71章 91歳女装の役割

 80台後半になってから本格的に女装にのめりこんだ私ですけど、私の先生<女将>に見いだされてが引き金になったにせよ、世間の常識からみれば超変わり種と思います。

 

 動機と言えば、単に女性の美しさを得たい~それだけです。

 大体、高齢者でもう隠居の歳なのに、ようそんなこと考えたな~我ながら笑ってしまうのですけど。

 

 それがとうとう~91歳の今も女装しているどころか、ますます本格的になって自分の女装を世間にアピールしているのですから、女将さんに言わすと日本一だってね。

 もう、妖怪の領域ですよ。

 

 でもね、女将さんのメイクで出来上がった鏡に映る女性になった自分を見て、歳を忘れて女装にのめりこむ引き金になったこの気持ち、実は女装さん達の共通の思いなのです。

 

 でもその私の転機になったのが、90歳の誕生日のお祝いの集まりをして頂いたことでした。

 参加者の皆さんから頂いた声。共通しているのは、<希望の星>という賛辞の言葉でした。

<ええ!私は希望の星?>びっくりしたけど、嬉しかっただけでなく、私の果たす役割をそのとき知ったのです。

 

 私は自分の楽しみだけで女装しているのではなく、女装をする皆さんにとって高齢者の入口に差し掛かっても、

女装が可能だという希望を与える存在になっているのが私だということです。

 

 だから私皆さんに公約したのです。ちょっと調子に乗っているかもしれないけど、「100歳まで女装続けます」とね~。

 

 それからです。自分のためだけでなく、皆さんの希望の星になる自覚で女装活動始めたのです。90歳、隠居どころか、女将さんのリードでTIKTOK の動画に挑みます。

 

 目標はフォロワーを300。生放送できるからです。

 日本だけでなく世界に向かって発信できる~90歳にもなっての、大いなる野望です。

 

 でもね^90は90ですよ~私を支える人たちが居ることが、私の野望を可能にしているのです。

スタジオに着くと私のそばには誰かが居ます。

 

 一人にしていて、私になにかあったら~先生のお声係?で誰かが付き添いで居るのです。商店街歩くときでも女装さんの誰かが横に並んで、なかには手つないで歩いてくれます。

 

 そんなにしてもらうほど私、よいよい~ではないのですけどね。だから90歳を振り捨てるために筋トレに通って鍛えたら、今では揃って歩くとき皆さんの先頭に立って歩くようになったのです。サッサっと~ね。

 

 <希望の星>ですからよたよた歩きはできません。(*`艸´)ウシシシ

そんな私を励ましていただいているのが、逆に私に励まされているという声なのです。

 

 前の章、70章の写真に私と桜並木を踊っている彼女がその一人です。

 私の90歳の誕生日に飛び込みでお祝いのショール持って参加されたのです。

  たしか、この人が<希望の星>の第一声あげられたみたい?

 

 でも、このひと女装歴30年の大ベテランなのですよ。私など足元にも寄れない凄い女装<ひと>なのに、歳(とし)取るほどに女装を続けられるか?不安感じていたのが、90歳の私に元気貰った~と、今ではスタジオで、外の撮影でも私と一諸して、とくみチャンネルで色気満載の女装姿で出演されているのです。

 

 そして1年余り前のことです。私が女装のプログに投稿したのを見られた方です。

 

 「27日の日記拝見しました。90歳のお誕生日おめでとうございます。あたしも高齢<82歳>ですが、大先輩ですね。貴女は年齢相応以上の女装ベテランとお見受けします。

 (あたし等、女装歴は長いけれど、まだ正真正銘の初心!)

 貴女の存在は大変な励みです」<以下略>

 

 

 なにか恥ずかしくなるような文面ですが、<大先輩どころか、ほんの駆け出し女装なのですが>でも嬉しいのは80歳を超えた女装さんから、励みになると言われて嬉しいだけでなく、90歳にしての女装する私の存在の意味~

私の役割を気づかされて、私の方が元気貰った気持になったものです。

 

 その反映でしょうか?

