1993年秋からいつか作ろうと思っていた服がありました。
セリアでこのフェルトを見つけ、いい色なんでこれで作ろう
と買ったはいいけどそのまましばらく寝かせておりました。
春まだ浅い頃だったのは憶えているんですが…
今年だったかな、去年だったかな、一昨年だったかな…。
人気商品なんでしょうね、今でも売っていますよ。
クリスマスも近いのでってわけでもないけどついに作りました。
ジェニー誌'93秋号たきもととしこさんの
手づくりはじめてアンティークドレスです。
あの作品を見てエクセリーナに惚れたんだよな。
私も80年代のエクセに着せました。
小公女セーラのエミリーをジェニーに重ね合わせた
アンティーク風のドレスに魅了された方は多かったろうと思います。
次の次の'94春号にそれを参考にした読者作品が
四つも載せられていましたから。
フェルトなめてました。
ここまでゴォジャスになるとは。
そしてときめく。
難しいわけではないんですがとにかく手間がかかる。
かなり時間をかけて作りました。
ブレードに自分なりの工夫を加えてみました。
レースは手持ちの。
紅茶だとちょっと渋い色味になるのでコーヒーで染めました。
オーガンジーリボンを使っていますが本ではサテンリボンでした。
紫のぴったりの色を見つけたけど欲しい幅がなくて。
入荷に時間がかかると言われたので諦め、
思い切って全然違う色と素材にしてみました。
ボンネットの後ろ側のリボンはレースが見えなくなってしまうので
あえて付けませんでした。
フェルトという素材の魅力をここまで引き出した
たきもととしこさん、あなたは素晴らしい。
今でも作り続けていらっしゃるのでしょうか…。
さて、ここから少し真面目な話になります。
以前にも似たようなことを書いたことがありますが
(その記事は削除しました)。
私たちドール服のディーラーを名乗っている人はもちろん
ハンドメイド作品販売サイト、あるいはバザーなどでも
ドール服を作って売る人ならば決してやってはいけないことがあります。
それは人の作品を模倣して作ったものや
商用利用を許可していない型紙を使用して作ったものを
販売すること(本に載っている型紙は大方が不許可)。
人の作品に影響されることや参考にすることはもちろんあるでしょう。
偶然似てしまうこともあるでしょう。私も含めて。
これはそういう次元の話ではありません。
いわゆる丸パクの話です。
つまりたとえばこのフェルトのアンティークドレスを
minneやイベントやヤフオクやメルカリで売ってはいけません。
認識の甘い人が多いですがぶっちゃけ犯罪です。
著作権法違反になります。
著作権は以前は親告罪でしたが今は違います。
ドール本の編集者の方に伺ったのですが
本に載っている型紙をそのまま使ったものはもちろん
原形を留めないほどにアレンジしていても販売はできないそうです。
アレンジしてあるならどうせバレないだろう、という方は
まぁお好きになさったら?良心とプライドがないならね。
やる人はバレないと思ってやってるんでしょうし
買う人は知らずに買っているんでしょうが、
本を読み込んでいる人、作る人にはバレバレです。
色変えようが素材変えようが。
あーこれドールブックのアレだわーとかジェニー誌のソレだわーとか
はじめてのーとかてぬいのーとか。
偽ブランドを売るのと同じ、
絵をトレースして色だけ変え自分の作品だと言うのと同じ。
大体そんな犯罪犯さなくても今は型紙作りの本も出ています。
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想像してみましょうよ。
もしも自分の作品と型紙が本に載ったら、
そしてその作品を作って勝手に売っている人を見たら?
がんばって作ったのにこんな事になるならもうやらない
と思うのではないでしょうか。
ドール服本の作成に協力してくれるディーラーさんが減り
この業界の衰退に繋がってしまうかもしれませんね。
…でもね、もしもやっちゃった方がここを見たとしても
作るのをやめてしまうとか、ブログやSNSを閉じるとか
そんなことはしないでください。
ドール服作り、販売、交流の楽しさは捨てないで。
厳しい事言ったけど次から改めればそれでいいと私は思います。
作り応えのある作品でした。