南アフリカのプラチナ鉱山におけるストは賃上げで終息したが、今後のプラチナ価格はどうなるか?単純に考えるとコストアップになるため、プラチナ価格は堅調な動きを示すと予測する。さらに、工業品需要としての伸びが価格の下支えになる。プラチナも価格が上昇しすぎると代替材料の開発が盛んになり、需要が減少することになる。
では、鉱山会社はどのような戦略にでるのだろうか?人件費のアップはプラチナ価格が上昇しなければ負担できないわけである。今の従業員を全員雇用し続けるだろうか?鉱山会社は徐々にではあるが周辺諸国からの労働者に置き換えていく可能性が高い。周辺諸国からの労働者の賃金は、南アフリカの黒人より賃金コストが抑えられるからだ。
南アフリカで賃金引き上げを求めていたのは黒人が中心である。黒人が人件費引き上げを目的にストを実施することは短期的には賃金が上昇するものの、長期的には自ら雇用機会を失う結果を招くのである。
南アフリカの高い失業率は、賃金引き上げを求めれば求めるほど上昇を招くのである。
南アフリカの賃上げスト妥結で、プラチナ価格が上昇するという見方は短絡すぎると言える。今後周辺諸国からの労働者は今以上に増加することだろう。単純作業は周辺諸国の労働者によって占められるだろう。
故マンデラ大統領により黒人の地位は向上したが、雇用環境は劇的に変わったとはいえない状況にある。地位が向上した南アフリカの黒人は、その引き替えに低賃金の労働環境を失ったのである。失業者の大半は黒人であり、失業率を上昇させている。
ストは終わったが、高い水準にあるプラチナ価格がさらに上昇するだろうか。良くて現状維持とみるべきである。今後は徐々に下落することになるだろう。
商品取引員が金売り、プラチナ買いを勧めてきたら、ためらわずに、その逆の注文をすることだ。金買い、プラチナ売りで問題ない。
Android携帯からの投稿