<写真・令和2年12月スタジオで>
㉙ 90歳の確定申告 <㉘からの続き>
私の一番しんどくて、まあ、嫌いなもの~㉘にも書きました。
今は当然皆さんと同じコロナですけど~毎年やらないといけない年賀状書きと確定申告だけはしんどくてね~。嫌と言ってはいけないのは分かっているのだけど、その手間かかる作業の辛さは毎年やっているけどなれません。
まあ、年賀状書きはしんどいけど、1年間ご無沙汰の親戚や友達の顔を思い出しながら短い文章いれる年賀状つくりは、なつかしい思いでを呼び起こしてそれはそれなりに楽しいものです。でも、100枚もとなるとメカ音痴の私寄る年波ですからしんどくなります。
今年も印刷機が動かなくなって年の瀬は迫ってくるし~忙しいときなのに婿殿に出動お願いしてやっと年賀状印刷できて~そして年の初めを迎えるとポストに飛んでいきます。
年賀状が束になっているのをポストから出すと、部屋に戻ることなくポストの前で一枚枚一枚
はがきめくって~ああ今年も皆な息災なんだ~喜びを味わうのです。
でも確定申告はその手間のかかる準備に<止めた~>何度思ったことか~
私と妻の医療費・介護費併せての領収書は束になっているのを、一枚一枚枚数数えて、金額確認して計算して、病院、薬局、介護施設、交通費などを分類それぞれの支払い一覧表を作り上げる手間の大変なこと。
90歳でリュウマチで手が腫れ上がり痛みに耐えながらの作業です。正月に仕上げるつもりが全く進まないのは当たり前です。
でも確定申告は待ってくれません。遅くなるほどに申告に押し掛ける人が多くなる一方、コロナの人数制限で時間がむやみにかかるのです。
でも女装のカラオケスナックでなんとか元気取り戻して、一応申告の下書き完成したものの、申告書はまだ封筒の中です。しかしもうダメ~確定の期間に入ってしまったからと~そのままで
申告に行きました。
税務署?いいえ~市役所の税務相談の窓口~<年金者の確定申告は市役所で>前に聞いたことあるからです。
「90歳のうえにリュウマチで手の痛みがひどくて、ここまでが精いっぱいなのです」
窓口の女性に訴えます。帽子被ってマスクして~目だけは女の笑み見せて~女装で慣れています。
女性の職員私に笑顔見せるとうなずき~私の差し出した資料に目走らせます。
「これご自分で作られたのですか?」びっくりしたように問い返します。私がうなずくと。
「ここまでできてるなら後は書きますかrら」
言って席立ったのは私の資料取りに行ったのかも?
やれやれです。とりあえず第一の関門通過です。それにしても私の書いた資料褒めてくれたのは90歳で良く書けた~ということなのだと思ったりします。
「高額療養費支給決定通知書の資料が不足していますので貰いに行きましょうか」
カウンターから出てきた女性職員私にうなずくと先に立って歩きます。
<取ってきて下さいてて言わないの?親切~>普通、役所では不足資料ないときは<どこそこの窓口で交付してもらってきてください>言われるものだと思うのだけどね。
昔の役所と随分違ってきていると思いました。職員の応対が民間企業に負けない丁寧になっているのです。昔の役所といえばものすごく官僚的で私も腹立てたものです。
<たらい回し>という表現が役所の常用後として言われるぐらいでしたものね。
一階に降りる階段を並んで降りていると~
「お歳なのにお元気ですね。背筋もまっすぐで~」
「ありがとうございます。椅子に座るとき後ろに持たれないようにしているのですよ」
何時も言われることなのですが、嬉しくなります。奥さんでもこんなこと言ってくれませんでしたものね。まあ、夫婦て口に出さなくても分かりますから。
目指す窓口に行くと相手の職員に私の代わりに説明してくれて~私が署名している間に書類渡されて~早い~。
気が付いたら婦人職員さんの姿が消えているのです。
貰った書類持って戻ったら~計算機打っている姿がビニールのコロナ仕切り越しに見られます。私がカウンターの前に立つと~立ち上がり私が渡した書類を受け取り他の書類と綴じて
私に渡してくれます。
「○○さんこれで税務署パスすると思います。それに収められた税金、還付金で全部返ってきますよ」
「ええホントですか!」思わず声上げて、やった!思いました。
<還付金で女装して行きつけのお店全部2回は廻れる~なんて良からぬ計算が頭横切るのです。
礼を言って税務署に向かいました。ホントに親切な職員さんにあたって良かった~まあ、90歳と <身障者手帳見せたのが利いたのかな~>
素直でない私、裏を考えてしまいます。
税務署ではまた別館の相談窓口に行きます。そこでも90歳振り回して訴え~腫れあがっている手を見せると、書類を全部チエックして書き込み、用紙をつけて返してくれました。
そしていよいよ申告本番です。
会場は隣の建物。案内係の腕章つけた職員に申告内容聞かれた後、連れられた会場は矢張り申告の人でいっぱい。パイプ椅子はすべて座っていて立っているしかないのです。
仕切り衝立した高いテーブルが何列にも並び、テーブルにはパソコンがあって、スマホコーナー、パソコンコーナーと書いた張り紙が張っていて、申告の人が立ってテーブルでパソコンやスマホの操作しているのです。
なにか今までの申告会場のイメージと違うのです。テーブル挟んで職員と向かい合い申告内容の説明するというイメージとまるで違います。
