彼女と出会ったばかりにどれだけの不幸が生まれたことか?
そんな、男子の報われない努力を見てあげてほしい。
今日から、4日連続でアップします。
少々長いですが、楽しんで‥
いや、涙を拭くバスタオルの準備を‥
「不憫すぎる男子の物語」
主人公のブラックR子
それは超絶美人で超ブラックな女性。
日本語で言えば、真っ黒R子。
この物語は、そんな彼女と一瞬でも人生を交錯させた男子達の悲しいラブストーリーである。
いたいけな男子達の悲劇が無くなる事を祈り、
また、既に被害にあった男子へのレクイエムとしてここに記す。
「第一話 R子誕生 台湾紀行編」
当時大学生だったR子、
体は華奢だったが美人でスポーツウーマン、当時から逃げ足だけは速かった。
彼女は裏表が無い性格で、男子にも女子にも人気者、いつも仲間の中心にいた。
相当強気ということ以外、普通の女子だった。
その容姿もあり、ラブレターをもらっては、 ちぎっては捨てちぎっては捨て、撃沈した男子は数知れず。
一説には、既にこの時214名の被害者がいたらしい。
「ハァ〜っ、そんな顔して何言ってんの?」
イケメン好きである。
この毒舌に、一撃でボロボロにされ去って行く男子。
それでもと食い下がり、ズタズタにされ廃人になる者。
どっちにしろ、ズタボロされる運命だった。
本人は被害者の気持ちなど一向に介する事も無く 、
「私、何やってもモテちゃうのよね、ウフフ‥❤️」などと、たわけな気持ちで一杯だった。
その頃、台湾から日本に留学していた郭、
頭脳明晰、イケメンと女性に不自由はしていない。
ちょっとはできる男子だった。
何を間違えたのか日本でR子と出会ってしまったのだ。
友人達と食事などに行きながら、何の屈託も無く笑顔で素直に毒を吐くR子に魅かれていった。
元々M気があった郭には、その突っ込みが心地よかった。
「ハァ〜っ、何言ってんの?」
容姿端麗、男子にとっては性格超悪、極悪非道…
元々、M男な郭には彼女にあがらう術などなかった。
幾多の恋愛を経験している郭とはいえ、
R子にとっては赤子の手を捻るより簡単な事だ。
ある日、一大決心をした郭は「僕と結婚してください」
当然、彼女の返事はそっけなかった。
「ハァ〜っ、何それ、無理!!」
郭は、彼女の魅力に益々惹かれていった。
若気の至り‥郭にもう少し女性を見る目があれば...ここであきらめていれば、 これ以上のズタボロ悲劇を招く事はなかったのだ‥
一度R子に断られたにも関わらず、あきらめきれずに悶々としていた頃、 あるプランが浮かんだ。
プランBだ。
「もっと僕の事を知ってもらえれば、きっと...」
これは自殺行為だ‥止めるんだ〜郭
「R子さん、一緒に台湾に旅行に行きましょう、チケットは私が用意します」
彼女は、「はーっ、それ無理!!」 それでもあきらめきれない郭は、なおも食い下がる。
「全て私が準備します、ただの旅行だと思って下さい」
まー、お金いらないしー、旅行好きだしいっか〜
「オッケー❤️」
健康な男子との旅行‥何も起こらない方が不思議だ。
それでもR子は、素直に郭の言葉を信じた。
それは、自分に都合の良い様に解釈するR子気質の特徴でもあった。
「何かしやがったら、しばいたるからな‥❤️」武闘派でもある。
台北国際空港に着いた時、
郭の親族が彼女を出迎えた。
「ハァ〜っ、何これ?、私はただ旅行しに来ただけなのに‥」
戸惑いを感じつつも、親族の前ではしおらしく振る舞うR子。
自宅に着くと、大宴会が始まった。
跡取り息子に嫁が来ると、ますます盛り上がる親族。
その夜、泊まりはホテルと言われた。
自宅のお風呂が壊れているという理由だった。
こんな見え見えな嘘をつかなければならないほど、郭は追いつめられていた。
ホテルで郭は懇願した。
「何もしないから、 一緒にいさせてください」
郭はやる気満々だった。
一週間前からスッポン、高麗人参、マカ98%とありとあらゆる栄養剤を飲んでいた。
もちろん健康な男子が溜まりにためた、張り裂けそうな気持ち‥
そんな郭にはお構いなしに、
彼女は、親族のいない場所で遠慮無し、躊躇無しに言い放った。
「ハァ〜っ、何言ってるの。わけわかんない〜、早く帰って!!」
もしかしたらと淡い期待...しかし相手はR子。
期待が絶頂に膨らんだ男子に対して、言い放つその言葉はあくまで毒、
満身創痍、彼は奈落の底に落ちて行った。
翌日、何事も無かった様に元気に「おっはー❤️」
それでも台湾巡りをしながら、チャンスを待つ不屈の郭。
今晩こそ、今晩こそはと‥
帰国の日が近づいて来た。
郭はあせっていた。
このままではR子は帰ってしまう。
この時、プランCを実行に移したのだ。
飛行機のチケットがとれないことにしよう。
そうすれば、彼女はまだ台湾に居てくれる‥
郭よ、子供の発想か‥?
「ハァ〜っ、早くチケット取ってよ、私は忙しいの!!」
あまりに悲しい‥彼にはもう周りが見えなくなっていた。
プランDで、何とか逆転を‥
しかし、ここで力尽きたのである‥
そこまで、彼を追い込んだのは誰か‥言わずもがなである。
それっきりである。
今、彼はどうしているのか?
もし、生きていてくれたなら‥
不憫な男子に幸多かれ‥涙
To be continued