カプコンは,(以下ロスト プラネット)の大型アップデートを2007年8月17日に行うと発表した,ドラゴンクエスト10 RMT。その内容は多岐に及んでいるが,今回では,カプコンとNVIDIAが開催した,アップデートの技術的なポイントを解説する事前説明会に参加したので,カプコンの開発者自ら説明する新フィーチャーのポイントをレポートしたいと思う,DQ10 RMT。ゲームプレイに関するアップデートについては,ぜひを併せてチェックしてほしい。■DX10ではビジュアル表現とパフォーマンスが向上 ■ジオメトリシェーダを利用した新しいエフェクトが追加に  さて,今回のアップデートで追加されるのは,DirectX 10版ロスト プラネットのビジュアル表現およびパフォーマンスの向上だ。 まずビジュアル表現についてだが,カプコンの第二制作部 ソフトウェア制作室 プログラマーで,今回技術面の解説をしていただいた石田智史氏いわく,「DirectX 10ではビジュアルが劇的に変わるといわれていますが,実際には,“DirectX 10でできること”の大部分はDirectX 9でもできます」。 では,DirectX 10でしか実現できないことは何かというと,ジオメトリシェーダを利用したエフェクトと,GPGPU(※GPUに汎用計算をさせること)としての用途であり,ロスト プラネットでは前者を利用していると同氏。そして,製品版で実装されている以下のエフェクトについて,DirectX 10ネイティブのものを追加した改良版が,アップデートで実装されるという。●モーションブラー DirectX 10ベースモーションブラーのイメージ。(1)ベロシティマップを作成し,(2)ベロシティ方向にジオメトリシェーダでラインを生成して,(3)それをアキュムレーションバッファに加算合成,(4)さらにイメージベースのブラー画像と合成する 順に見ていこう。ロスト プラネットが採用しているモーションブラー技法「2.5Dモーションブラー」に関しては,連載「西川善司の3Dゲームエクスタシー」のバックナンバーが詳しいのでぜひ参考にしてほしい。 従来の2.5Dモーションブラーは,「シーン内の3Dキャラクターが,前回位置から現在位置までどう動いたか」の情報を基に頂点を引き延ばしてブラー処理を行う,頂点ベースの処理だった。 これに対して今回のアップデートで導入されるのは,ベロシティマップを参考にしてラインのジオメトリを生成し,それをアキュムレーションバッファに積み重ねて,ベースのイメージと合成する手法
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