ザ・ファーム
トム・クルーズの同名映画にあらず。
あちらのファームは「会社」の意味だが
こちらのファームは「フーリガン集団」の意味。
無名時代のゲイリー・オールドマン主演のテレビ映画。
なんと不動産会社の社長で、スーツの似合う紳士である。
そんな男がワールドカップ目前
「このままじゃ他国のフーリガンに負けちまう!
イングランドのファームは俺がシメる!」などと言い出すもんだから
「それはいいけどお前がリーダーは気に食わん」
「だったら戦争じゃあああ!」
と喧嘩をおっ始めるのであった。
ザ・フーリガン
ド直球なタイトルだが、原題は「I.D.」である。
凶悪なフーリガン逮捕のため、ファームに潜入した捜査官だが
次第に誰よりも狂暴なフーリガンになっていく・・・という
潜入捜査官ものの定番パターン。
主人公の行動を案じた警察は、別件でファームを一斉検挙。
梯子を外された形の主人公は・・・ラストシーンが印象的。
一時期マルーン(ワインレッド)のMA-1が流行ったが
この映画の影響かもね。
イギリスではカルト映画らしいが、日本ではDVD未発売・・・。
フーリガン
いやもっとタイトルひねれよ配給会社も・・・
という感想がどうでもよくなるくらい素晴らしい映画。
主人公がアメリカ人でフーリガンのことを良く知らない、
という設定がフーリガン初心者(?)にも優しい映画である。
気弱なアメリカ人主人公がイギリスに渡り
姉のもとに身を寄せるが、親戚はファームのリーダーだった。
次第に主人公もフーリガン活動に生きがいを見つけて・・・。
「ザ・フーリガン」と似たプロットだが、見終わった感想はまったく別。
フーリガンを「絶対悪」ではなく「必要悪」として描くあたり
日本の任侠映画にも通じる作風。
今回紹介した映画でどれを見るか、と言えば絶対コレ。
フットボール・ファクトリー
コカインと喧嘩に明け暮れる、高田延彦似の男が主人公。
ファクトリーもファームと同じく、フーリガン集団のこと。
主人公は敵対するファクトリーにボコボコにされながらも
一命を取りとめ、人生について考える・・・というお話。
実話がもとになっているそうだが
生々し過ぎてあんまりカッコよくないのよ。
登場人物オッサンばかりで地味だし
コカイン吸って暴れる馬鹿に共感できないしね。
抽選で対戦チームが決まった瞬間に喧嘩が始まったり
クスっと笑えるところはある。
観る機会があれば・・・ってとこ。
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最後にまったくの余談だが、2002年ワールドカップのころ
警備員だった僕はフーリガン対策として
ブリティッシュパブに派遣されたことがある。
彼らはみな陽気で紳士的であったことをつけ加えておこう。