<写真・新世界通天閣の前で、美人のAさんと>
57章 (ええ~ええ~)
ええ~ええ~て、おかしな題付けましたけど、最近私の行くところかならずでる言葉なのですよ。どういうこと?それはおいおいとお話しします。
とにかく、91歳ともなると、周囲が一人歩きさしてくれません。必ず誰かが私の付き添いするのですからね。
その旗振りが私のメイクと写真の先生の通称<女将さん>なのです。
私がメイクしてもらって外出するとなると、スタジオにいる誰かに声かけて付き添いをさせるのです。
外だけではありません。スタジオのなかでも階段上がると付いてくるのです。
急な階段が三階まであるので、落ちでもしたら?心配なのでしょうけど、でも、私よりはるかに小柄の上にお年は60歳に入り孫さんが4人?いいえ5人?とかいてる方が、私が階段滑り落ちるのを受け止めても下敷きになるだけなんだけどね。
女装した私が外で倒れたら?その心配が先立つのでしょうね。
だから私も女装のフレンドさんを外に出るときはお誘いするのです。
ただし無条件ではないのです。
まず、1、女装さんであること。2、体が私より大きいこと。3、できたら美人であること~。
厚かましいけどね。その理由は~
1、は、男性の付き添いになると、噂になるのです?とうとうとくみさんに彼氏ができた~てね。
91歳でそんなことあるはずないのは分かるのですけど、私がそう心配しているのです。
2,やはり歳というべきか?私、左目が見えにくくて柱や人に当たるのです。だからその防波堤<ごめんなさい>に女装さんに左に並んで歩いて頂くのです。
体が私より大きいと、当たってきても受け止めてもらえるでしょう。
3,美人~なぜ?思うでしょう。
ににか、精神科の部類?思うときあるのですが、私、<茶屋町ロマン放送局第9,第10>
見て頂くと分かると思うのですけど、ホントおしゃべりなのです。
見学?に来ていた孫娘が言いましたよ。
「おじいちゃんホントにようしゃべるね~」だって~女装の撮影しているのだから、おじいちやんは余計なのですけど。
それが美人となんの関係が?
いえね~女装のときの私て、なぜか分かりませんけど男性とのおしゃべりが苦手なのです。メンズのときはそうでなくて普通にしゃべっているのにです。
原因は精神科の先生にでも聞くことにして、とにかく美人が隣に居てもらえば、男性は美人の女装さんに話しかけてくれるので私は無口で居られるというわけ~。
それが先週のことです。
最近、フレンドさんになったSさんなのです。
私が女将さんに紹介して、それがきっかえになって着物着て新世界に行った彼女のことです。
フレンドさんと歩いていたら、5人、男の方からお誘いの声が掛かったというのです。
聞いた私もさもありんと思いました。
だって京都観光の私達と、初めて参加したSさんの着物姿の色気に私唖然としたものです。
大きなお店~スナックのマダム?
紫の染<そめ>地に金糸の鶴を縫い取った豪華な衣装に、ふっくらとした顔立に細い目がもう日本人形~そして豊かな体型でいてすらりとした背丈~
男さんが引き寄せられるのは当然です。
女の私?でも引き寄せられる色気ですものね。
「おねえさんどこのお店のマダム?」
言われるだけの貫禄があるのです。
その美人から私へのお誘いがあったのですから、もう、否とか言えるはずないでしょう。
ご一緒する先は<新世界>コロナが怖くて長い間行ってない私のために案内してくれるというのです。
待ち合わせは<ロマン放送局>のスナックです。
撮影では2回にわたってしやべりまくった私がもう有名になって~、いえ、有名というのは91歳がです。
待ち合わせのこのスナックに行ったら、Sさんをはじめ、女装さん達が私の歳に合わして、昭和
の唄いえ、大正の唄まで唄って歓迎して頂いて~皆さん優しいのです。
これ91歳の特権でしょうか?
