どうもギャンブルのスタンスがぶれているような気がする。

賭け金も柔になっているが、姿勢が悪過ぎる。

潔くない。

簡単にいえば、みみっちいのだ。

メインレースで外れ、頭に血が上り、近くのサラ金のキャッシュディスペンサーで金を借り、最終レースにズドン!

気がつけば、メインより賭け金が多い。

結果、がっぽり儲かる時もあれば、さらに恥の上塗りをすることもあった。

後者の方がむしろ多かっただろう。

帰りの電車では、きっと<寄らば切る>という顔だったに違いない。

ただ、あの頃は充実していた。

手応えがあった。

格闘していたな、そんな気がするのだ。

もうあんな賭け方はできないのだろうか。

金が惜しいのか?

そんなはずはないのだが・・。

確かにあの頃は、脇目もふらず、週末になれば錦糸町へ行っていた。

金曜の夜、飲み屋で競馬新聞を読む時間が至高の瞬間だった。

「これしかない!」

そう思えば、躊躇なく突っ込んでいた。

夢の錦糸町であった。