辞書的には、自信とは「自分の能力・価値や自分の言行の正しさなどをみずから信じること、また、その気持ち」となっている。
つまり「自信がある」=「自分を信じること」ってことだ。
でも、ひっくり返して、「自信がない」=「自分を信じていない」だとしたら、論理的な矛盾を感じてしまう。
もし「自分を信じていない自分」がいるとしたら、それを眺めている自分は信じられる自分なのか?
自分が2人いないと解決できない矛盾である。
自己分裂とでも言ったらいいのだろうか、これが自信のなさと関係していると踏んでいる。
■なぜ思春期の頃に自信を無くすのか?
誰しも思春期の頃に、自分自身を強く意識するようになる。
思春期の頃に訪れる心理的な変化は次のとおりだ。
思春期の心理的変化
- 異性が気になると同時に、同性との優劣を気にするようになる。
- 先輩後輩の関係が厳しくなり、自分が目下の存在であることを意識せざるを得なくなる。
- 勉強やスポーツで頭角を現す者が出てきて、自分が劣ることを意識するようになる。
- 反抗期になり、レールに乗った生き方をわざわざ拒むようになる。
- 上記のストレスに耐えられなかった人は、「自分は劣等で構わない」と開き直ることがある。
確かに、こんな風に悩んでいると、次第に本来の自分以上に「他者から観察される自分」が重要になるのも分かる気がする。
他者と比較するために自分を客体化し、両者を見比べて、少しでも劣っていたら劣等感にさいなまれる。
これが「自信が無い」の正体なのだと思う。
■自信とはなにか?
ところで、実際の「自信のある人」「自信のない人」って、どういう特徴だろうか。
心理学の論文等を参考に整理してみた。
自信のある人の特徴
- 将来何か問題が起こったとしても、何とか対処していけるという効力感ある言動が取れる。
- たとえ周りの人がその人を疑っても、それに振り回されず、自身の価値観に基づく言動を取れる。
- 周囲にいる色々な人に対して、様々な感情を持っているけど、それをごく自然 なものとして受け入れており、彼らの性格を正すような言動は取らない。
自信のない人の特徴
- 誰といてもどんな時にも、劣等感に悩まされており、周囲の者が気を使わないとならない。
- どんな時でもどんな人といても、自分自身について半信半疑で、決められない、迷ってばかり、後悔する、などが見られる。
- 大勢の人たちの中では間違ったことを言うのをおそれるので、たいていあまり話さない。
- 生活の中での周囲の人たちに引け目を感じており、何をするにも遠慮がちである。
こうしてみると「自信」には「自己肯定感」と「自己効力感」、2つの側面があるように思える。
整理すれば次のとおりだ。
自己肯定感が高く、自己効力感も高い。(自信のある人の特徴1,2)
自己肯定感は低くないが、必ずしも自己効力感が高いわけでもない。(自信のある人の特徴3、自信のない人の特徴3,4)
自己肯定感が低く、自己効力感も低い。(自信のない人の特徴1,2)
自己肯定感が低いが、自己効力感が高い。(該当なし)
■自信は「学習経験」で高まる
自己肯定感さえあれば、努力によって自己効力感を高めることはできる。
下の図はSCCTという理論の図なんだけど、この理論によると自己効力感は「学習経験」次第で高めることができる。
でも、自己肯定感の低い人だと、「学習経験」を積むことすらなかなか難しい。
経験を積むべき自己が分裂しているから、他者と比較するばかりで、学習経験を積む行動は取れない。
無理に経験を積もうとしても、他人から評価される学習経験しかしないから、自分の興味関心を深めることにつながらない。
結果、いつまで経って自信を持つことができない。
■理由なき自信って何?
たまに「俺には理由なき自信がある!」って自慢を聞くことがある。
確かに自己肯定感は高そうに見えるので、嘘じゃないだろう。
でも、自己効力感も高いかと言ったらそうは思えない。
先ほども書いたとおり自己効力感とは、「学習経験」の結果だから、必ず理由があるはず。
もし、その自覚が無いとしたら、思春期前の子どものように、自己が分離していない状態なのかもしれない。
みんなそうだと思うけど、思春期前は理由があろうとなかろうと自信を持っているものだ。
例えば、「これ買ってえ!」と駄々をこねている子どもは、人目など気にしていない。
自信を持って駄々をこねている。
でも大人になったら、例え世界一になっても、100%の自己効力感は持つことはできないのが普通だろう。
例えばオリンピック金メダリストである。
テレビで見る限り、誰も100%の満足に達しているようには見えない。
「まだまだ改善ができる」「もっと高みを目指せる」そのような雰囲気を感じる。
これが自己効力感の世界だと思う。
目標・努力・納得度と自信の関係
みんな子どものころは根拠のない自信があったんじゃないかな。つまり能力があるかどうかと自信があるかはあまり関係ないんだよね。自信とは自分の力を信じる能力のこと。成長さえ実感できていれば、いくつになっても自信を持つことができるんだよね。
— 中村文昭@たいわや代表 (@jvl1S96EYxZz7R0) December 24, 2020
つまり、大切なのは「自分の成長を実感すること」
