V.マンスキー監督『太陽の下で ―真実の北朝鮮―』を観た。

 

 

8才のジンミは模範労働者の両親とともに平壌ピョンヤンで暮らしている。彼女は限られたエリートのみが入団を許される「朝鮮少年団」に入団し、ダンスの練習に余念がない。エリートの娘を持った両親は仕事仲間からの祝福を浴び、まさに"理想の家族"の姿がそこにはあった。しかし

 

映画は総合芸術である、とはかの淀長さんの言葉だが、その意味で行くとこの作品は、映画を作るとはどういうことかを追求することが、そのまま、国家とは何かを追求することにつながっている作品だと言えよう。

冒頭、台本が北朝鮮当局から渡されたものだというテロップが流れるのは印象的だった。

 

朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は言わずと知れた社会主義の国だが、実はそれ以上に民族主義の国、階級社会でもある。

パンソリなどの民族舞踊、キムチなどの伝統文化を重んじたシーンやセリフなどが鏤められている。

同時に北朝鮮は強烈なメリトクラシー(業績主義)の国、儒教的な家族主義の国でもあり、その点は今の日本とも一脈通じるところもある。

儒教的な礼節(長幼の序など)が重んじられ、目下の者は目上の者に常に礼節を尽くさねばならない。

主人公の少女もそうした中で懸命に生きようとしている、ひとつのエリート家族の一員である。

彼女は晴れて少年団の狭き門を潜るが、次第にその重圧に耐えかねて心を疲弊させていくのが画面から伝わってくる。

一つの国家あるいは映画が、一人の、それも少女をどのように圧迫していくかが、そこには見て取れる。

たとえエリートの出身であっても、僅かな傷があれば、いつでも転落の罠が待ち構えているのである。

そういう意味で、北朝鮮の社会は日本の社会と頗る共通点がある。

 

こう言えば、「日本には言論の自由がある」とか「思想・信条の自由がある」という声も聞こえてくるかも知れない。

だがそれが恒久的なものである確証はどこにもない。

現に今進行中の参院選の情勢は、北朝鮮のような体制=全体主義が、日本にとってもそう遠くない時期に来るかも知れないことを如実に示しているのではないだろうか。

カルト宗教の後援を得て躍進する政党がほとんど無批判にメディアの注目を浴び、他にも改憲を標榜する政党が少なくないという、この情勢を見れば。

 

 

 

 

 

なんか、ずっとゲームのシナリオシーンを見てるような感じだった。

 

語り続けられる名作が新たな「ドグラ・マグラ」として帰ってきた!

「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも称される、狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。“日本一幻魔怪奇の本格探偵小説”とうたわれた、多くのファンを持つ歴史的一大奇書が遂にSF・CGアニメーションとして映像化!


【見どころ】

CGアニメーションで「独白するユニバーサル横メルカトル Egg Man」や「都市伝説物語 ひきこ」など、話題の作品を作り続けてきた奇志戒聖監督最新作。
夢野久作原作「ドグラ・マグラ」を独特の切り口で、SFのアレンジを加え宇宙を舞台に、CGアニメーションとして新しい世界に仕立て上げた。

さらに声優陣には、アニメ・報道・映画と幅広く活躍する小原雅一や「サザエさんのノリスケ役や「ドラえもん」ののび太のパパ役などを勤める松本保典、「たまごっち!」のちゃまめっち役の儀武ゆう子など、一流のキャストが集まった。


【ストーリー】

物語は「私」が病室で目覚めるところから始まる。

「私」には一切の記憶がなく、また自分の顔にも見覚えがない。
隣の病室では美女が眠っており、医者によると自分のいいなずけらしい。
「私」の過去の記憶、そして過去に起こったらしい事件を巡り二人の医師、若林と正木は滔々と語り始めるのだった。

「胎児の夢」とは、「狂人の解放治療」とは?
(原作のまま)