『私さ、寝る前に薬飲まないと寝れないんだよね~。19歳の時から飲んでる。結構さ、寝る前の薬多くてさ。めんどい。笑』

『どうして眠れなくなっちゃったの?』

そう聞いてきたあなた。

理由は、答えられない。

小さい頃に、虐待されて夜怒られて寝かせてもらえなくて未だにそれが原因で寝れなかったり、怖い夢でうなされたりするなんて、言えない。

大学入って、大学院の博士課程にいるあなた。

社会に適応できなくて未だにフラフラしてる私。

同い年でも、雲泥の差。

まっとうに、真面目に過ごしてきたあなたには、私の過去なんて話せない。

嫌われたくないから。

過去は過去。
でも、思い出してつらくなることもある。
苦しくなることもある。

いつまでこんな薬飲まなきゃいけないの?

こんな薬飲まなきゃ眠れないの?

なんて、うんざりする日もある。

自殺未遂で救急車で運ばれたこともあった。
傷が深くて後遺症が今でも残ってる。
何だかんだとトータルでこの数年で輸血も10パックはした。

そんなこと、言えない。

過去をあえて話さないことで、あなたの前では、普通の女の子でいたい。

私の憧れ。

普通の女の子。
普通に働いて、普通に恋愛して。
普通に結婚して。

これ以上命を縮めたくない。

普通に生きていきたい。

過去は忘れることはできないけど、なかったことにもできないけど、あなたに話すことはきっとない。

あなたは、『普通の女の子』と一緒にいるんだから。

私も、そうすることで『普通の女の子』になれるんだから。


恋セヨ乙女。

恋スル乙女。

悩メル乙女。