慢性膵炎一歩手前の在宅ライター・コティマムです。
膵臓を痛めるに至った「真のストレス」について闇を吐き出しています。
昨日書いた
最高すぎる在宅ライターアルバイト
↓の続きです。
条件が良すぎる在宅ライターの
アルバイトを始め、
育休・産休まで取ったコティマム。
しかし育休中に、
この部署はなくなってしまいました
実質4ヵ月しか働かずに
育休に入った私ですが、
どんな仕事をしていたのか記しておきます。
この部署を立ち上げた某IT企業は、
自社でとある
マッチングサービスを行っていました。
街おこしや旅などを企画したい人と、
自然体験や旅行をしてみたい人を
つなげるプラットフォームです。
ライターは、
このプラットフォームへの
アクセス数を増やすため、
そしてサービスの利用者を増やすために、
「旅」や「街おこし」「自然体験」
のようなテーマで
記事執筆をしていました。
「オススメの◎◎スポット」のような
紹介記事がメインです。
取材をする訳ではないので、
基本的にはネット情報を使用します。
2016年頃は、
こういうキュレーションサイトが
乱立していて、
「著作権的にどうなのかな?」と思う
まとめ記事が
たくさん見られていた時期でした。
そんな中で、
このIT企業も自社のキュレーションサイトを
立ち上げたのでした
キーワード選定やペルソナ、
SEO対策などは、
やはり専門のIT企業だけあって、
ターゲット分析がしっかりしていました
私はマーケティングやSEOなど
全く経験がなかったので、
この会社で初めて、
「読み手やターゲットを意識した記事を書く」
「意図的に記事の中にキーワードを入れていく」
ということを学びました
芸能記者時代は、
ターゲットやキーワードなんて
考えなくても、
プレビュー数稼げてましたからね
そもそもプレビュー数がなくったって、
会社は大手で広告費もたくさん入ってくる。
(ターゲットやお金の流れを意識してる現場記者って
あまりいないかも)
私は現役時代、
こういう意識が全くなかった
なので、
新しい分野が勉強できて
よかったと思います
執筆自体は、
「1日に2本出してください」
という指示で、
執筆から写真選定、
入稿まで家でしていました
これで月20万円以上ですからね。
ありがたかった
ただ、やはり
情報がネットだけ
というのはキツイ
今までの自分だったら、
紹介したいお店やスポットに直接行くか、
最低でも電話取材をして、
許諾をとった上で
使える写真も頂いていました
取材すればまず
著作権の問題は解決できるし、
独自情報を聞けるから、
内容の深い記事が書ける
ネット情報だけだど、
似たり寄ったりなものになってしまうし、
情報の新鮮さに欠けます
そこは、
元記者としては気持ちが悪かった
取材ができない分、
事実確認や著作権には
すごく敏感になっていて、
かなり慎重に
記事を書いていました
でも、他のライターさんは
1日に3本も4本も
記事をアップしてるんですね
「え?こんなに早くみんな記事が書けるの?」
と当初は衝撃的でした
しかし、
アップされた記事を読んで
愕然とします
キーワードは散りばめているけれど、
誤字脱字はそのまま。
他のネット記事や、個人のブログの記事を
そのまま引用、転載。
なかには
個人ブログの写真を
勝手に使っている記事も
住所や公式サイトなどの情報も
完全にコピペ。
その住所や公式サイトを調べると、
もう場所が変わっていたり、
閉店しているところもあった
事実確認を全くしていない。
個人が日記や感想を
書くような感覚なんですね。
「記事」ではない。
これはまずいと思い、
私はバイトながら
社員さんに指摘しました
「これではサイトの信憑性を疑われる。
下手したら、転載されたブログ主から
訴えられる可能性もある」と。
(実際その後、
ブログ主からライターの1人が訴えられました)
最初はあまり
事態を重く見ていなかった
社員さんですが、
ある事件がキッカケで
流れが変わりました
それは2016年終わり頃にあった、
キュレーションサイトの大量閉鎖です。
某IT企業が運営していた
キュレーションサイトが、
「内容の信憑性に欠ける」
「テキトーなことを書いている」
として、
炎上したんですね
そこは
医薬品に関する情報も載せていました。
医薬や病気関係って、
薬事法でいろいろと
表現や表記に縛りがあるんですが、
そーいう事を全く無視して、
信憑性のないネット情報が
まとめられていました
結局、炎上や指摘が原因で、
そのIT企業は
運営していたサイトを全て閉鎖し、
謝罪しました
この一件によって、
うちの社員さんの態度も一変
とはいえ、
「原稿執筆」に関する知識を
持っている社員さんはいない
ここで初めて知ったのですが、
外部ライターも
みなさんほとんど初めての方でした。
経験者は私と、
ファッション誌出身の方2人のみ。
そこで私は社員さんから、
「コティマムさんには、
執筆に関するルールや基本的な知識、
モラル、著作権などのマニュアルを
まとめて、
他のライターさんに教えてほしい。
そして、
他のライターさんが書いた記事を
チェックして、直してほしい。
公開していいレベルか
NGかを判断して、
公開していいものだけを
公開してほしい」
と依頼を受けました。
これが
働き始めて2ヵ月ちょっとの出来事。
私自身が記事を書くことはなくなり、
校正メインの仕事になりました
これは本当に大変でした
ネット情報に頼る記事。
コピペになりやすいし、
事実確認や出典、
出元を確認するのは大変な作業です
基本的なルールをまとめて
ライターさんに共有し、
あまりにも酷い記事を書く方には
個別にslackで直しをお願いしました
ただ、一人かなり気難しい人がいて、
「そこまで厳しく縛りをつけられたら、
ネット情報では何も書けないじゃないか!
事実確認や取材とか、
それはマスコミの特権。
webライターは違う」
と意見をぶつけられた事があります
まぁこの方が、先出した
他人様のブログを丸々無許可で転載して、
ブログ主から訴えられた人なんですけどね…。
(そして辞めさせられました)
私もキュレーションサイトは
初めての経験で、
SEOもマーケティングも全然わからない。
情報が限られている中で、
著作権に対する意識やモラルを、
webライターに
どこまで求めていいかわからない
そんな中で、この企業では
社員・インターン・ライターと
いろいろ意見をぶつけ合って、
できる限り改善してきたと思います
陣痛が来るギリギリまで、
他ライターさんの記事を
チェック&修正しました
産休に入る前に、
共有事項やルールなどをさらにまとめ、
私がいなくても
社員さんがチェックできる体制
にしました
ただ、
結局部署はなくなってしまったので、
メディアとしては
うまく運営できなかったのだと思います。
今でもこの企業は
いろいろなサービスを
展開して活躍しています
(福利厚生もとてもいい)
在宅ライターのアルバイトで、
月収20万円以上稼げて、
社会保険までつく企業、
今探してもなかなかない!
当時、着実に
【闇】に突入しかけている私にとって、
本当にありがたいお仕事でした
※ちなみに今は、
キュレーションサイト乱立期の当時から変化して、
著作権や引用、表記にかなり気を遣っているサイトが増えています