 このアメーバでも71章までも作品が進み、チックタックでもフォロワーが4月入って300達成ありがとうと言っていたのに、今、まだ4月中に、500に、いいね が1700にもなるのです。

 

 なにか我ながら出来すぎ~思いながらも、こうして応援していただいて元気頂いている~と感謝の気持ちでいるのです。

 だから早く会場とスタップ確保して<生放送>さしてと、女将さんに言っているのです。

 

 おかげさまで、今や91歳の歳忘れているのです。

 

 そして先日、また別の方、女装さんからメール頂きました。

 この方も私より10歳年下の高齢者です。

 写真見ましたが、とてもとても、そんなお年と思えない中年美人です。

 

 女装すると若くなる~私の持論裏付けるような方です。

 

 [略~いつか女性になりたいと願いながら、ホルモン補給を続けて乳房はかなり大きくなりました。でも昭和15年生まれですので、手術も女装することも難しくなり、もうあきらめるしかないと思っていました。

 ところがとくみ様のページを拝見して、私よりご高齢(失礼)でも、女装者として活躍されていることを知り、がぜん勇気が湧いてまいりました。

 とくみさんに続き、日本で二番目の高齢女装者目指すことにします。略」

 

 なにか私の方が元気頂いているような文面です。

 91歳にして未だ女装する~私の存在意義を認めて頂いたような気持ちになります。

 

 それにしても紹介した3人の女装者の方~

 その女装にたいする情熱~いえ、その覚悟~女性として生きたい~という想いの深さは私の女装など甘ちゃんと思い知らされるのです。

 

 でもね~その代価はあまりにも大きいのです。

 身近なことでいうなら~

 3人目のメール頂いた方からのお便りでは、<温泉などでは男風呂にも女風呂にも入れないのです。でも、好きでなった体付きですから満足しています。>

 

 ああそうだっのか~初めて気が付きました。

 女装することでの身の回りいろんな面での気を使い、辛い経験に女装さんは取り囲まれているということです。

 

 私の知る女装さん達、全員と言ってもいいと思います。家庭にも、仕事先でも女装を隠しています。そうせざるを得ないまだまだ社会のなかでは、女装への理解不足があるのです。

 自自体では最近<性の多様性を認めよう~>ポスター出したりして啓蒙活動していますけど、まだまだ~。

 

 だから私もその一翼として女装活動としてすることが、90歳になっての私の役割と考えているのです。

 

 その点私は恵まれているとつくづく思います。

 女装写真集作ったとき私は真っ先に妻に公開しました。いえ、聞こえはいいけど本音は<綺麗やろう>自慢したかったのですけどね。

 

 でもお嬢さん育ちの妻は「綺麗な女性<ひと>ね、このひと誰?」まるで女装のこと分からないままに、私のすることはすべて受け入れるのが妻の習いでしたから、なんの波乱も起きません。

 

 そして孫達は娘達よりも受け入れてくれて、一人など私の撮影の見学に来たくらい。味しめて姉達、姪達にも集まった席上で写真集の公開です。後で姪の一人はアマゾンで私の写真集買ったそうです。

 

 でも私の想いは、まだまだ女装に対する(偏見ではなく理解の不足>)だと考えていますから、知り合う人々に片端から女装アッピールしたものです。

 

 同じ棟に住む知り合ったおばさんとは、女同士?で婦人服売り場に買い物に行くようになりました。そうです女として扱ってくれているのです。

 

 家に来るヘルパーさん達にも公開しました。だって家に上がってこられるのです。部屋にはわんさと女性衣装が

男所帯なのにあるのですから、変に思われますから私の方から説明します。

 ところが一人のヘルパーさんなど息子さんと私のチャンネル見ていて私のしやべる声で私と分かったそうです。

 

 でも驚いたのは毎月訪問してくるケアマネージャさんです。娘と二人で面談するのですけど、私のとくみチャンネル見ていて、「応援してますよ~」言われて私がびっくり~。後で会ったとき「職場の友達にもフォロワーするよう頼んでおきましたよ」だって~

 

 これで娘も見直したのかもね~

 

 味占めた私~先週など眼鏡のレンズ交換に眼鏡屋さんに言って店主と話していたら、眼鏡のことから歳のこになって^私の歳言ったら~例のごとく「ええホントですか?とてもそんなお歳に見えない。若いです」感心しきりなので、そのとき女装でしたから、それも言ったらまた感心して~

 

 なにか意気投合になって~女店員さんと二人送りだしてくれて~

 まあ、女性眼鏡買ったけどね~

 

 でもね、分かっているのです。こんな風に私ができるのは、91歳という超高齢だからです。

働き盛りの女装さんや若い女装さんはまだまだ周囲の環境はそれができる環境ではありません。

 

 もっと深刻なのは~

 体と性の違いに悩んでも家族にも打ち明けられず、友人にも言えず、周囲の無理解の壁に突き当たり、悩みの末に自殺する女装さんやゲイの人達があるということです。

 

 どうしたらそんな人たちを救えるのか?

 91歳の私に突き付けられた課題だと思うのです。

 

 <注・頂いたメールの公開は了解いただいています>