<妙なるたわ言(3)「スローペース」について>
「スローペース」と聞いて、ロンシャン競馬場における凱旋門賞での前半のレース運びを思い浮かべる人は、そう多くないだろう。レース展開のペース配分なら、ジョッキーに任せておけばいい。それにしても残念だったな、ディープインパクト。天高く馬肥ゆる秋。空高く馬超ゆる秋。ああ、天馬のごとき君なりき。
昨今、「スローフード」「スローライフ」なる、スローペースな生き方がささやかれている。
たとえば不動産屋の物件で、駅から5分とある。こういう場合、実際には8分かかる。わたしの足なら15分は堅い。これはただのスローモーションであり、単なるマイペースに過ぎない。
わたしの足といえば、かかとのガサガサが気になる季節となった。昔は軽石でゴシゴシこすったものだが、あたらやわ肌を傷つけるばかりだ。「過ぎたるは及ばざるがごとし」
夏ごろから、長期戦で立ち向かうことにした。入浴の際にやわらかめのボディタオルで、いつもより少しだけ多くかかとをなでる。10回くらい。そうやって足のウラ全体もマッサージする。1ヶ月ほどで変化があらわれたので驚いた。
「継続は力なり」古人はうまいことを言う。何事も日々の小さな積み重ね。ゆっくりゆっくりあわてずに。
「なぜ急ぐ、昔はみんな歩いてた」現代人もうまいことを言う。
今後はおしりのセルライトに挑戦しようかと思う。果たして効果が出るのは半年後か1年後か?はたまた3年後か10年後か?10年もすれば観念し、というよりは達観し、霜降りおしりにも愛着がわくしれない。どっちみちソンはない。
牛ならば、霜降りの肩ロースは上等品とされている。
ごはんを食べるのが遅いのを、「スローフード」とは言わない。そういうのは、「のろい」と言う。以前食間に飲む薬を、ごはんを食べている途中に飲んでいたことがあった。「食間」を、「食事をしている間」と勘違いしたためだ。そんなズレた間抜けさ加減は、「スローライフ」の一環と言えないこともない。
ではおしまいに、本日の一句。
ステーキハウスにて。「BGM ロースなブギにしてくれ」 返句。とんかつ屋にて。「BGM スローなブヒにしてくれ」 心なしか意味不明。
正しくは、「スローなブギにしてくれ」 Song by 南佳孝。Book by 片岡義男。
次回もヨロピクピク。
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