それは17年前の5月22日のこと。






昨日子猫を拾った道をまた歩いていたら助けを求める子猫の声がした。


助けを求めておいて逃げる子猫をなんとか捕獲、


持ってたミニリュックに詰めて連れ帰った。


昨日拾った子猫と今日拾った子猫の顔はそっくりだった。






「また拾っちゃった!てへ!」


なんて言ったら妹に怒られるに決まってる。






私はカバーがかかった本棚にあらかじめ今日拾った子猫を隠し、


「手品を行います。」


と昨日拾ったルーシーちゃんを掴んで言った。






本棚のカバーの中にルーシーちゃんを入れつつ


「ここに子猫を入れます。」


カバーを持ち上げて


「3,2,1、はい増えました!」


ジャーン!






お腹に虫がいて下痢のひどいその子猫にピーちゃんという名前を付けた。


他の名前はまったく思いつかなかった。






毛の長いルーシーちゃんは妹の友達の親戚のおうちにもらわれていった。












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その一年後の5月22日のピーちゃん。


妹に毛梳きやってもらってごきげん。


っておいよく見たら私のブラシだよ。


なんて鬼畜な妹。






この一年の間に二度ほど命の危機があった。







一度目は姪にギュッと抱きしめられて失神した時。


よろよろ2~3歩歩いてばったり倒れた時はもうだめだと思った。






二度目は姪にお風呂に投げ込まれた時。


もちろん悪気はまったくなくピーちゃんとお風呂に入りたいだけだった。


お湯がさほど熱くなくて本当によかった。














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人間様のトイレが使えるよう訓練した。















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増えるにゃんこに教えるのが大変でトイレ訓練は自然消滅。















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ピーちゃんが二歳の時拾ったぷりんをピーちゃんはそれはそれは可愛がった。






ベランダなど目の届かない場所に行こうとするとくわえて連れ戻し、


押入れの上段からこっちに上がるよう呼び(無理だよ…)、


ぷーのおめめに薬を塗っているのでなめないよう隔離すれば


ドアを開けようとドアの前の塩ビ床をほじくり返してボロボロにした。












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ぷーは大きくなり












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ふたりの間に子どもが5にゃんも生まれた。


1998年1月9日のことだった。












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日光浴も兼ねてこっこ達を外遊びさせると心配そうに見ていた。






ピーちゃんは外に出るとパニクってしまいどこかに逃走してしまうが


こっこ達がいればその場を離れることはないだろうと思って出してみた。












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思った通り逃げなかったが緊張のあまりしっぽがすごいことになった。






この後引っ越したアパートではそれなりに外遊びを満喫するようになった。


夏にはよく蝉取りをした。






今は外には出さないし出たがることもない。












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近所のランちゃんとひなたぼっこ。












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1999年7月22日今度はサムとの間に4にゃん生まれた。


枕元にいるコマちゃんのおててとあんよに激萌え。


ちなみにサムちゃんを拾ったのはその前の年の6月22日。


にゃんにゃん。






5月にサムちゃんとあんじちゃんの間にもこっこが生まれたばかりだった。


大変だったよ、貰い手探し。


それまでピーちゃんをいじめていたあんじちゃんだったが


ピーちゃんが出産したとたん甲斐甲斐しくピーちゃんの世話をするようになった。






その後ピーちゃんもあんじちゃんも不妊手術をした。


ピーちゃんはお医者さんに


「野良なら200匹は産んでるしっかりした体」


とほめられた。






にひゃっぴき…。












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貰い手が付かなかったぷーの子ムーチュ(上)とサムの子あかすけ(下)。


柄は似てるが体格も性格もしっぽの長さも対照的ななかよし兄弟。


もうどちらもいないけど。














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今日17歳になったピーちゃん。






毎日タウリン1000mg摂ってるにゃんとでも言いたげな


キラキラおめめの可愛い顔でいつも通り何度も何度もご飯を要求。






とにかくよく食う。


粘膜系が弱くて歯肉炎やら鼻炎やら持ちで風邪を引きやすいが元気。






二月にちょっと体調を崩してお医者さんに行き


もうすぐ17歳と言ったら立派立派とまたほめられた












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人間で言えば高校二年生くらいのお年頃。


ピーちゃん案外波乱万丈。