㉓ 病気と乳房

また、私の敬遠する冬将軍の季節到来です。別に冬が嫌いというわけではないのですが、先日から気温が下がったとたんです。始まったのです。手と足の指や足裏が痛みで朝起きても立ち上がれない、手の指は痛みでゆがんでくる~しばらくベッドで痛みの治まるのを座って待つしかないのです。

 でも痛みに強い?私です。少し痛みが治まるとイタイイタイ~思いながらでも筋トレには行くのです。

 まあ、こんなところが90歳でも元気~と周囲の人達から言われる所以かもしれません。

 それで気分転換~夏の話~それも5年前のことです。

 

 

 私の持病はこのころ発症したのです。薬では抑えられず。点滴と薬を併用した治療でした。

 4週に一回病院に点滴に通っていました。

 それがこの点滴べらぼうに高い薬品なのです。一回の点滴で保険なしだと10万円もする代物です。私は高齢者保険で1割負担で助かるのですが、それでも1万なにがし~支払います。そのたびに思っていました。このお金あればドレスが買えるのに~て、ね~月に一回の女装旅行が二回行けるのに~たんび思ったものです。

 でも、今はありがたい~と思うようになりました。この点滴薬がなければ今は手首先から、指がゆがんでいたに違いないのです。そして痛い痛い~と叫びながら悪化していたでしょう。ただ耐えるしかない日をおくっていたと思います。

 そのころの五年前の話です。

 病院に行って、尿と血液検査して診察になって医者に言われたのです。

「コレストロールが劇的に下がっていますよ。なにか飲みました?」聞かれたのです。でもその時は思い当たることもなく首傾げるだけです。

 検査データを見せてもらいました。40の項目がずらり~並んでいるのを目で追って4月の<総コレストロール>値が294なのです。正常値130~220>で、高いのが<212>正常値に下がっているのです。

 このとき4週間まえの血液検査では<267>ですから、たしかに劇的な下がり様です。

「心当たりありませんか?痩せてきたとか?」

「それがね先生、痩せるどころか、体重が55,2キロから60キロ越えたのですよ」

「筋肉に変わったのかもね」

「食事だと思います。家内が食事にうるさいので~」

 それで納得~と医者はうなずいたけど~でも自分では不思議に思っていました。

 生まれてこのかた、体重が60キロ越えたことがなかった私です。それが急激に肥えて、それでいて総コレストロールが下がるなんて?考えられないことです。

 運動をして~といってもプールで水中を歩くだけ~それも日中、暑くて行くのも大層で最近は行っていない。せいぜい夜にクーラ―全開で体操するぐらいで、コレストロールが下がるほどの運動していないのです。

 そういえばフレンドさんに言われた。「最近肥えてきたのじゃない?顔がふっくらしてきたみたい」

嬉しいその言葉に思い当たったのは<お腹が出てきた~お乳が膨れてきた~乳首が痛い>

<お乳~>ひょっとしたら・・・原因は?乳房を大きくするクリームです。乳房フエチの私です。2か月前から好奇心もあってフレンドさんの経験談をうのみにして、通販で買ったホルモンクリームを乳首に塗って自分の体で実験始めたのです。

「塗るだけではだめよ。お風呂でお乳マッサージするの~」フレンドさんは夏の薄い生地のブラウスから乳首が見え見えを見せつけて私に教えるのですから、説得力あるのです。私もそれに従うほかないのです。

 ええ、勿論フレンドさんも女装さんです。私よりはるかに年下だけど私の女装先生のようです。

 家の風呂~私の背丈に合わした大きいバスで、妻が全身浸かってあやふく溺れかかったほどだけど、私には長々と体を伸ばして浸かることできる素敵な風呂なのです。

 気持ち良い湯加減のもと私はフレンドさんの言葉に従って、お乳マッサージするのが習慣になっていたのが、クリームの効果でしょうか?お乳に変調が現れたのです。

 風呂上りの後、洗面所の鏡の前で体が映ったときです。乳首が立っているのに気が付いたのです。指先でつまむとなにか固く感じます。気のせいかふっくらと乳首の周辺が盛り上がっている感じもするのです。

 やった!歓喜が沸き上がります。女装さんが女に近づきたい~それには、まづお乳から~その気持ちが実感できます。

 それからです~入浴がなによりも楽しみになったのです。現金なもので浴室掃除は妻がするものと任せきりで居たのが私がするようになったのですから~

「一体どうしたのパパ?急にマメになって~」妻に笑われましたけどね。

 しかしその後、ホルモンクリームを続けたものの期待したほど乳房の形にはなりませんでした。盛り上がった掌<てのひら>に包み込むようなお乳~私の願望を叶うことはないのです。<やはりクリームではダメなのか?ホルモンでないと~>そんな想いがちらとあたまを横切ります。

 それで念のためホルモン摂取のリスクを調べてみたのです。がっくりしました。

 ホルモンを半年も続けると死ぬまで辞められないこと<ホントかな?フレンドさん止めましたけど?><生殖能力失うこと>生殖はなくてもいいけど、男性機能無くなるのは困る~。肝臓初めいろんな病気を併発する。私の不治の病にはダメ?精神的には鬱<うつ>の病がでる?

 矢張りこれだけのリスクの可能性があるとなると、いくらお乳フエチの私でもしり込みしてしまいます。<そういえばホルモンクリームも微量だけどホルモンが入っている>気が付いて恐ろしさが湧いてきます。

 ニュウハーフさんの見事なお乳~でも、彼女?達はそのリスクもあったとしても女の乳房持ちたいためにホルモンを摂取し続けている~その勇気~女性でありたい~想いに、私はただ脱帽するばかりです。

 もちろん私はクリーム使うことを辞めました。病気持ちの私にはいくら乳房への渇望があってもリスクを乗り越えていく勇気はありません。女装に憑りつかれていても私はまだ女性になりきることはできない~と観念しているのです。

<何今更~歳考えなさい~言われそう( ´艸`)> <続く>