誤解を恐れずに言えば、日大アメフト部事件みたいなことは会社なら珍しくない。社長が営業成績の上がらない支店長を叱責する⇒支店長が社長の言葉を使い営業担当を叱責する⇒追い詰められた営業担当が詐欺行為や不法行為をおこす・・・、ありがちな話である。
■どうしてマスコミが介入すると堂々巡りになるのか
それにしてもマスコミってのは、いつもそうだけど、的外れなところがある。
基本的なことだけど、人は信用していない人には本音を語らない。
「盗人にも三分の理」ということわざのとおり、どんな悪事を働いた者にも、それなりの理由があって、それを受け止めない限り、どうしてこういうことをしたのかその意図を聞き出すことはできないものである。
こういうアプローチをマスコミが取れないのは分かるけど、だからと言って本音を語らない人を嘘つき呼ばわりするのはテレビショーとしては面白いけど、やられている側にしたらやるせない気分だろう。
それからもうひとつ言えば、これは意図的だと思うけど、組織の力学を無視している。
マスコミは「極悪非道な監督が二十歳の若者を犯罪者にした」という方向にまっしぐらだけど、そんな簡単な話じゃないからなかなか真実は明るみにならないのである。
■組織力学で考えると日大アメフト部事件の内幕が推測できる
冒頭にも書いたけど、日大アメフト部事件みたいなことは会社なら珍しいことじゃない。
組織マネジメント(共通目的があってPDCAサイクルを回すこと)のできていない組織が激しい競争環境に置かれたらいつでも起こり得ることである。
日大アメフト部の組織構造もどうやら多くの企業と同じいわゆるピラミッド組織のようだ。
トップが理念(日大アメフト部の場合あったかどうか知らないけれど・・・)を掲げて、ミドルがそれを噛み砕いて下に伝え、担当者が具体的手段を考え実行する組織である。
このような組織構造の場合、トップ→ミドル→担当者と指示が降りてくる過程で、組織文化というバイアスがかかり、指示内容は微妙に変化する。
事の発端であるトップの言葉は自身の理念をちょっと極端に表現したに過ぎないかもしれない。
でも、それを聞いたミドルはトップの意図を拡大解釈した上でおかしな命令を部下に下し、担当者はさらに大げさにとらえてしまう。
実は多くの組織トップは理念をしっかり言語化できておらず、理念が伝わらないもどかしさから、極端な表現をすることは珍しくはない。
いつも1+1=1と間違えているメンバーをただすため1+1=3だと方便を使うといった具合である。
もちろん1+1=3は間違っている。こういうことは方便だろうとなかろうとしっかりとした理念の持ち主なら言ったりしない。
組織哲学や教育哲学の持ち主であれば、傷害事件につながるような方便は出てくるのおかしいのである。
まっ、もちろん、トップがおかしな指示を出したとしても、真っ当な組織であるなら問題行動に直結することはない。
おかしな組織行動が発生するのは、組織文化そのものがおかしいからである。
組織とはトップの理念の増幅器の面があるのだから、最終責任はトップでしかない。
結論的にはマスコミと同じになったけど、中身はぜんぜん違うと思う。
マスコミのやっていることは昔の時代劇みたいな勧善懲悪ドラマを作り上げることでしかない。