ここでお開きでは、なにも進展ないじゃないよ!
チャム起きてよ!喋れないのがもどかしい!どうにか起こさなくては!そうだ!私は持っていたうちわをパタパタ音をたてて仰いでみた。
《ふぁ〜。》
起きた!チャムは手の甲で目元をこすっている。
よかったぁ。危機一髪?目を覚ましてくれた。
《はぁ〜眠いわ〜。らって(だって)、先輩と藤堂は自分らの中学時代の話だしぃ〜。風花と光は『相田舞歌』の話だしぃ〜興味ないから眠ってたわ〜。はれ?お開き?藤堂って、資料によるとで頼りがいはあるけれど、どこか抜けていて、気が利かないのが玉にキズだって。ごめんごめん。一旦。この空間の時間を止めるわ〜。トイニーストップ!》
というと。さっきまで動いていた辺り一帯がまるでTVの録画の再生画面が一時停止のようになった。
「チャム、私、話してもいいの?」
「うん。この空間で動いてるのは私と風花だけだからね。大丈夫。」
「チャム!あなた!肝心な時寝ないでよ〜!」
チャムは照れくさそうに頭をかいた。
「ごめん!ごめん!事務局にしれたらどやされるとこだけど、居眠りしちゃったからお詫びに、少しだけ細工してあげる。」
「そんなことできるの?」
「うん。てか?本当は許可なしではできないのだけどね。ちょうど上では…あ。事務局ね。交代時間で引き継ぎが行われてる時間なのよ。見張り…いえ?管理…がゆるくなっちゃってる時間だからぁ!ついつい、この時間は気がぬけちゃってね。いねむりしがちなんだわ。なので、ベテラン天使ともなるとこれはよくやってること。私くらいのエリート天使になると容易いことだわよ!」
と。胸を張って自慢気に話している。
なんとも滑稽だこと。エリートって言ってるわりには、大事な持ち物忘れてたのはどこの誰だろう…。とは思ったけど、ここは言わせておこう。
だけど…大丈夫だろうか?みつかったらそれこそ、ゾンビやダンゴムシにさせられるのでは?
「いや、やっぱいい…」と断りかけたその刹那。
「プチミニチビット〜トイニーリバース」と
何やらチャムが呪文のようなものを唱えた。
巻き戻しされたようにちょっと前の場面からスタートしていた。
せっかちな天使め!
そしてチャムは私の横ではなく、藤堂さん右肩に浮いていて、耳打ちしてるようにみえる。
私以外はチャムの姿や声は視えないし、聴こえないのよね?
何してるんだろう?
「そろそろ、お開きにしようか?…それで。有田、連絡先教えてほしいわね。私のを教えとくわ」
え?怖っ!藤堂さんがオネェ口調になっている!もしかして…チャムったら藤堂さんに憑依してんの?天使なのに?これじゃぁ!ゴーストじゃない?だけど、チャムの姿は藤堂さんの肩越しに居る?瞳が虚ろ?魂。いえ?霊?なの?肉体は抜け殻のようには視えた。
それに口調くらい変えなさいよ!ベテラン天使だなんて、おっちょこちょい天使
先輩も光も啞然としてるのでは?
先輩は突然の出来事に絶句してる?
つづく