実は^私への<ええ~ええ~>はこのスナックが発祥なのです。
スナックと言っても、女装スナックでスタップが女装さん、お客も女装さん..。
年配の人が多いけど男性のお客さんにまれに本物の女性?の方もきます。
それがこのスナックのスタップであるフレンドさんが、声大にして「とくみさんは90歳です」と公表したものです。そしたら一斉に「ええ~ええ~」声が上がったのです。
それでこのスナックでは私は一遍に有名になったというわけ~。
それはいいのだけど、おかげさまというべきなのか?男性の方私に寄り付かなくなったという副作用が付いてきたのです。
それが去年のクリスマスでのことです。
それがきっかけで、私のメイクと写真の先生までが、コロナのなか頑張るお店の激励かねて「とくみチャンネル」の動画づくりのお店廻りをしたときにね<90歳>が先に出る紹介するものだから、ええ~ええ~と私の名前が広がってきたのです。
矢張り91歳の女装家は希少価値なのですかね。ネットで調べたら91歳の<一日女装>の方が日本一として紹介されていましたから、先生<女将>さんは私は毎週だから、日本一だというのです。
だから私は<91歳の妖怪です>と自己紹介するのです。
でもこの妖怪に女装のフレンドさんが寄ってきて、好奇心が強い私の腕取ってあちこちのお店に連れて行ってくれるようになったものです。
そして先週の土曜日^このスナックの待ち合わせになって~Sさんだけかと思ったら、お連れが一人いたのです。
それが<ええ~ええ~>今度は私が言う番になったものです。
お隣の部屋のメイク室から現れたのが、これまた絶世の美女~Sさんに紹介されたのが、京都から駆け付けたHさん。
あんまり綺麗でまじまじ見ていました。
帰ってから公開されている写真見て驚きです。
着物姿で、Sさんのコメント~「祇園、先斗の若女将か、銀座や赤坂のクラブのママと感想がありましたけど。色気はSさんに負けない~
ホントに女装さん?聞きたくなります。
なんとか次の章で、私、Sさん、Hさんと並んだ写真を掲載したいと、泣きつきたい~。
とにかく、そう京美人~私が京都出ということで、「どこに住んでいましたの?」聞かれたのが話の始まりになって、こうなれば、ロマンを出発、お出かけには地下鉄など乗れません。
タクシーです。3人でタクシーの後部座席に肩寄せあって、運転手さんに聞かれていても無視。
女装の会話に夢中です。
そして連れていかれたのが新世界。どうもこのお二人新世界の常連さん?
それより、女装美人二人に挟まれて、私までも美人になった気分で新世界のお店廻りするのですから、いうことなしとはこのことでしょう。
私の知っている新世界は、女装さんには名の知れた<小町>そして<ジャンジャン横丁>です。その時、フレンドさんに連れられてお店の並ぶ長い商店街の通り歩いていて~そこで発見したのは将棋会所だったのです。
将棋好きの私。フレンドさん離れてふらふらとなかに入ったものです。
それが満員~黙々と皆さん将棋に熱中しているのです。
残念ながらその時は私メンズだったのです。だからふと頭に浮かんだことは~
「あの、女装さんでも将棋指してもらえます?」
「ああ、いいですよ。女装さんも来られますよ」
矢張り新世界です。<いつか女装してここへ将棋指しに来る~>
その時胸の内で決めたものです。
いえ、今日はダメ~3人で人込みかき分けるように<ジャンジャン横丁>歩いて、将棋介所の前相変わらず満員の会所を、ガラス越しに横目で見て通り過ぎるしかありません。
そして案内されたお店が<小春1号店>です。
「2号店、3号店もあるの」Sさんの解説聞きながらお店に入ったのです。
出迎えたお店のスタップの女性、Sさん、Hさんの名前言って出迎えたのは二人が常連さんと分かります。
でも紹介された私に、「ええ~ええ~とくみさんホントに91歳?」
言われて驚きです。
なんで?初めて入ったお店なのに、私のこと知っている?あっ気に取られて~
思いながらとにかくカウンターに座らされて~それからです。
いっぺんに賑やかになったのは~。小さなお店だけど、満席のお客さんにSさんが私を紹介したら~
「うそを~」一斉に声上がったものです。
私が美人だからではないのは分かっています。<91歳に見えない><信じられない>と口々に声が出たのには私のほうが信じられません。
なかでも隣の席の二十歳台の娘さん三人組の一人の娘さんなど、<嘘!そんなの信じられへん。91歳なんて~>
言い募るのです。
そうまで言われて私も後には引けません。
「こう見えても私障害者なの。そのお役所の証明見せてあげるから、それなら信じるでしょう」
バックから手帳見せたのです。
勿論、メンズの顔写真や本名の字は隠して見せません。
「ホントだ91歳だ!」
叫んだ娘さん~姿勢ただすと~
「尊敬します」て~言われて私の方がええ~ええ~てね。
そういえば<ロマン>でもスタップの方にまじめに<尊敬します>言われました。
でも<尊敬します>て、なにをさしてなのか?
