辞書的には、自信とは「自分の能力・価値や自分の言行の正しさなどをみずから信じること、また、その気持ち」となっている。

 

つまり「自信がある」=「自分を信じること」ってことだ。

 

でも、ひっくり返して、「自信がない」=「自分を信じていない」だとしたら、論理的な矛盾を感じてしまう。

 

もし「自分を信じていない自分」がいるとしたら、それを眺めている自分は信じられる自分なのか?

 

自分が2人いないと解決できない矛盾である。

 

自己分裂とでも言ったらいいのだろうか、これが自信のなさと関係していると踏んでいる。

 

 

■なぜ思春期の頃に自信を無くすのか?

 

誰しも思春期の頃に、自分自身を強く意識するようになる。

 

思春期の頃に訪れる心理的な変化は次のとおりだ。

 

思春期の心理的変化

  1. 異性が気になると同時に、同性との優劣を気にするようになる。
  2. 先輩後輩の関係が厳しくなり、自分が目下の存在であることを意識せざるを得なくなる。
  3. 勉強やスポーツで頭角を現す者が出てきて、自分が劣ることを意識するようになる。
  4. 反抗期になり、レールに乗った生き方をわざわざ拒むようになる。
  5. 上記のストレスに耐えられなかった人は、「自分は劣等で構わない」と開き直ることがある。

 

確かに、こんな風に悩んでいると、次第に本来の自分以上に「他者から観察される自分」が重要になるのも分かる気がする。

 

他者と比較するために自分を客体化し、両者を見比べて、少しでも劣っていたら劣等感にさいなまれる。

 

これが「自信が無い」の正体なのだと思う。

 

 

■自信とはなにか?

 

ところで、実際の「自信のある人」「自信のない人」って、どういう特徴だろうか。

 

心理学の論文等を参考に整理してみた。

 

自信のある人の特徴

  1. 将来何か問題が起こったとしても、何とか対処していけるという効力感ある言動が取れる。
  2. たとえ周りの人がその人を疑っても、それに振り回されず、自身の価値観に基づく言動を取れる。
  3. 周囲にいる色々な人に対して、様々な感情を持っているけど、それをごく自然 なものとして受け入れており、彼らの性格を正すような言動は取らない。

自信のない人の特徴

  1. 誰といてもどんな時にも、劣等感に悩まされており、周囲の者が気を使わないとならない。
  2. どんな時でもどんな人といても、自分自身について半信半疑で、決められない、迷ってばかり、後悔する、などが見られる。
  3. 大勢の人たちの中では間違ったことを言うのをおそれるので、たいていあまり話さない。
  4. 生活の中での周囲の人たちに引け目を感じており、何をするにも遠慮がちである。

 

こうしてみると「自信」には「自己肯定感」と「自己効力感」、2つの側面があるように思える。

 

整理すれば次のとおりだ。

 

自己肯定感が高く、自己効力感も高い。(自信のある人の特徴1,2)

 

自己肯定感は低くないが、必ずしも自己効力感が高いわけでもない。(自信のある人の特徴3、自信のない人の特徴3,4)

 

自己肯定感が低く、自己効力感も低い。(自信のない人の特徴1,2)

 

自己肯定感が低いが、自己効力感が高い。(該当なし)

 

 

■自信は「学習経験」で高まる

 

自己肯定感さえあれば、努力によって自己効力感を高めることはできる。

 

下の図はSCCTという理論の図なんだけど、この理論によると自己効力感は「学習経験」次第で高めることができる。



でも、自己肯定感の低い人だと、「学習経験」を積むことすらなかなか難しい。

経験を積むべき自己が分裂しているから、他者と比較するばかりで、学習経験を積む行動は取れない。

 

無理に経験を積もうとしても、他人から評価される学習経験しかしないから、自分の興味関心を深めることにつながらない。

 

結果、いつまで経って自信を持つことができない。

 

 

■理由なき自信って何?

 

たまに「俺には理由なき自信がある!」って自慢を聞くことがある。

 

確かに自己肯定感は高そうに見えるので、嘘じゃないだろう。

 

でも、自己効力感も高いかと言ったらそうは思えない。

 

先ほども書いたとおり自己効力感とは、「学習経験」の結果だから、必ず理由があるはず。

 

もし、その自覚が無いとしたら、思春期前の子どものように、自己が分離していない状態なのかもしれない。

 

みんなそうだと思うけど、思春期前は理由があろうとなかろうと自信を持っているものだ。

 

例えば、「これ買ってえ!」と駄々をこねている子どもは、人目など気にしていない。

 

自信を持って駄々をこねている。

 

でも大人になったら、例え世界一になっても、100%の自己効力感は持つことはできないのが普通だろう。

 

例えばオリンピック金メダリストである。

 

テレビで見る限り、誰も100%の満足に達しているようには見えない。

 

「まだまだ改善ができる」「もっと高みを目指せる」そのような雰囲気を感じる。

 

これが自己効力感の世界だと思う。

 

 

目標・努力・納得度と自信の関係