続・忠臣蔵の映画をひたすら観る | STUDIO 67

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ブルースとプロレスと、ほんのわずかの愛だけで生きていくBLOG

前回 の続きです。
先日泉岳寺に行ったんだけど、海外の参拝客が多くて驚きました。
やはり47Roninの影響かな?
今回、やっと見ることができたので、その作品を含んだ感想を。

忠臣蔵 花の巻・雪の巻(62年・東宝)
以前から気になっていた作品ですが、加山雄三が浅野ということで
食指が伸びなかった・・・が、これが以外にハマリ役なんです。
愚直で不器用。いかにもカッとなって刃傷沙汰を起こしそう。

大石役は先代・松本幸四郎。
この人は初代・長谷川平蔵を演じていたので
討入り装束を着るとまんま火付盗賊改メにしか見えない。
鬼平ファンとしてはポイント高いです!

あと、意外に描かれることが少ない「朝廷からの御勅使」が
しっかりと描かれており、これがまた見るからにアホで
浅野はこんな奴等のために腹切らされたのか・・・と
切なくなることうけあいです。

そして伊福部昭の音楽。
このおかげで、一見地味な場面もスリリングに
見えてしまうのだから音楽の力は凄いよなあ。

寺坂が病気で討入りできず四十六士だったり、
東下りがアレンジしすぎだったりと色々ありますが、
討入りも迫力があっておすすめの作品。
海外での評価も高いようです。

 

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忠臣蔵 1/47(02年・フジテレビ)
キムタク主演ということでどうしても色眼鏡で見てしまうが、
キムタクそのものはさほど気にならない。

気になるのは「武士とは」「あれこそ武士」「俺は武士だ」と
事あるごとに連呼される武士道精神。
セリフで伝える武士道の薄っぺらいこと。

あと、堀部安兵衛が若いくせに妙に人生を達観しちゃってます。
決闘に一度参加しただけで、剣の達人気取りです。
そのくせ、初めて会った赤穂の筆頭家老にはタメ口
このとっ散らかったキャラクターはすべて脚本のせい。

刃傷とか大事なシーンは短く、タクアンを食べるシーンは長い。
討入りもキムタクのアップばかりだしなあ。
忠臣蔵の概要はつかめるが、別にこの作品でなくてもいい・・・
そんな感想です。

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最後の忠臣蔵(10年・ワーナー)
これは忠臣蔵本伝ではなく、討入り後に生き残った
二人の浪士を描いた外伝。
それでいて最後まで見るとしっかり忠臣蔵という作品。

あの「四十七人の刺客」と同じ原作者とは思えないほど、
しっとりと優しい雰囲気で、派手な斬り合いもない。
ただただ役者の演技に酔う作品ですね。
他の忠臣蔵を見た後に見るのがおすすめ。

 

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47Ronin(13年・ユニバーサル)
出た!忠臣蔵ファンが避けて通れない怪作!

舞台はおそらく日本。八ツ目の怪物が城下を襲い、
天狗が山奥に暮らしている国。

長門の国の大名・キラ(何故かカタカナで書きたくなる)は
隣接する赤穂の国を手に入れるために、妖術使いのミズキを使い、
赤穂の大名・アサノにショーグンの前で自分を襲わせるという
まわりくどい計略をしかけます。
(ショーグンを妖術で操ったほうが早くね?とか考えたら負け)

計略は図に乗りアサノはセプクを命じられ、赤穂の国とその姫は
キラのものとなった。

かつてアサノに命を救われた奴隷のカイ(キアヌ・リーブス)は、
生き残ったオーイシ(真田広之)たちとともにアダウチを決意する。
だが、ミズキの妖術を打ち破るには、山奥に住むという
天狗の剣が必要なのであった・・・。

嘘だと思うでしょ。本当にこんな話です
原作・忠臣蔵というべきファンタジー映画。
逆にそう割り切れば、これはこれで全然アリ。
少なくとも、角川映画の「里見八犬伝」が好きな人なら問題ない
(そういえば、あっちも主人公は真田広之だった)。

 

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最後に今まで見てきた中で、ベストの作品を年代順に挙げるなら
「忠臣蔵」(58年・大映)
「赤穂浪士」(61年・東映)
「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」(62年・東宝)
「忠臣蔵」(85年・日本テレビ)
「四十七人の刺客」(95年・東宝)

を挙げたいと思います。

ああでもまだ見たい忠臣蔵がある・・・機会があれば、また。