<91歳という歳をさしてなのか?>
それとも<91歳で女装していることをいうのか>
これはもう、ご本人に聞くしか私には分かりません?
それからは写真見せたり、カラオケ唄ったり~
それがね~娘さん達帰りしなに手振るだけではなかったのです。
一人の娘さん。私の前に来ると~
「崇拝します~」て~
もう私~ええ~ええ~どころではありません。
<ありがとうございます>言ったのか?それすら覚えていません。
ただ、唖然としていたのですから~。
そして、興奮冷めやらずにいるうちに、次は<小春2号店>に連れて頂きました。
そしたら~また、ここでもです。
お客のおじさんタイプの男性。
「絶対、そんなはずはない!」言いきって、私の91歳紹介されても、認めません。
頑固そのもののおじさんです。
私だって無理して認めてもらうなんて思わないから~にっこり笑って~
「ありがとうございます。嬉しいですよ」
お上手言って、帰る気分になったら、
Sさん「三つのお店仕切っているオーナのママさんが来るから待って」言われて待ったのです。
そしたら店先に乗用車が止まるのです。
降りてきたのは、八〇過ぎた小柄なおばあちやんなのです。
失礼~この方が<小春>総元締めの女将さんなのです。
紹介されて「頑張ってな~」激励されて、~貫禄あります。
店を出てからSさん「とくみさん新世界でも有名になったね~」言われましたけど。
それで気が付いたのです。
Sさん、Hさん二人は<はしご酒>だけでなく、私を売り込むため、身銭切ってお店廻りして私を売り込んでくれたのだと~。
ありがたいことです。女装仲間の連帯感はこんなこともあるのです。
そして次は3号店行くのだと思っていたら~
私がお腹減った~と言ったからでしょうか?
Sさんが連れてくれたのが~ええ~です。
<立ち飲み屋さん>です。
小さな暖簾が下がっているだけの、内の様子が丸見え~。
男さん達がずらり並んで、カウンターを前にコップ酒の立ち飲みです。
私なんか絶対入れません。
思うより席空いていないのです。
Sさんなにか声掛けたと思うと、お店の外に置かれたテーブル指さして~
「とくみさんなに食べたい?」て~
ええ、ここで食べるの?外のテーブルで~思ったものの空腹には勝てません。なに食べるか店の中のメニュー張り紙見ていたのです。
「私、関東煮~それに、おにぎり一つでいいから食べたい」
「おにぎりないね~」
そんな会話~男さんがカウンターに立ち並んで居る前でしているのです。
女?三人がです~でも、ここは新世界~庶民の街です。
ところがです。気が付いたらHさんの姿が消えているのです。
まさか?思いつつ運ばれてきた関東煮に目奪われて口に運んでいたら~
ええ~おむすびが一つお皿に乗せられているのです。
お店のおむすびではありません。
Hさんです。
「これどこで買ってきましたの?」
「コンビニです」
「ええ~」後の言葉は厚揚げが喉につまって声が出ません。
ありがたいを通り越して、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
たった一個のおにぎりを、美人のこの人がコンビニで買ってきたのです。
その答えを帰ってからHさんのプログを読むで、分かったような気がしたのです。
Hさん、着物の着付けを自分でして~お茶を習い、それに<般若心経>の写経されているのです。
女装さんてホントすごい方が大勢居られるのですよ~。
長い話になりましたのでこの辺で~
後は、小春3号店、ロマンに戻って~
それで終わり?思ったら~
今度は堂山のスナックに~
行くとこ、行くとこ~ええ~を聞かされて~
矢張り女将さんの言うように、91歳の女装は日本一?なの?と~
<オワリ>