1階にある殆んどのガラスが砕け、庭にはその破片が一面に散らばっている。
外にある物置の引き戸は、中に折り曲げられるほど破壊され、ビリビリに引き裂かれた洗濯物があちこちに散乱していた。
祖母・キヨのために増築された部屋へは、外の階段から上がったのだろう。
階段の先にある木製のドアには、無数の窪みと、いくつかの穴が開いているのが見える。
ドアの横のガラス窓も、無残に砕け散っていた。
そして、線状の傷を残した鉄製の玄関の前には、ずっしりと重たい刃のついた斧が投げ捨てられていたのだ。
その斧は、亡き祖父が、父に譲り渡したものだと聞いた事がある。
父の姿がない・・・。
ー どこだっ! ―