なによりも職員の制服の背広姿は案内係だけです。申告操作している人が手を挙げると、運動服のような服装をし腕章つけた男性や女性がやってきてアドバイスしているのです。
どうも税務職員でなくアルバイトみたいです。
<ええ、申告のひと皆な自分で操作している~>当たり前だけど、私には大問題です。職員と対面だったらまた90歳持ち出して泣きついたらいいと高くくっていた当てが外れたのです。
さあどうする?思い悩む私の所へ先ほどの案内係の職員がきて~
「スマホお持ちですか?」
「持っていますが?」
「ご自分のスマホで申告入力できますが、それともパソコンでされますか?」
「いえ~私のスマホ私の言うことききませんので、パソコンにします」
なんともおかしな返事しかできないけど、私のスマホ本当に私の操作無視して勝手な字だしたり、入力の途中なのにメールでも送信してしまうのですからね。確定申告に使うなんて予想もしないことに使う自信なんてありません。
もうできるかどうか?自信なんてありませんけど、二択しかないのですからパソコンと答えるしかありません。
すると白い番号札くれました。赤い番号札も手にしてられるとこみると、赤はスマホなのでしょう。そういえばテーブルの出口に番号を書いた札が吊り下げられています。
パソコンの番号は二桁、スマホは三桁になっていてスマホの人が申告操作終わって出てくると
スマホの吊り下げられた番号がめくられて、次の番号の札の人が呼ばれてテーブルに行ってパソコンの画面を参考にスマホの操作するのです。
パソコンでも同じことすることは理解できますけど、はたしてパソコン操作できるのか?まるで自信ありません。
いやそれよりも番号札です。吊り下げられた番号札見ると、私の番号はまだまだ先です。空いたパイプ椅子にやっと腰かけられて、こんなこともあろうかと、持ってきた小説をを読むことにしたのです。
でも難聴で先日障害者手帳貰ったばかりの私です。自分の番号呼ばれたら~気になって始終つり番号札見て小説に集中できません。それで気が付いたのはスマホの呼ばれる回転が速いのにくらべてパソコンの遅いこと~
<パソコンは操作は難しいみたい?それとも慣れていない人が多いのか?>そんな推測して
ますます自信喪失してもう本を読む気にもなりません。
それにしてもホント待ちました。待たされました。病院の待合室でもこれだけ待つことはないと思えるほど待たされました。
悔しいけど確定申告に行くには年寄には無理かと~女装では若く生き生きと歳など考えない私が、そんなこと思うのも恥ずかしいことです。
国税局の広報で「自分のパソコンで確定申告して下さい」とかあったのを考える必要あると思い直したものです。<来年は婿さんに助けてもらってパソコンで申告してみようかな~>
思いながら気が付いたのです。スマホの人の申告操作終了が速いのはスマホの操作慣れしている人が多いからか?と~
そういえば電車に乗っていたら八割方いやもっとかも知れません、乗客はスマホ見てうつむいているのですからね。
コロナ防ぎにはいいのかもしれませんね。
もう待ちくたびれて小説も読まず、うとうとしていました。すると自分の番号呼ばれたのに気が付いたのは奇跡みたいです。
慌てて立ち上がって案内係の後について、テーブルに立ち並ぶ人の行列縫って奥へ進んで
行ってスタップに引き継がれました。女性のスタップです。
なにかほっとした思いになって、またぞろ~<九〇歳でリュウマチで手が腫れてパソコン操作できません>訴えたものです。
女性スタップの方私の手を見てすぐ理解できたようです。ちらと見ただけでも手の甲が腫れあがっているのですから~。
「いですよ~」気持ちの良い返事返ってきて~私の下書書類見ながら前のパソコン操作してあっという間に終わりです。
「収められた税金還付金で返ってきますよ」
市役所で女性職員に言われた同じことを笑顔で言われて、また嬉しくなりました。
税務署から送られてきた用紙に書き込んだ後「ここに住所、署名して下さい」言われたけど、痛い手でのたくった字書くのが嫌で~これもお願い~代筆してもらって~考えたら私口動かすだけで手動かしていない~気が付いたのです。
パソコンの印刷操作すると、印刷機から持ってきたコピー用紙を私に渡すと~
「還付金の振り込み先の銀行か郵便局の通帳番号教えて下さい。ああ、カードでもよろしいですよ。番号わかりますから」
「それが年寄でカード落としたら~思って持っていないのです。」
「ああ、それなら~」と女性職員背を見せてごそごそして振り向くと~
「この用紙に振り込み番号書いて、この税務署あての封筒に入れて送って下さい。振り込み忘れるとお家の近くの郵便局振り込みになってしまいますからね」
返事して頭下げ続けて帰る私の背中に、また声が追いかけてきて~
「振り込み番号送るの忘れないでね~」と~
ほんとに役所の女性の方に親切にしてもらいました。90歳の障害者ということもあるのかもしれないけれど、税務の役所では一年で一番忙しい時なのです。本来自分で書かなければいけないのを全部肩代わりしてもらってありがたいことでした。
私も女装したら見習って同じように親切な女性にならないと~変な決意かも知れないけどね。
それにしても、九〇歳で明日お迎え着てもおかしくない歳だけど~なにか会う人ごとに助けられながら生きている~そんな実感が湧いてくる思いに包まれます。
まあ、九〇歳でも<九〇歳!>蓮呼しながら結構使い道あるものです。ハイ!
<この項終わり>
<注・男性の私の登場なのに女性の文章で書いて~笑ってください>