陸軍桟橋
海軍機雷学校跡の先に久里浜少年院があるのですが、その前から横須賀駅行きのバスに乗って浦賀病院前のバス停で降りて、船番所跡へ。

ここの海への出っ張り部分がかっての陸軍桟橋。陸軍の船舶が行き来した停泊地ですね。


 

海の中に続いている階段。歴史を感じさせます。今は釣り人達のメッカになっていましたけど。

 

ここから対岸へ渡りたいわけなのです。地上ルートだとぐる~っと遠回りになるので、渡し船で行きました。

「浦賀の渡し」から船が出ているのです。これ、けっこう楽しい。

 



駆逐艦村雨の碑

渡し船で鴨居海岸側に渡り、再びバスに乗り鴨居というバス停まで。観音崎通りを通っていきます。
観音崎通りに面して「村雨の碑」の案内版があります。

その横の道を歩くと海に面して、「駆逐艦村雨の碑」があります。
ちょっと場所がわかりにくいかもしれない。住所では横須賀市鴨居3-15です。




海に面して赤茶色の石(赤御影石だそうです)の碑が建っています。
駆逐艦村雨は、1943年(昭和18年)3月5日のコロンバンガラ島クラ湾夜戦で沈没。114名の乗員が戦死(119名説あり)。1982年(昭和57年)3月5日建立ということで、クラ湾に村雨が沈んだ日に建てられたのですねえ。
 

「 駆逐艦 村雨
 大東亜戦争に於て 純粋に日本のために 青春を捧げて 戦歿した戦友を偲び 
 祖国愛と 平和への願いをこめて この慰霊碑を建立する」
 と碑に刻まれていました。

横の碑には村雨の戦歴が刻まれていました。

 

 昭和十二年一月七日 大阪藤永田造船所に於て竣工 第二駆逐隊を編成
 昭和十三年八月ー十一月 支那事変に参加、呉淞敵前上陸作戰
 昭和十六年十二月八日 大東亜戰争に参加
 昭和十六年十二月十日 比島ビガン急襲上陸作戰 戰死者五名
 昭和十六年十二月二十二日 比島リンガエン上陸作戰
 昭和十七年一月 ボルネオ島タラカンバリクパパン攻略作戰
 昭和十七年二月二十七日 スラバヤ沖海戰、感状授與
 昭和十七年三月一日 ジャバ島スラバヤ攻略作戰
 昭和十七年四月 比島セブ、コダバト攻略作戰
 昭和十七年六月五日 ミッドウエー海戰
 同七月~八月 印度洋通商破壊作戰
 同八月~十八年一月 ガダルカナル島奪回増援作戰
 昭和十七年九月十九日 サンタクルーズ諸島スデニ島特別奇襲攻撃
 昭和十七年十月十七日 ガ島飛行場砲撃
 昭和十七年十一月十二日 第三次ソロモン海戰
 昭和十七年十二月十八日 ニューギニヤ島ウエワク攻略作戰
 昭和十八年三月五日 コロンバンガラ島クラ湾 夜戦に於て敵巡洋艦三隻、駆逐艦三隻と交戰、沈没 戰死者百拾四名。

スラバヤ沖海戦からミッドウェー海戦、ガダルカナル攻撃、ソロモン海戦と、村雨、すごく頑張ったなあ・・・。

 

↑在りし日の村雨(写真はWikiからお借りしました)

村雨、クラ湾に沈む
昭和18年3月ともなると、ガダルカナル島から日本軍の撤退作戦が終わった頃で、ガダルカナル島は放棄したものの、中部ソロモン諸島は維持し続けるぞと日本軍が頑張っていたころ。アメリカ艦隊はガダルカナル島に作った飛行場からばんばん戦闘機や爆撃機を飛ばして一大反攻に出ていた時期。コロンバンガラ島に頑張っていた日本軍の守備隊に弾薬や食糧を届けようと、スピードが出る駆逐艦として村雨がラバウルから向かったのです。

そして、コロンバンガラの仲間に物資を補給をして、さあラバウルへ帰ろうとしたところを、アメリカ艦隊に襲撃されました。その頃にはアメリカ艦隊にはレーダーが整備され、村雨たちの行動は全部お見通し。偵察もばっちりされていて、日本側の動きは筒抜け状態。アメリカ艦隊は村雨たちを撃沈しようと手ぐすねひいて待っていたのです。
アメリカ艦隊の魚雷や砲撃を受けて、あっという間に村雨や他の駆逐艦も撃沈されてしまいました。
 

駆逐艦って、高速が出る水上戦闘艦で、魚雷撃ったり、潜水艦に攻撃したり、偵察・哨戒したり、船団護衛したり、いろいろな任務で大奮闘したのですよね。ソロモン海域の戦況が苦しくなってからは、村雨のようにスピードが出る駆逐艦が物資を味方に運んだのですよねえ。それもアメリカ艦隊に見つかりにくい、そして戦闘機が飛んでこない夜にこっそりと。

でも、アメリカ艦隊がレーダーを駆使し始めると、「夜にこっそり」というのも難しくなったわけです。大和や武蔵に代表されるようなどーんと大きい戦艦って、太平洋戦争中あまり活躍したイメージありませんが。駆逐艦って、あちこちで八面六臂の働きをしたイメージがあります。雪風も駆逐艦ですものね。

村雨の碑に手を合わせていたら、一人の若者がやってきて、村雨の碑をじっと見ていました。艦これファンかな?それとも、海軍ファン?それとも、村雨に縁のある方だろうか?
どちらにしろ、村雨のことを偲んでくれる若者がいることは嬉しいですね。

 



 

 

 

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