珊瑚海海戦の米重巡

 

 前回、米海軍の空母と駆逐艦を紹介しましたので、今回は 重巡洋艦を紹介します。

 この海戦では、米機動部隊の空母護衛として、5隻の重巡、ニューオーリンズ級「ニューオーリンズ」「ミネアポリス」「アストリア」、ポートランド級「ポートランド」及び ノーザンプトン級「チェスター」 が、参加していました。

 

ニューオーリンズ級

 そこで、珊瑚海海戦の米艦隊を再現するために、これらの重巡を揃えることが必要でした。

これらの中で、ニューオーリンズ級は、ピットロードとトランぺッターからキットが出ています。

 私は、このうち、トランぺッターの「ニューオーリンズ」とピットロードの「アストリア」(本当は
同型艦ビンセンシスの小改造)を作りましたが、キット自体は同じでした。多分、ピットロードのキットをトランぺッターがOEM販売しているようです。

 完成した「ニューオーリンズ」の写真はこれです。

トランぺッター「ニューオーリンズ」1/700

なお、「ミネアポリス」は Talonさんが作ってくれました。

 

ポートランド級「ポートランド」重巡洋艦

 さて、ニューオーリンズ級はピットロード社の頑張りで揃えられましたが、問題は、重巡ポートランドとチェスターです。最初は、この二艦は無視しようかと思いましたが、なんとかならないかと調べて見ました。

 ポートランド級は、「ポートランド」の他に「インディアナポリス」(この二艦のみ)がありこれは、タミヤがキット化しています。ならば、インディアナポリスを元に偽装を変えれば、ポートランドみたいにできるかもと思って改造を始めました。参考文献としては、艦船模型スペシャルに掲載されていたレジンキットをベースにした「ポートランド」の作例紹介を使用しました。


 当初、艦体は同じで、上部構造物も砲、煙突レイアウトが同じなので、何とかなるだろうと思っておりましたが、大変なことが分かりました。確かに砲と煙突は同じでしたが、前部艦橋、後部射撃指揮所、観測機カタパルト等、ほとんど異なっています。
基本的に、米海軍艦艇は、1943年暮れから1944年にかけて、艦艇の上部構造物をほとんど新規構造に変更しており、1942年型と1945年型では、別の船かと思うくらいに異なっています。

ここに、タミヤの「インディアナポリス」のインストに記載されている図を示しますが、ここからの変更点を記載して見ますと後部の煙突から射撃管制塔にかかる部分の形状変更、水上偵察機のカタパルトを2基に増設、前部艦橋の形状変更、これに合わせて、マストの立て方も完全に変更です。


 あと、当時の写真を集めて、細部はともかく、雰囲気が似るように作ったつもりです。

 完成した「ポートランド」の写真を上げます。

 

「ポートランド」という重巡は、その戦歴は太平洋戦争時は珊瑚海海戦から、一環して空母のエスコート艦として活躍しており、タミヤがキット化した同型艦よりかなり華々しいです。しかし、原爆を輸送した帰りにイ号潜水艦に撃沈された「インディアナポリス」に日本での知名度は完全に負けてしまってますね。

 

ポートランドはここまでです。次回は、ノーザンプトン級の話をしましょう。

よろしかったら、また付き合ってください。