントで相手の感想などを聞きながら、何を話せば相手の反応が良くなるのかなども判断し会話を進めることもできる。

商談相手を「オカン」と想定したロープレが終われば、次のステップである。話す相手は親しい人物を想定しながらも、言葉だけを敬語を交えたビジネス用に変換する。一度「オカン」バージョンで練習したあとなら、内容はそのままで言葉を変えるのは難しくない。

オカンバージョンでは「あんな〜、これめっちゃいいねん。特にこのへん見て!」
と言っていたのを

「こちらをご覧ください。特にご注目いただきたいのがこのポイントで。。」
などと変換していくのである。

話しの流れや相手への確認作業はそのまま、すべてをビジネス用の言葉に変えるだけ。この流れで練習すると、結構な勢いでビジネスシーンでの会話が上達する。

外部の方、特に目上の方との商談や提案に苦しんでいる若手がいたら、ぜひこのロープレを試してほしい。

あなたが彼らに伝えるのはただひとつ


「オカンと喋るみたいにやってみ」

 

 

 

 

 

関本賢太郎という野球解説者がいる。彼は現役時代、阪神タイガースで「代打の神様」としてファンから崇められていた。関本は試合終盤、ここぞの場面で登場する。

内野の間をしぶとく破るタイムリーヒットを打ったかと思えば、宿敵ジャイアンツを満塁ホームランで粉砕するなど、数多くの印象深いプレーでスタンドを湧かせた。現役を退いた今となってもタイガースファンにとっては忘れられない選手のひとりである。

先日、とあるトーク番組に何名かのタイガースOBとともに関本が出演していた。司会者が手元に持っていたメモから出されるお題に対し、関本を含むOBたちが答えるという形式で番組は進む。

「現役時代、後悔していることはありますか?」と司会者から聞かれた際、関本はこう答えた。

「後悔ではないですが、あのままホームランバッターを目指してやっていたらどうなっていたのか、自分でもその世界線を見てみたい。」

彼のことを知らない方のために簡単にその背景を伝えておこう。

関本賢太郎は奈良天理高校出身。高校時代は20本のホームランを打ったスラッガー。高校を卒業すると同時にドラフト2位でタイガースに入団した。入団時のインタビューでは「当たればホームラン、という選手になりたい」と語っている。

長距離砲になることを夢見てタイガースの門をくぐった関本であったが、プロの壁は厚い。4年目から1軍での出場機会に恵まれるも、年間でのホームラン数が10本を超えることは無い。入団時に語った「当たればホームランという選手」にはほど遠い成績で年月ばかりが経過する。

そこで彼はホームランバッターになることを諦め、バットを短く持ち、ヒットを打つ確率を上げる打者になることを試みた。モデルチェンジは大成功。その結果が「代打の神様」である。ホームランバッターになることを諦めたことによって、タイガースファンの心に残る選手として現役生活を終えることができたのである。

しかし入団当初に語った「当たればホームランという選手になりたい」という気持ちは、おそらく彼の中にずっと燻っていたのであろう。そして引退後もその思いは拭い切れず「あのままホームランバッターを目指してやっていたらどうなっていたのか」という言葉になったのであろう。


思えば、私が「誰かの役に立とう」「自身のビジネスに役立てよう」とブログを書き始めたのは今から20年近く前のことだ。当初は営業の手法を、そしてオンラインツールの操作方法や活用方法などを、多くの人に共有することで喜んでもらえると考えて数多くの記事を公開してきた。

その後、ありがたいことに書籍を執筆する機会にも恵まれた。オンラインメディアへの執筆を依頼されることもある。そのたびに、私が発信する情報を必要とする誰かのためにキーボードを叩き続けてきた。

しかし、関本賢太郎の言葉を聞いて気付いたことがある。私は、ほんとうに自分が書きたいことを書いたことはあるのか?と。

今や、私は会社員でもない。どこの団体にも所属していない。ということは、炎上してもクレームが来ても全責任は自分にある。私が発信したものが原因で誰かに迷惑をかけることはない。いやちょっとあるか。

なので(大切なお取引先さまにご迷惑がかからないようにだけ気をつけて。。。)ここは自分が本当に書きたいことを綴る場にしようと考えた。

ただ悲しいかな、私の書けるネタは20年前にブログを初めて書いた時から変わらず、営業・SNS、最近は生成AI、そして野球・阪神タイガースである。このあたりの話題を拾いながら「人の役に立つ」ことは一切書かず、自分が書きたいことを思うように書いてやろうと思う。

果たして、再度ホームランバッターを目指したロートル選手は長距離砲として開花するのか、それとも。。。



私のお仕事はこちら
株式会社ウェブタイガー

ScanSnap PerfectGuideBook 増刷になりました!

オーストリアに行ってる間 に、昨年書いたScanSnap PerfectGuideBookの増刷が決まりました。



書店で、ネットで、手に取ってくれたあなたのおかげです。本当に感謝しています。

また、私自身が海外におり動けない状態の中、諸々ご尽力頂いた関係者の皆様には頭が上がりません。ありがとうございます。


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ScanSnap本体と併せてScanSnapPerfectGuideBookもぜひお手元に。。。。



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田村憲孝プロフィール(著書・セミナー実績・新聞雑誌掲載実績など)